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Trademark Appeal Case

使用商品の指定商品該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30203(T2003−30203/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4180023号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4180023号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年7月25日に登録出願され、「FREEFORM」の欧文字を横書きしてなり、第9類「電子制御インクジェットプリンター,電子制御インクジェットプリンター用のプリンターヘッド,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成10年8月21日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、その証拠方法として乙第1号証を提出している(なお、請求人の提出した証拠の表示は、乙号証となっているが、その乙号証表示をそのまま使用することとする。)。

(1)請求の理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、使用されていないものである。

よって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標につき請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

(2)弁駁の理由

被請求人は、平成15年7月11日付提出の答弁書において、甲第1号証ないし甲第4号証を提出して、「本件商標権者がその通常使用権者である関係会社(Domino UK Ltd.、Domino Amjet Inc.、ドッドウェル ジャパン(株))を通じて、本件指定商品である電子応用機械器具及びその部品、特に電子制御インクジェットプリンターに、2000年以後、本件商標『FREEFORM』をわが国で使用していることは疑問の余地のないところである」と述べる。

しかしながら、以下に述べるように、被請求人によって提出された上記各号証によっては、本件商標のその指定商品についての使用事実は全く証明されておらず、本件商標は取消されるべきである。

(A)甲第1号証の「A‐Series FreeForm」と題する英文パンフレットは、英文で作成されており、かつ、作成年月日も不明である。さらに、わが国の代理店等の連絡先の表示も全くない。加えて、これがわが国で現実に配布されたことを示す証拠は何ら提出されておらず、本甲号証は、本件商標の本件審判請求前3年以内のわが国における本件商標の使用の事実を立証するものではない。

なお、同甲号証には、「Domino UK Ltd.及びDomino Amjet lnc.」が当該パンフレットにかかる商品の製造・販売者と思われる表示がある。そして、答弁書においては、これらが、本件商標権者の通常使用権者であると主張するが、現実にこれらの者に、本件商標権者から本件商標の通常使用権を許諾したとする証拠は提出されておらず、これらの者が通常使用権者であるかどうかも全く不明である。

(B)甲第2号証の2002年1月発行の「DOMINO グローバル NO.1」と題する日本文パンフレットは、上記のとおり、このパンフレットの作成者であるドッドウェル ジャッパン(株)についても、被請求人は、その通常使用権者であると主張するが何らそれを立証する証拠は提出されていない。

さらに、同甲号証には、「インクジェット式のプリンター(印刷機)」が表示されていることはわかる。しかしながら、この「印刷機」は、当該販売者であるドッドウェル ジャッパン(株)の東京営業所に問い合わせたところ、「缶ジュースの缶の裏の製造年月日」や「化粧品等商品の製造番号」等を「印字」するために使用される、それ自体独立したマイコン内蔵の「印刷機」との説明を得た。

このような「印刷機」は、紛れもなく「業務用の印刷機械器具」であり、第7類の「印刷用又は製本用の機械器具」に属するものであることは明白である。

他方、本件商標の指定商品(第9類)に属する「電子制御インクジェットプリンター、電子制御インクジェットプリンター用のプリンターヘッド」というのは、「コンピュータ」とともに使用される「プリンター」であって、コンピュータ(電子応用機械器具)と一体となった、それ専用のプリンターであることをいうものであることは特許庁の審査基準に照らしても明白である。それ故、当該「プリンター」は、「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に入れられているのである。

例えば、特許庁の先登録例においても、「インクジェット式印刷機」「インクジェット印刷装置、印刷ヘッド」は、第7類の商品と分類されて登録されている(登録第4453144号、同第4295968号)。

