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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31002(T2003−31002/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1433956号商標(以下「本件商標」という。)は、横楕円形輪郭内に「J.S.T」の文字を横書きしてなり、昭和49年1月9日に登録出願、第9類「ドリル、リーマその他本類に属する商品(ただし、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、蚕種製造または養蚕用機械器具、修繕用機械器具を除く。)」を指定商品として、昭和55年9月29に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「産業用機械器具(「ドリル、リーマ、その他の金属加工機械器具」を除く。)、動力機械器具(電動機を除く。)、風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く。)、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く。)、機械要素(ただし、土木機械器具、荷役機械器具、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具、植物粗製繊維加工機械器具、飼料裁断機、飼料粉砕機、飼料配合機、蚕種製造または養蚕用機械器具、修繕用機械器具を除く。)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

本件商標は、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第37号証(枝番を含む。)を提出した。

被請求人は、取消審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が機械要素の範疇に含まれる商品について、本件商標を使用していることを立証する。

1.本件商標権の通常使用権者について

乙第2号証は、被請求人と中島工機株式会社(東京都港区三田3丁目1番4号)」(以下「中島工機」という。)との間に取り交わされた本件商標権についての通常使用権の契約書であり、本契約は現に有効な契約である。

2.通常使用権者が本件商標を商品「テーパーピン」「平行ピン」に使用していることについて

(1)乙第3号証ないし乙第6号証による立証事実

(ア)乙第3号証は、本件外「株式会社鋲定本店(東京都千代田区岩本町2‐13‐3)」(以下「鋲定本店」という。)発行に係る証明書である。

(イ)乙第3号証に添付の資料1により、商品を2003年7月18日に中島工機は鋲定本店に納品した事実を証している。

(ウ)商品の納品は、乙第3号証に添付の資料2の写真1、写真2に示す態様にて行なった。

物品受領書(資料1)中の記号「TP」とは、中島工機が使用する「テーパーピン」を意味する記号である。「4X30」、「5X35」は、呼び径(mm)、呼び長さ(mm)を意味する(乙第34号証)。

乙第3号証に添付の資料2の写真1、写真2には、商品「テーパーピン」を包装する包装形態が示され、その包装用袋には本件商標並びに商品名の記載のあるラベルが入っていることが示されている。

(エ)中島工機のラベルと同内容のものを乙第4号証及び乙第5号証として提出する。

(オ)乙第6号証は、中島工機が鋲定本店に発行した平成15年7月分の売り掛け代金の明細を示す請求書(控)であり、その伝票日付7月22日の欄に乙第3号証に添付された物品受領書写しの売り掛けの内容を示す記載がある。

(2)乙第7号証ないし乙第11号証による立証事実

(ア)乙第7号証は、本件外「株式会社コバデン(東京都港区南麻布2−7−29)」(以下「コバデン」という。)発行に係る証明書である。

(イ)乙第7号証に添付の資料1は、コバデンが中島工機より購入した物品受領書の写しであり、2003年8月6日に中島工機はコバデンに納品した事実を証している。

(エ)受領日平成15年8月6日の商品「テーパーピン」の納品は、乙第7号証に添付の資料2の写真2に示す態様にて行なった。

添付の資料2の写真には、商品「テーパーピン」を包装する包装形態が示され、その包装用袋には本件商標並びに商品名「TAPER PINS」の記載のあるラベルが入っていることが示されている。

(エ)中島工機のラベルと同内容のものを乙第8号証として提出する。

(オ)乙第9号証は、中島工機がコバデンに発行した平成15年8月分の売り掛け代金の明細を示す請求書(控)である。乙第9号証の伝票日付8月6日の欄に乙第7号証に添付の物品受領書写し(資料1)の売り掛けの内容を示す記載がある。

(カ)乙第10号証及び乙第11号証は、コバデンより中島工機に発行された平成15年7月22日ないし同年8月19日間の売り掛け代金の請求書写し及び受領書写しである。

(3)乙第12号証ないし乙第16号証による立証事実

(ア)乙第12号証は、本件外「有限会社隆栄製作所(神奈川県横浜市都筑区佐江戸町251)」(以下「隆栄製作所」という。)発行に係る証明書である。

(イ)乙第12号証に添付の資料1は、隆栄製作所が中島工機より購入した物品受領書の写しであり、その受領日に中島工機は隆栄製作所に納品した事実を証している。

(ウ)商品の納品は、乙第12号証に添付の資料2の写真に示す態様にて行なった。乙第12号証に添付の資料1中の記号「DP」とは、中島工機が使用する平行ピンを意味する記号である。

(エ)添付の資料2の写真には、商品「焼入り平行ピン」を包装する包装形態が示され、その包装用袋には「J.S.T.」並びに商品名「焼入り平行ピン」の記載のあるラベルが入っていることが示されている。

