Trademark Appeal Case
著名性及び商品類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90597(T2003−90597/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4685000号商標(以下「本件商標」という。)は、「U.S.Sシリーズ」の文字を標準文字により表してなり、平成14年8月7日に登録出願、第6類及び第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成15年6月20日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第432957号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和25年7月14日に登録出願、第6類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として昭和28年10月17日に設定登録され、その後、昭和50年12月9日、同59年1月27日、平成5年10月28日及び同15年10月14日の4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)申立人は、1901年に設立された米国ペンシルバニア州ピッツバーグ在の米国最大の鉄鋼企業であり、その初年度の稼動だけで全米鉄鋼生産量の67%のシェアを占め、1980年代には大幅に多角経営化と再構築が行われ、近年は、主要な鉄鋼事業に加えて、数々のジョイント・ベンチャーにも参加しているほか、石炭採掘、ミネラル・リソース・マネジメント、輸送・交通、不動産開発、テクノロジー・ライセンシング等のビジネスにも関与している。
(2)引用商標は、申立人の名称の略称であり、この略称を丸で囲った標章は、社標として1934年以来使用されている。社標は、申立人会社の営業活動に欠かせないものであり、あらゆるパンフレット、ウェブページ、新聞、雑誌等申立人が話題となる場所で使用されている。日本においても、1968年より当該使用を開始し、スロバキアに子会社を有している事実を考慮すれば、様々な通信手段等を通じた情報に接する我が国の取引者・需要者は、本件商標の登録出願時に引用商標が米国を中心に世界的に著名な商標であるとの認識を持つに至っていたというべきである。
(3)本件商標は、欧文字と片仮名文字の結合商標であり、前半部「U.S.S」と後半部「シリーズ」とに分断され、「ユウエスエス」、「シリーズ」、「ユウエスエスシリーズ」の称呼が生ずるから、「ユウエスエス」の称呼を生ずる引用商標とは称呼において極めて近似する商標であり、外観・観念においても近似するものである。
また、本件商標の指定商品中の第6類の商品は全て金属製品であって、引用商標の指定商品とは材料と完成品という密接な関係にある。
(4)以上からすれば、著名な引用商標と外観・称呼・観念の点において極めて近似する本件商標を、引用商標に係る商品と材料と完成品という密接な関係にある本件商標の第6類の指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、申立人又は同人と組織的又は経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
4 当審の判断
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は1901年に米国で設立された鉄鋼会社であり、米国において鉄鋼製品を中心とした各種製品を相当程度販売していること、申立人の鉄鋼製品は我が国へも輸出されていること、「USS」の文字を丸で囲った標章が申立人の社標として使用されていること、引用商標がカナダ、韓国、台湾、米国等において登録されていることが認められる。
しかしながら、上記社標及び引用商標が個々の鉄鋼製品との関係において具体的にどのように使用されているのか一切明らかでないばかりでなく、引用商標を使用した商品が実際に取引されている状態を示すものもないし、引用商標を使用した商品が米国内はもとより我が国において広告宣伝等された事実も見出せない。また、各国において商標が登録されていることをもって、直ちに該商標が我が国の取引者・需要者間に広く認識されているということもできない。その他、引用商標が我が国の取引者・需要者間に広く認識されていることを認めるに足る証拠はない。
そうすると、本件商標の登録出願時及び査定時に、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として我が国において取引者・需要者の間に広く認識されていたものということはできない。
また、本件商標の指定商品中の第6類に属する商品は、引用商標の指定商品である「銑鉄、鋳鉄、鋼板」等の鉄鋼製品とは流通経路、用途、販売場所等を異にする非類似の商品であって、極めて密接な関係にあるものとまではいい得ないものである。
以上からすれば、本件商標は、引用商標を構成する「USS」の文字をその構成中に有するものであるとしても、その指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を想起、連想するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、登録異議の申立てに係る指定商品について、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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