Trademark Appeal Case
MONSTER称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90581(T2003−90581/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4682598号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成14年3月5日登録出願、第9類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年6月20日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)ないし(5)のとおりである。
(1)登録第4585355号商標(以下「引用商標1」という。)は、「MONSTER MOBILE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年11月1日登録出願(優先権主張、2001年5月14日、アメリカ合衆国)、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月12日に設定登録されたものである。
(2)登録第2697721号商標(以下「引用商標2」という。)は、「モンスター」の片仮名文字を書してなり、平成元年5月24日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同平成6年10月31日に設定登録されたものである。
(3)登録第4679679号商標(以下「引用商標3」という。)は、「MONSTER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年7月16日登録出願(優先権主張、2001年1月18日、アメリカ合衆国)、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同15年6月6日に設定登録されたものである。
(4)登録第4246976号商標(以下「引用商標4」という。)は、「MONSTER CENTRAL」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年10月14日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年3月5日に設定登録されたものである。
(5)登録第4303151号商標(以下「引用商標5」という。)は、「モンスター」の片仮名文字と「MONSTER」の欧文字とを二段に書してなり、平成9年10月9日登録出願、第9類、第16類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年8月6日に設定登録され、その後、指定商品については、商標登録の無効の審判により、その指定商品中第9類「消防車,自動車用シガーライター」について無効とすべき旨の審決がされ、その確定審決の登録が同12年12月27日にされているものである。
3 登録異議申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標中の「MONSTERGATE」部分に接する需要者は、「M」と「G」の文字が大きく書されていること等の構成に照らし、「MONSTER」と「GATE」の2つの英単語を容易に看取し得るものであり、「MONSTER」は我が国で広く親しまれている平易な英単語であるから、「モンスター」の称呼を極めて容易に思い浮かべ、ゆえに、本件商標からは「MONSTER」部分に照応して「モンスター」の称呼が生ずる。
一方、引用商標1及び引用商標4は、いずれも2つの平易な英単語からなるものであり、2つの英単語間にスペースを介在させていることとも相俟って、「MONSTER」の語に照応して「モンスター」の称呼をも生じ、また、引用商標2、引用商標3及び引用商標5は「モンスター」の称呼を生ずること明らかである。
したがって、本件商標は、引用商標1ないし引用商標5と同一又は類似の指定商品に係るものであって称呼上類似する商標であるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1979年に設立され、高性能のスピーカー用ケーブルを開発し、モンスターケーブルと命名した。モンスターケーブルという名前は「高品質、高性能」と同義のものとして消費者に受け止められ、申立人の製品、特にコンピュータ用、コンピュータゲーム用、家庭用のオーディオ・ビジュアル製品用、車用等の各種ケーブルは、高品質、高性能なものとして世界的に広く認識されている。
本件商標の商標権者たるコナミ株式会社がコンピュータゲームのトップメーカーの一つであること、申立人のケーブルがコンピュータやコンピュータゲーム用に使用されるものであることを考慮すれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときは、該商品があたかも申立人の製造・販売に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、その場合、申立人の高品質・高性能な製品のイメージやいわゆるモンスターシリーズの登録商標の下に積年の品質管理等の努力により獲得したMonster製品のイメージ・信用が毀損されるものと考える。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、同法第43条の2第1号の規定により、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と各引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲のとおり、その構成中の「MONSTERGATE」の文字部分は、やや図案化されているものの全体が一体にまとまりよく表されており、また、右下に小さく書された「モンスターゲート」の文字部分も同書同大同間隔で一連一体に表されていることに加え、これらより生ずる「モンスターゲート」の称呼も、格別冗長ではなく、よどみなく一気に称呼し得るものであって、殊更、これを欧文字部分の「MONSTER」と「GATE」とに分断し、「MONSTER」の文字部分のみを抽出して観察すべき格別の理由は見出し難いものであるから、全体として「モンスターゲート」の称呼のみを生ずるというべきである。
この点に関し、申立人は、「MONSTER」が親しまれた語であることを理由に、本件商標から単に「モンスター」の称呼が生ずる旨主張しているが、「MONSTER」が親しまれた語であるとしても、「GATE」もそれなりに親しまれている語であり、両者間に軽重の差は見られないというべきであるから、申立人の主張は採用することができない。
なお、申立人は、引用商標1及び引用商標4がその出願審査の過程において拒絶の理由に「モンスター」の商標を引用された経緯があることをもって、本件商標も同様に取り扱われるべきである旨述べているが、本件商標と引用商標1及び引用商標4とは構成態様が異なるものであり、該審査例と同列に論ずることはできない。
そうすると、引用商標1及び引用商標4から単に「モンスター」の称呼が生ずるかどうかはさておき、引用商標2、引用商標3及び引用商標5から「モンスター」の称呼が生ずること明らかであるとしても、本件商標からは「モンスターゲート」の称呼のみを生じ、「モンスター」の称呼が生じない以上、本件商標から「モンスター」の称呼が生ずることを前提に本件商標と各引用商標とが称呼上類似するものであるとする申立人の主張は理由がないことになる。
他に、本件商標と各引用商標とが称呼上類似するとみるべき理由は見出し得ない。
さらに、本件商標と各引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上明らかに区別し得る差異を有しており、また、本件商標は、親しまれた既成の観念を有する熟語を表したものともいえないから、観念において各引用商標と比較することもできない。
してみれば、本件商標と各引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の主張の全趣旨及び甲第10号証ないし甲第12号証によれば、コンピュータ用、オーディオ・ビジュアル用等の各種ケーブルについて「MONSTER」及び「MONSTER CABLE」等の商標が使用されていることが認められる。
しかしながら、これらの証拠は、インターネットにおける申立人のホームページをプリントアウトしたものであって(原文のみで訳文の添付もない。)、その内容も申立人及びその製品を数点紹介したものにすぎず、これをもって、引用商標が使用された結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において引用商標が我が国において需要者間に広く認識されていたということはできない。他に、これを覆すに足りる証拠はない。
しかも、上記(1)のとおり、本件商標と各引用商標とは非類似の商標であって別異のものである。
かかる事情において、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、各引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同するおそれもないというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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