Trademark Appeal Case
地名と普通名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−19454(T2002−19454/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおり「宮島醤油」の文字を横書きしてなり、第30類「調味料」を指定商品とし、平成12年7月27日登録出願され、その後指定商品については、同13年7月4日付け手続補正書により、「しょうゆ」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、広島県佐伯郡宮島町に著名な観光地である厳島の通称である『宮島』の文字と『醤油』の文字を一連に『宮島醤油』と書してなるものであり、全体として、『宮島を生産地、もしくは販売地とした醤油』であると認識させるものあるから、これを本願指定商品中『しょうゆ』に使用しても、単に商品の生産地、販売地を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。さらに、本願商標は、使用により自他商品識別標識としての機能を有するに至っているとは認められないから、商標法第3条第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
1)商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて
本願商標は、前記したとおり、「宮島醤油」の文字を書してなるところ、該文字は、観光地として一般によく知られている「安芸の宮島」を表した「宮島」と指定商品の普通名称を表す「醤油」の文字とを結合したものと容易に認識されるものである。
この点に関し、請求人は、特段争うところがない。
ところで、観光地として知られる宮島では、特産のカキを原材料としたしょうゆが生産され、土産物として販売されていることは、例えば、インターネットホームページ(http://www.rakuten.co.jp./post/491283/525245/)において「安芸の宮島名産『かき醤油』」のように掲載されているほか、2000年5月12日付日本食糧新聞には、「日本三景の一つである安芸・宮島(広島県宮島町)を訪れる観光客のみやげ用として、宮島限定販売のご当地ラーメン『宮島かき醤油ラーメン』(しょうゆ味、とんこつしょうゆ味の二品)を5月3日から町内の土産物店などで販売開始した。・・・また、『かき醤油』一〇〇g袋入りがサービスで封入されているほか、通信販売の案内書宮島や観光パンフレットが同封されている。」のように、カキのエキス入り醤油を原材料とするラーメンのたれを使用したラーメンが販売されている事実が認められることからすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認められるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2)商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標は「しょうゆ」について使用した結果、自他商品識別機能を有するに至っているから、商標法第3条第2項の要件を具備したものである旨主張し、甲第1号証ないし同第22号証の7を提出しているので、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備しているものであるか否かについて以下のとおり検討する。
a) 甲第1号証、甲第2号証、甲第4号証ないし甲第14号証についてみると、いずれの証拠においても、「宮島醤油」の文字からなる本願商標のみの表示はなく、亀甲内に「宮」の文字を表した図形とともに表示されているものである。
したがって、この様な表示態様においては、「宮島醤油」の文字部分が前記認定のとおり、それ自体では、自他商品の識別機能を有しないことを考えれば、むしろ、この図形部分の方に看者の注意が引かれるというのが相当であり、自他商品を識別するための出所表示として機能している要部と認識されるものとみるのが自然であるから、「宮島醤油」の文字部分が独立して自他商品の識別標識として機能していると認めることはできないものである。
そうすると、これらの書面は、「宮島醤油」の文字が、請求人の商標として使用され、自他商品識別機能を有するに至ったものとなっていることを証明するものとはならない。
b) 甲第3号証は、単に請求人の営業履歴を表示するにすぎず、「宮島醤油」の文字が請求人の商標として使用されて自他商品識別機能を有するに至ったことについて何等証明するものではない。
c) 甲第15号証によって、請求人がしょうゆのラベルを購入した事実を確認できるとしても、この書面は、「宮島醤油」の文字が請求人の商標として使用されて自他商品識別機能を有するに至ったことについて何等証明するものではない。
d) 甲第16号証ないし甲第22号証の7は、佐賀県唐津市長他同業者によって「宮島醤油」の文字が請求人の商標として使用されて自他商品識別機能を有するに至ったことを証明する内容の証明書であるが、これらは、請求人が用意したと思しき定型文に記名、押印しただけのものであり、いかなる根拠をもってなされた証明であるか、一切明らかになっていないから、この内容を記載どおりそのまま認めることはできない。
以上a)からd)のとおりであるから、請求人の提出した証拠によっては、本願商標が請求人の商標として使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を有するに至っているものと認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められない。
3) 以上1)及び2)のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、同法第3条第2項の要件を具備しないとした原査定は妥当なものであって、取り消すべき理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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