結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30974(T2003−30974/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2367111号商標(以下「本件商標」という)は、「ロンドンハウス」の文字を横書きしてなり、昭和60年6月28日に登録出願され、第17類「英国製被服、英国製布製身回品,英国製寝具類」を指定商品として、平成3年12月25日に設定登録、その後、平成14年5月14日付けで商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものであるが、指定商品については、平成15年8月20日付で第5類「英国製失禁用おしめ」、第9類「英国製事故防護用手袋,英国製防火被服,英国製防じんマスク,英国製防毒マスク,英国製溶接マスク」、第10類「英国製医療用手袋」、第16類「英国製紙製幼児用おしめ」、第17類「英国製絶縁手袋」 第20類「英国製クッション,英国製座布団,英国製まくら,英国製マットレス」、第21類「英国製家事用手袋」、第22類「英国製衣服綿,英国製ハンモック,英国製布団袋,英国製布団綿」、第24類「英国製布製身の回り品,英国製かや,英国製敷布,英国製布団,英国製布団カバー,英国製布団側,英国製まくらカバー,英国製毛布」、第25類「英国製洋服,英国製コート,英国製セーター類,英国製ワイシャツ類,英国製寝巻き類,英国製下着,英国製水泳着,英国製水泳帽,英国製和服,英国製エプロン,英国製えり巻き,英国製靴下,英国製ゲートル,英国製毛皮製ストール,英国製ショール,英国製スカーフ,英国製足袋,英国製足袋カバー,英国製手袋,英国製布製幼児用おしめ,英国製ネクタイ,英国製ネッカチーフ,英国製バンダナ,英国製保温用サポーター,英国製マフラー,英国製耳覆い,英国製ずきん,英国製すげがさ,英国製ナイトキャップ,英国製ヘルメット,英国製帽子」に書換登録がなされている。
請求人は、「結論同旨の審決を求める」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番含む)を提出した。
1.請求の理由
請求人が調査した限り、被請求人は、本件商標をその指定商品について過
去3年の間日本国内において使用していない。更に、商標登録原簿上、専用
使用権者または通常使用権者の記載は見当たらないし、また、市場調査でも、本件商標の使用に係る商品は見出されない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取
り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人が英国のTHOMAS MASON社に英国製のワイシャツ
の製造を依頼して輸入したことを明らかにする証拠として提出した乙第8号
証「THOMAS MASON社のMEIWA CO LTD宛のINVO
ICE」には、THOMAS MASON社がMEIWA CO LTDに
100% コットンのバッキンガム生地(140センチ幅の織物)を2種類、各34メ一トルづつ販売したことが示されているのみであって、ワイシャツを販売した旨の記載はない。
さらに、このインボイスには、請求金額の記載がない。ワイシャツを販売
したのであれば、被請求人が輸入したワイシャツの品番(9837,986
1)それぞれに対し、ワイシャツ1枚の金額(単価)×34の金額がインボ
イス(請求書)に記載されているべきである。このインボイスには、支払い
方法の欄に「請求金額の通り」と明示されているにも拘わらず、金額の記載
がない。
これらの事実を合わせて判断すると、被請求人がTHOMAS MASO
N社からワイシャツを購入したと言う主張は事実に反する。
(2)乙第8号証のINVOICEに記されているTHOMAS MASO
N社の住所はイタリーであり、輸送を担当したPANALPINAは国際的
なネットワークを有する貨物輸送会社であり、PANALPINA MIの
表示はミラノ(イタリー)店で取扱ったことを示していること、及びこのI
NVOICEがイタリー語で作成されていることを合せて判断すると、ME
IWA CO LTD宛に出荷された100%コットンの生地(織物)は、
明らかに、イタリーから出荷されたものと考えられる。
請求人が、このINVOICEに記されているTHOMAS MASON
社のウェブサイトにアクセスしたところ、THOMAS MASON社はイ
タリーのベルガモ州アルビノに本拠を置く「Cotonificio Al
bini S.p.A.(株式会社アルビニ紡績工場)」の1部門であって、同所に所在することが示されていた。
これらのことから、被請求人がTHOMAS MASON社からMEIW
A CO LTDを経由して被請求人宛に出荷したと称する100%コット
ンの生地(織物)は、イタリーで製造されたものであることが分かる。
請求人は、上記事実を立証するため、甲第3号証及び甲第4号証を提出す
る。
(3)以上を総合して判断するに、被請求人提出にかかる乙第8号証によっ
て、明らかにされた事実は次の通りである。
イ)THOMAS MASON社からMEIWA CO LTDに出荷さ
れた商品は、100%コットンの生地(織物)である。
ロ)THOMAS MASON社からMEIWA CO LTDに出荷さ
れた100%コットンの生地(織物)は、イタリーで製造されたものである。
