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Trademark Appeal Case

旅道具の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第8438号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成からなり、第11類「旅行用懐中電灯,その他の電球類及び照明用器具,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,旅行用電気式湯沸かし器,旅行用加熱器,その他の加熱器,調理台,流し台,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,旅行用電気がま,旅行用電気こんろ,旅行用電気ポット,旅行用ヘアドライヤー,旅行用プラグアダプター,その他の旅行用電熱用品類,家庭用電熱用品類,浴槽類,旅行用浄水器,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,業務用ごみ焼却炉,家庭用ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,旅行用便器,その他の便器,和式便器用椅子,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具,業務用調理機械器具,美容院用・理髪店用機械器具(いすを除く),水質汚濁防止装置,太陽熱利用温水器,浄水装置」を指定商品として、平成6年12月28日に登録出願され、その後、指定商品については同9年8月4日付手続補正書により「旅行用懐中電灯,旅行用電気式湯沸かし器,旅行用加熱器,旅行用電気こんろ,旅行用電気ポット,旅行用ヘアドライヤー,旅行用プラグアダプター,旅行用浄水器,旅行用便器,かいろ,化学物質を充てんした保冷具」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由 原査定は、「本願商標は、『旅行に使用する道具』の意味合いを認識させる『旅道具』の文字を普通の態様の域を脱しない程度に表示してなるから、これを指定商品中の『旅行用の商品』などに使用しても、その商品が『携帯用の旅行に適したもの』であることを認識するにとどまり、単に商品の用途、使用場所等を表示するにすぎない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別紙に表示したとおり、勘亭流の如き書体により表されているものであるが、「旅道具」の文字を書したものと容易に理解し認識し得るものであり、この書体自体それ程特異なものではなく、商標法第3条第1項第3号にいう「普通に用いられる方法で表示する標章」の範疇に属するものというのが相当である。

しかして、岩波書店発行「広辞苑(第5版)」によれば、本願商標中の「旅」の文字は、「住む土地を離れて、一時他の土地に行くこと。旅行」等を意味する語であり、「道具」の文字は、「物を作り、また事を行うのに用いる器具の総称。調度。什具」等を意味する語であり、共に親しまれた語であることが認められる。そして、この両語を結合した「旅道具」の語は、請求人も認めるように、「旅に用いられる道具」ないしは「旅行用の器具」の意味合いを容易に想起せしめるものである。

ところで、請求人の提出に係る「いい旅さらに快適に!」と題する商品カタログ並びに甲第1、第4及び第6号証を徴するに、携帯性に富み、旅行に適した、いわゆる旅行用の商品が現実に取り引きされていることが認められる。そして、これらの旅行用の商品を「旅道具」又は「旅の道具」と称していることは、以下の新聞記事データベース及びインターネットのホームページの記載によって認められる。

例えば、毎日新聞、96.04.12付地方版9頁栃木には「・・・書物、旅道具などを展示する。」、同96.10.20付東京本紙朝刊12頁には「・・・『旅の道具』・・・また、『日本の旅道具』のなかの・・・」、同98.10.07地方版17頁三重には「・・・看板、旅道具など約100点。」、朝日新聞96.03.14付朝刊愛知版には「・・・をテーマに旅道具や・・・」のように、それぞれ記述され、また、インターネットのLYCOSJapanの検索情報によれば、「旅マニュアル 安全・快適 旅の道具事典」、「旅を支えてくれた道具たち」、「旅の道具」、「始めての野宿地 旅の道具」等の記載が見られる。

以上の事実を総合勘案すれば、本願商標をその補正後の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が旅行用のものであることを表示したものと認識し理解するに止まり、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。

請求人は、本願商標は各種の旅行用品に使用するものとして取引者、需要者間に認識されるものとなっている旨主張し、証拠を提出している。

しかしながら、請求人の提出に係る甲第1号証の「旅道具百科」と題するカタログには、その表紙に「旅道具百科」の文字が表示されているのみであり、その表示中の「旅道具」の文字にしても本願商標とは構成態様を著しく異にするものであって、本願商標と同一のものとはいえないから、これをもって本願商標が使用されているとはいい難いものである。また、甲第4及び第6号証の「旅行用品タリフ」と題するカタログには、「旅道具」のみの表示は見当たらず、これらの表紙の下部に「旅・道・具・屋」の表示があるにすぎない。しかも、この「旅・道・具・屋」の表示は、一連一体に看取されるものであって、到底本願商標と同一のものということはできないから、これらのカタログをもって本願商標が使用されているものともいえない。

その他、本願商標がその指定商品について現実に使用されていることを立証するものはない。

そうすると、これらのカタログが請求人の支店、営業所等に頒布されているとしても、これらの証拠によっては、本願商標が使用された結果、取引者、需要者間に広く認識されるに至っていると認めることはできないから、請求人のこの主張は採用することができない。

結局、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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