甲第2号証に示された商品は、正に、それ自体単独で機能する「印刷機」であり、たとえ、マイコンを内蔵するものであっても(ほとんどの商品(機械類)は今日、マイコンを内蔵する)、本件指定商品である「電子応用機械器具及びその部品」に属するものでないことは明白である。なお、本件被請求人は、本件と別の出願において、当該商品が審査において、「電子応用機械器具」の範疇に入るとの認定を受けたというが、どのような資料を提出してそのような認定を受けたのかも明白でなく、それが本件商標権の権利範囲の認定に影響を与えるものでないことはいうまでもない。

(C)甲第3及び第4号証については、如上のとおり、甲第2号証に示された商品は、本来の「印刷機」であり、これを販売したとする取引書類である上記甲各号証を提出したところで、本件商標のその指定商品についての使用を立証するものでないことは明らかである。

(3)以上述べたとおり、被請求人によって提出された上記甲各号証によっては、本件商標のその指定商品についての使用事実は証明されていないから、本件商標についてはその登録を取り消されるべきである。

3.被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第4号証を提出した(なお、被請求人の提出した証拠の表示は、甲号証となっているが、その甲号証表示をそのまま使用することとする。)。

(答弁の理由)

本件商標は、その指定商品について現に日本国内において使用しているので、以下に証拠をもってその事実を示す。

「A−Series FreeForm TM」と題する英文パンフレットである甲第1号証、2002年1月発行の「DOMINO グローバル No.1」と題する日本文パンフレットである甲第2号証、2001年11月発行の「Aシリーズ受注書・仕様書(A)」の写しである甲第3号証及び平成13年11月発行の「注文書」の写しである甲第4号証によって、本件商標権者がその通常使用権者である関係会社(Domino UK Ltd,Domino Amjet Inc.(甲第1号証)、ドッドウエル ジャパン株式会社(甲第2及び第4号証))を通じて、本件指定商品である電子応用機械器具及びその部品、特に電子制御インクジェットプリンターに、2000年以後、本件商標を我国で使用しているところである。

たとえば、甲第3及び第4号証は、最終ユーザーである宝印刷株式会社に納入する電子制御インクジェットプリンター(機種「フリーフォーム」、基本ソフト「フリーフォーム」、7ドットフォント)を販売代理店である株式会社千代田マシナリーから平成13年11月に通常使用権者であるドットウエル ジャパン株式会社に注文した事実を示している。

また、甲第2号証には、ドミノAシリーズ インクジェットプリンタである「『フリーフォーム』による解像度の高い印字」、「解像度の高い高品位なデジタルプリンタ」、「ネットワークオペレーション、システム管理への発展性」等の記載があり、「フリーフォーム」が本件指定商品に用いられている事実を明らかにしている。

なお、甲第1ないし第4号証に示されたような「インクジェットプリンター」を指定商品として本件商標とは異なる商標について出願した商標登録出願(たとえば商願平9−182846号)に関し、同商品が「第9類 電子応用機械器具及びその部品」の範疇に入るとの認定を受けた経緯があることを申し添える。

以上から、被請求人は、通常使用権者も含め、本件商標を、その指定商品について継続して3年以上使用していない、とする請求人の主張が誤りであることは明らかである。

よって、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

4.当審の判断

被請求人が提出した甲第1ないし第4号証によれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、日本国内において通常使用権者と推認されるドットウエル ジャパン株式会社により、商品「印刷機」(インクジェットプリンタ)に使用されている事実は認められるものである。

次に、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品である「電子応用機械器具及びその部品、特に電子制御インクジェットプリンター」に、2000年以後、本件商標を我が国で使用している旨主張しているので、以下、この点について検討する。