ハ)THOMAS MASON社からMEIWA CO LTDに出荷さ
れた100%コットンの生地(織物)は、品番 9837及び9861の2
品種であって、それぞれ幅140cm、長さ34mである。
ニ)販売金額は、その記載がなく、不明である。
したがって、THOMAS MASON社からMEIWA CO LTD
あてに出荷された商品が株式会社長谷川商店に納品されたという被請求人の
主張は、乙第8号証によっては証明されていない。
そして、乙第9号証は、被請求人の主張の事実を立証する証拠たり得ず、
信憑性に欠けるものである。よって、上記被請求人の主張は、事実に反する
ものと言うべきである。
(4)被請求人は、乙第2号証は「The London House」の
英国製ワイシャツの写真であり、乙第3号証に示される下げ札及び織りネー
ムは、乙第2号証の写真に示される英国製ワイシャツに添付されているもの
と同じものである、乙第3号証の下から2番目の黄色地の織りネームは英国
THOMAS MASON社の生地を使用したことを示す、と説明している
しかしながら、上記事実からみて、乙第2号証の写真に示されるワイシャ
ツは、THOMAS MASON社が製造したワイシャツでもなければ、ま
してや、英国製のワイシャツでないことも明らかである。
したがって、乙第1号証の「商標使用証明書」には、「英国製 The
London Houseワイシャツを被請求人から68着仕入れ、販売し
た」旨が記載されているが、明らかに事実に反し、証拠価値のないものであ
る。
(5)さらに、乙第8号証及び乙第9号証の立証の趣旨が、上述のとうり否
認されるとき、乙第10号証ないし第14号証も、信憑性に欠けるものであり、その立証の趣旨のみならず、成立自体もまた否認される。
(6)被請求人は、片仮名「ロンドンハウス」と英語の「THE LONDON HOUSE」とは、同一性を有すると主張するが「THE LONDON HOUSE」は、「The」が定冠詞であり、特定の「London House」を意味し、「ザ ロンドン ハウス」と称呼される。
一方、片仮名「ロンドンハウス」は、不特定の一般的意味合いで「ロンドンのハウスないし家」を意味するに過ぎず、「ロンドンハウス」の称呼、観念される。
したがって、片仮名「ロンドンハウス」と英語の「THE LONDON HOUSE」とは、同一性を有する商標に該当しない。
(7)被請求人は、その親会社である件外東京シャツ株式会社の販売するワイシャツを製造を担当し、東京シャツ株式会社は、全国に56店舗を有し、これらの店舗には、「London House」、「Brick House」の店名を用い、そこで販売するワイシャツ、包装(ビニール袋)袋にも、「London House」を使用していると主張し、乙第4号証ないし乙第7号証を提出しているが、被請求人が製造し、東京シャツ株式会社が販売するワイシャツに、「London House」の商標が使用されているとしても、それらワイシャツは全て日本国内で製造されたもの、または中国等で製造されたものであって、英国で製造されたものではない。
したがって、乙第4号証ないし乙第7号証によっては、本件商標がその指
定商品に使用されていることが証明されていない。
(7)以上詳述した通り、被請求人提出に係る乙第1号証ないし乙第14号
証によっては、本件商標がその指定商品に使用されていたことが証明されて
おらず、被請求人の答弁も事実に反する。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
1.本件商標の使用の事実
(1)被請求人は、ワイシャツその他のシャツ類の製造及び販売を営業内容
とするものある。
被請求人は、親会社である件外東京シャツ株式会社が販売するワイシャツ
その他のシャツ類を製造するほかに、他社の有名ブランド、例えば「Uni
ted Arrows」「Austin Leed」その他の商標の既製の
「ワイシャツ」その他のシャツ類の製造を請け負い(OEM)、さらに全国
の有名デパートにおいて「オーダーシャツ」の販売をするものである。
(2)親会社である件外東京シャツ株式会社は、自社工場(すなわち被請求
人やライセンス契約による中国等の工場)で製造をした自社製品「ワイシャ
ツ、カジュアルシャツ、レディスシャツ」等を自社の店舗「シャツ工房」
「シャツプラザ」を通して販売をするという製造小売業(SPA)をおこな
うものであり、平成15年9月末現在、56店舗の小売店を全国的に展開を
しているものである。
これらの店舗には、「London House」「Brick Hou
se」等の系列店があり、そのうち「LondonHouse」は平成9年
9月に大阪北区曽根崎の「梅田店」を第1号店として開店以来、九州福岡市
の「博多店」、四国の「松山店」、東京品川区の品川プリンスホテルエグゼ
クティブタワーの「品川店」その他平成15年9月現在では32店舗を展開
中である。
2.本件商標の使用実績
(1)「London House」の店舗では、店名の表示の外に、ビニ
ール袋にもこの商標を使用し(乙第7号証)、またこの店舗名で出店を始めた当初から商標「London House」を商品「ワイシャツ」に使用をして販売をしていた。
(2)そこで、昨年(平成14年)4月に、被請求人は、本件商標の前の商
標権者である工業繊維株式会社から、本件商標に係わる商標権を譲り受けた
ものである。
(3)同時に、被請求人は、平成14年夏頃から、これまでに取引関係のあ
