Trademark Appeal Case
称呼の類否と造語性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90735(T2003−90735/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4698493号商標(以下「本件商標」という。)は、「CAMBER−SPORTS」の欧文字と「キャンバースポーツ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、平成14年2月13日登録出願、第25類「被服」を指定商品として、平成15年8月8日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第4415045号商標は、「CAMPER」の欧文字を横書きしてなり、平成11年3月2日登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同12年9月8日に設定登録されたものである。
(2)登録第3270094号商標は、別掲のとおりの構成からなり、平成6年3月17日登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年3月12日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由の要点
本件商標は、申立人が有する「被服、履物」等についての周知・著名商標「CAMPER」との間で商品の出所の混同を生ずるおそれのあるものである。さらに、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものである。また、本件商標は、申立人の周知・著名商標と類似する商標を冒用し、申立人の商標の価値を希釈化するなどの不正の目的をもって登録されたものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号又は同第19号に反し、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、欧文字部分が「CAMBER」と「SPORTS」の間にハイフンを介在させているとしても、全体として同書、同大の文字を、同間隔でまとまりよく一体に表されており、これから生ずると認められる「キャンバースポーツ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、かかる構成にあっては、その構成中の「CAMBER」の文字が「(道路・甲板などの)上ぞり、かまぼこ形」等の、「SPORTS」文字が「スポーツの、スポーツ用の」等の、それぞれ意味を有する英語であるとしても、むしろ、全体として既成の親しまれた観念を有しない一種の造語を表したものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は「キャンバースポーツ」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「キャンパー」の称呼を生じ、「キャンプをする人」の観念を有するものである。
そして、本件商標から生ずる「キャンバースポーツ」の称呼と「キャンパー」の称呼とは、構成音数を異にし、「スポーツ」の音の有無及び「バ」と「パ」の音の相違を有することにより、明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上明確に区別し得る差異を有しており、さらに、本件商標が既成の親しまれた観念を有しない以上、観念上両者は比較できないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)引用商標の周知性について
申立人は、引用商標が「被服、履物」等の商品について使用する商標として日本国内及び外国において取引者・需要者の間に広く認識されている旨主張し、甲第4号証を提出しているので、この点について検討する。
申立人の提出に係る甲第4号証によれば、各国において引用商標が靴、被服等について使用されていること並びに申立人が各国において登録商標及びドメインネームを有していることが認められとしても、その使用の程度・規模等は必ずしも明らかでなく、我が国についていえば、申立人の商品が3種類の雑誌に1回ずつ、しかも「カンペール」として紹介されたにすぎず、日本国内販売実績と称する書面及びインボイス(請求書)にしても、英文によるものであって、具体的な商品及び商標が一切不明で何らの説明もないものである。
そうすると、かかる証拠によっては、引用商標が、申立人の業務にかかる商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時に我が国において取引者・需要者間に広く認識されていたものとは到底いうことができない。
(3)商品の出所の混同のおそれについて
本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似しない別異のものであることに加え、上記(2)のとおり、引用商標が我が国において取引者・需要者間において広く認識されているものともいえないことからすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるあるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
(4)不正の目的について
上記(1)ないし(3)よりすると、本件商標は、引用商標を冒用するものとはいえないし、申立人の商標の価値を希釈化する等の不正の目的をもって使用するものともいえない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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