甲第2号証は商品カタログ「DOMINO グローバル No.1」と認められるところ、その1頁目には「薬品、化粧品、パーソナルケア業界のお客様へ さまざまなコーディングに関わる ソリューションをご提案します。」と説明、さらに2頁目では、「品質保証、製品トレーサビリティ(追跡性)を向上させるトータルコーディングソリュウションを提案します。」と説明している。そして、トータルコーディングソリュウションとして「ドミノAシリーズ/インクジェットプリンタ」、「ドミノ/スキャニング/レーザーマーカー」、「ドミノ/ドットマトリックス/レーザーマーカー」及び「ドミノ/高解像度ケースコーダー」の項を設け順に説明をしていて、例えば、「ドミノAシリーズ/インクジェットプリンタ」の項では、「完全なトレーサビリィ(追跡性)の確立」として「・UVリーダブルインク」「・ピンポイントノズルによる隠しコードの印字」等と説明、また「クリーンルームでの対応」として「・高品質アルコールベースインク」「・密閉インクシステム」と説明、また「高品質ハイスピード印字」として「・『フリーフォーム』による解像度の高い印字」等と説明、「ドミノ/スキャニング/レーザーマーカー」の項では、「高品質、永久に消えない文字をハイスピード印字」、「紙、ガラス、プラスチックなどさまざまな対象物への印字が可能」等と説明して、それぞれの項に数字又は文字が印刷されている各種物品の写真が掲載されている。また「ドミノ/高解像度ケースコーダー」の項には、「溶剤をふくまないオイルベースインクによる紙、外装ケースなどへの印字」等と説明、さらに「CCDカメラ印字検査システム」の欄には、「●製品の完全なトレーサビリティ(追跡性)を確立し、万全な製品管理を実現する画像検査装置」等と説明をしている。

また、甲第3号証「Aシリーズ受注書・仕様書(A)」(「納入年月」の欄に2001年11月9日と記載されている。)には、機種として「A200 フリーフォーム(1台)」と記載されていて、その「システムと概要図」の欄にロールを介して流れる印刷用紙とプリントヘッドの位置の関係を表したものとみられる図、また「印字内容」の欄に「6桁ナンバーリング」と記載されている。

上記事実よりすれば、被請求人が本件商標が使用されているとする商品「インクジェットプリンタ」は、商品又は包装用容器の面又はラベルに、製造品質管理のための記号、符号を印刷〔甲第3号証の仕様書では6桁の数字(ナンバーリング)を印字するものとみられる。〕するインクジェット方式(インキを細かいノズルから連続的に噴射させ、このインキ粒子の流れを機械的、電気的に制御して印刷する方式)によるプリンタであって、特に薬品や化粧品等を製造するクリーンルームへの対応が可能な高品質アルコールベースインクが使用され、密閉インクシステムとなっているところの、薬品、化粧品等の製造工程において使用されるインクジェット方式による印刷用の機械器具(以下「使用商品」という。)と認められる。

ところで、本件商標の指定商品である商品及び役務の区分「第9類」における「電子応用機械器具及びその部品」は、電子の作用が機械器具の機能の面で本質的な要素になっている「電子応用機械器具」と「その部品」であるところ、これに属する「電子制御インクジェットプリンター」は、コンピュータの周辺機器としてコンピュータとともに使用される「プリンター」であって、コンピュータ(電子応用機械器具)と一体となって機能するプリンターを指称するものと解されるところである。

そうしてみると、使用商品は、上記のとおり、薬品や化粧品の包装容器の面又はそれらの商品のラベルへ印刷する等、専ら商品製造工程において使用される「印刷用の機械器具」であり、第9類「電子応用機械器具」に含まれるところの「コンピュータ」(電子応用機械器具)の周辺機器としてのプリンターとして使用されるものと認めることはできないので、本件審判請求に係る指定商品「電子制御インクジェットプリンター,電子制御インクジェットプリンター用のプリンターヘッド,その他の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品ということはできない。

以上よりすると、被請求人の提出に係る甲各号証をもってしては、本件商標は、本件審判請求に係る指定商品について使用をしていたものということはできない。

その他、被請求人は、本件商標が本件審判請求に係る指定商品のいずれかについて使用をしていたと認めるに足りる証拠を提出していない。

してみれば、本件商標を日本国内において本件審判の請求の登録前3年以内に本件審判請求に係る指定商品のいずれかについて、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが使用をしていたものと認めらないものであり、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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