Trademark Appeal Case
判読困難な商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90726(T2003−90726/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4698115号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成14年11月12日に登録出願、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成15年8月8日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4497699号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成9年6月20日に登録出願、第6類、第9類、第14類、第16類、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成13年8月10日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、引用商標に称呼上類似しており、また、指定商品も抵触しているものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)申立人は、イタリア国所在の「スポーツカー」や「レーシングカー」の製造業者として世界的に有名であり、また、それらの自動車に付されている「Ferrari」の商標も申立人の商標として世界的に周知著名である。本件商標は、周知著名な商標である「Ferrari」と同一の文字を含むものであり、これがその指定商品について使用されると、需要者は該商品が申立人又はその関連会社により製造販売された商品であるかのように、出所の混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、申立人の著名な略称である「Ferrari」の文字を含むものであり、申立人の承諾を得ていないから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(4)以上要するに、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号又は同第8号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、別掲(1)のとおり、上段にローマ字の「C」と「F」をモノグラム風に描き、その下段にローマ字の筆記体で書した二つの語を一字程度の間隔をもって表してなるものである。そして、下段の文字部分は、全体として欧米人の署名を表したような印象を与えるものであって、最初の語が「C」から始まり、二番目の語が「F」から始まることがわかるものの、それぞれに続く文字は如何なる文字を表したものか必ずしも明らかでなく、俄には判読し難いものであるから、これより直ちに特定の称呼及び観念を生ずるものとはいえない。
そうすると、本件商標の下段部分が「Cathie Ferrari」の文字からなるものであるとし、その上で本件商標は「キャシーフェラーリ」、「キャシー」及び「フェラーリ」の称呼を生ずるものであるとして、「フェラーリ」の称呼を生ずる引用商標と本件商標とは称呼を共通にする類似の商標であるとする申立人の主張は、前提を欠き理由がないことになる。その他、本件商標と引用商標とが外観及び観念について類似するものであるとすべき理由は見出し難い。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
上記(1)のとおり、本件商標は、その構成中下段に書された文字部分は判読し難いものであるから、これより「Ferrari」の文字が含まれているものと把握することができない。
そうすると、「Ferrari」の文字よりなる標章(以下「引用標章」という。)が自動車について使用され、周知著名であるとしても、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が引用標章ないしは申立人を想起・連想するようなことはないというべきであって、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第8号該当について
上記(1)のとおり、本件商標は、特定の称呼及び観念を生ずるものではなく、一見して直ちにその構成中に「Ferrari」の文字を含んでいるものと認識し理解されることはないというべきであるから、引用標章が申立人の商号の著名な略称であるとしても、本件商標が他人の名称の著名な略称を含むものであるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第8号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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