Trademark Appeal Case
著名商標と外観類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90694(T2003−90694/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4694117号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年10月28日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年7月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の6件の登録商標を引用している。
(ア)登録第2071378号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月6日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録されたものである。
(イ)登録第2044942号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月6日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年5月26日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第2044943号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月6日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年5月26日に設定登録されたものである。
(エ)登録第2096983号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和60年8月6日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年11月30日に設定登録されたものである。
(オ)登録第4365471号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成10年9月10日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年3月3日に設定登録されたものである。
(カ)登録第4651828号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成14年7月23日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年3月7日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用各商標とは、その基本的構成要素というべき左右に背中合わせに配された欧文字の「C」字状の図形を基本とする点において構成の軌を同じくしており、また、二つの左右に背中合わせに配された欧文字の「C」字状の図形の上下両端が円形になっている点、背中合わせにした「C」字状の図形の間隔部分に水平方向の直線を有している点及び紋章のような印象のものとして認識される点等、外観上共通した点が多い。
したがって、本件商標は、引用各商標と構成の軌及び外観的印象を共通にするものであり、著名な引用商標に多少の変更を加えたにすぎず、引用各商標を容易に想起し、相紛れる商標として認識されるというべきである。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用各商標は、セリーヌブランドの創始者であるマダム セリーヌ ヴィピアナがパリの凱旋門を囲む鎖からインスピレーションを受け考案した「ブラゾン」と呼ばれているものであり、馬車をモチーフにした「サルキー」マークとともにセリーヌブランドを代表するロゴマークである。バッグ、アクセサリー及び婦人服等において使用されているのは勿論のこと、本件商標の指定商品であるサングラス及び携帯電話用ストラップにおいても使用されており、日本においても、申立人のブランドに係る各種商品は、高品質の商品として一般需要者間に広く認識されている。
したがって、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的関係に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
(4)また、本件商標は、商取引の秩序を乱すものであって、国際信義に反するものとして、公序良俗を害する商標であり、不正の目的をもって使用をするものというべきである。
(5)よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1ないし4とは、別掲(1)及び(2)に示したとおりの構成からなるところ、いずれもその構成中に受話器を背中合わせにしたかの如き図形(申立人の主張によれば、C字状の図形を背中合わせにしたかの如き図形)を有しており、該図形の間隔部分の描写方法にもやゝ近似した点のあることは申立人の主張のとおりである。
しかしながら、本件商標には、受話器状図形の上部と下部に、引用商標1ないし4にはない、緩く反り返らせた長方形状図形が配されており、この部分は、本件商標の構成において大きな比重を占めているものであって、図形全体に安定感を与え、どっしりとしていて容易には動じ難い印象を与えるものである。
これに対して、引用商標1ないし4は、全体として丸みを帯びた構成からなっており、変転自在な印象を与えるものであって、現に、引用商標5及び引用商標6においては、別掲(2)の図形あるいはこれに近似した図形が角度を変えて多数配されている。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その構成要素の一部に近似したところがあるとしても、その他の構成要素においては、判然とした差異を有しており、この差異が両者の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象においても明らかな差異を有するものというべきであるから、これを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標は、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められるから、両商標の称呼及び観念については、比較することはできない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第15号及び同第19号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、充分に区別し得る別異の商標であるばかりでなく、申立人の提出に係る証拠のみをもってしては、引用各商標が本件商標の登録出願時において、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めるに充分なものとはいえない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標は、国際信義に反するものとはいえず、引用商標の著名性を利用する不正の目的をもって使用をするものということもできない。(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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