る東京港区の株式会社長谷川商店を通して英国のTHOMAS MANSO
N社に英国製のワイシャツの製造を依頼し、同年9月3日にはTHOMAS MANSON社から神戸のMEIWA CO LTD及び先の株式会社長谷川商店を通して輸入し、同年10月28日に同長谷川商店から納品を受け、被請求人の商品として、本件商標を付してこれを同年10月31日に件外東京シャツ株式会社に販売をし、同社は同社の品川プリンスホテルエグゼクティブタワー内「品川店」において同年11月1日から同12月末日まで販売をした。
本件商標の商品「英国製のワイシャツ」は、上代価格が20,000円の
もの(製造番号9837−01)がL、M型をあわせて34枚、同じく上代
価格15,000円のもの(製造番号9861−04)がL、M型あわせて
34枚、合計68枚であり、平成14年11月には上代価格が20,000
円のもの(製造番号9837−01)を11枚、上代価格15,000円の
もの(製造番号9861−04)を17枚販売し、同12月にはそれぞれ1
6枚と15枚を販売した。
なお、これまでの「London House」の製品とは異なる英国製
の商品であることから、「The London House」を商標として採用したものである。また、英国製品であることを示するために、英国国旗と「MADE IN ENGLAND」を表示したタグを付して販売をした。
(4)また、本年(平成15年)8月1日から、東京駅八重洲口の大丸東京
店において、英国製生地を用いたオーダーシャツを商標「The London House」を使用して販売している。
(5)本件商標と使用商標との同一性
本件商標「ロンドンハウス」と使用商標「The London House」とは、片仮名とローマ文字との相違や「The」の有無の相違がある。
しかしながら「The」は単なる定冠詞であり、商標の識別機能の観点からは、単なる付記的な部分であり、要部は「London House」である。
したがって、本件商標と使用商標とは、「ロンドンハウス」の称呼、観念を共通にするものであるから、同一性の範囲内にあるとするのが相当である。
2.結論
以上の通り、被請求人(商標権者)は、本件審判請求の予告登録日の平成
15年8月13日の前3年以内において継続して日本国内において指定商品
について本件商標の使用をしていたものであるから、商標法第50条第1項
により本件商標を取消すべきとの請求人の主張には根拠がない。
1.被請求人が、本件商標を本件取消請求に係る指定商品に使用している事
実を証する書面として提出した「会社概要、シャツ工房グループ店舗名簿」(乙第4号証)及びインターネット情報「シャツ工房グループ 店舗紹介」(file://C:\Documents%20and%20Settings\COMPAQ\My%20Documemts\download\...)(乙第5号証)及び商品の包装用袋を撮影した写真3葉より、被請求人は「London House」をグループ店舗名及び「シャツ、その他の被服類」等の商品に商標として使用していることが認められる。
また、2002年10月28日付け納品書(乙第9号証)により、被請求人は、品番「9837」と「9861」の製品を各34着、株式会社長谷川商店より納品を受けたものであり、乙第12号証ないし乙第14号の品番別在庫表・既製中には、「ロンドンハウス」の区分II、品番「9837−01」と「9861−04」の表示があることから、ロンドンハウス」の商標が、前記納品書記載の品番「9837」と「9861」の製品に使用されているものと推認できる。
以上により、被請求人は「London House」及び「ロンドンハウス」を、「シャツ、その他の被服類」に使用していると認め得るものである。
なお、これまでの『London House』の製品とは異なる英国製
の商品であることから、『The London House』を商標として採用したものである。また、英国製品であることを示するために、英国国旗と『MADE IN ENGLAND』を表示したタグを付して販売をした。」旨述べている。
しかしながら、被請求人が商標「London House」及び「ロンドンハウス」を「シャツ、その他の被服類」に使用していることを示してはいるものの、これらの「シャツ、その他の被服類」が、英国製であることを明確に証明する書面を提出していない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中「英国製のワイシャツ」について、使用されていたものと認めることはできない。
さらに、被請求人は、他に本件商標をその指定商品の何れかについて使用していることを証明していない。
なお、当審は、平成16年7月5日付けの審尋書において、本件商標を付したワイシャツ類等の商品が、英国製であることを明確に証明する書面の提出を求めたが、被請求人からは何ら回答がなかった。
したがって、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者によっても使用されていないものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、商標法第50条1項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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