(オ)添付の資料2の写真に示される中島工機のラベルと同内容のものを乙第13号証として提出する。

(カ)乙第14号証は、中島工機が隆栄製作所に発行した平成15年5月22日ないし同年6月20日までの売り掛け代金の明細を示す請求書(控)である。その伝票日付6月17日の欄に乙第12号証に添付された物品受領書写しの売り掛けの内容を示す記載がある。

(キ)乙第15号証及び乙第16号証は、隆栄製作所より中島工機に発行された平成15年5月29日ないし同年6月12日までの売り掛け代金を示す請求明細書写し及びその支払いの小切手である。

(4)乙第17号証ないし乙第21号証による立証事実

(ア)乙第17号証は、本件外「株式会社ヤマモリ(東京都墨田区亀沢2−16−8)」(以下「ヤマモリ」という。)発行に係る証明書である。

(イ)乙第17号証に添付の資料1は、ヤマモリが中島工機より購入した物品受領書の写しであり、2003年8月1日に中島工機はヤマモリに納品した事実を証している。

(ウ)商品の納品は、乙第17号証に添付の資料2の写真1、写真2に示す態様にて行なった。

(オ)添付の資料2の写真1、写真2には、商品「平行ピン」を包装する包装形態が示され、その包装用袋には「J.S.T.」商標並びに商品名「平行ピン」の記載のあるラベルが入っていることが示されている。

(カ)資料2の写真1、写真2に示される中島工機のラベルと同内容のものを乙第18号証及び乙第19号証として提出する。

(キ)乙第20号証は、中島工機がヤマモリに発行した平成15年7月22日ないし同年8月11日までの売り掛け代金の明細を示す請求書(控)である。その伝票日付8月1日の欄に乙第17号証に添付された資料1(物品受領書写し)の売り掛けの内容を示す記載がある。乙第21号証は、ヤマモリより中島工機に発行された領収書写しである。

(5)乙第22号証ないし乙第26号証による立証事実

(ア)乙第22号証は、本件外「辰巳産業株式会社(東京都品川区西五反田5−1−5)」(以下「辰巳産業」という。)発行に係る証明書である。

(イ)乙第22号証に添付の資料1は、辰巳産業が中島工機より購入した物品受領書の写しであり、2003年7月7日に中島工機は辰巳産業に納品した事実を証している。

(ウ)商品の納品は、乙第22号証に添付の資料2の写真に示す態様にて行なった。資料1中の記号「STP」は、「ステンレス製のテーパーピン」を意味する(乙第34号証)。

(オ)資料2の写真には、商品「テーパーピン」を包装する包装形態が示され、その包装用袋には、横長楕円内に「JST」を配した商標並びに商品名「TAPER‐PINS」の記載のあるラベルが入っていることが示されている。

(カ)乙第22号証に添付の資料2の写真に示される中島工機のラベルと同内容のものを乙第23号証として提出する。

(キ)乙第24号証に添付の資料1ないし資料3は、中島工機が辰巳産業に発行した平成15年6月23日ないし同年7月18日までの売り掛け代金の明細を示す請求書(控)である。伝票日付7月7日の欄に乙第22号証に添付された資料1(物品受領書写し)の売り掛けの内容を示す記載がある。乙第25号証は、辰巳産業より中島工機に発行された平成15年7月14日付の売り掛け代金の請求書写しである。乙第26号証は、支払いを小切手で受けた領収書写しである。

(6)乙第27号証及び乙第28号証による立証事実

乙第27号証及び乙第28号証は、中島工機の顧客である辰巳産業、有限会社寺沢商店に係る証明書であり、該会社は、横長楕円内に「J.S.T.」を配した商標を上部に付した商品「テーパーピン」に関するのパンフレットを受け取っていることを証している。

3.本件商標を付して販売している商品「テーパーピン」「平行ピン」は機械要素の範疇に含まれる商品であることについて

(ア)中島工機の販売する「テーパ−ピン」は、主として軸をボスに固定するために用いるものであり(乙第30号証)、例えば、小物軽荷重部品の組立固定、結合や正確な位置決めなどのために、穴に打ち込んで使用する(乙第31号証)。

(イ)また、中島工機の販売する上記「平行ビン」は、例えば、2つの部品の位置を正確に取付けるとき、また、分解した部品の関係位置を一定に保つのにいるものである(乙第31号証)。

(ウ)さらに、過去の審査例において、「シャフト,ビンその他の軸及び機械要素」を含む商品表示にて商標登録を認めた事例がある(乙第32号証及び乙第33号証)。

(エ)してみると、通常使用権者である中島工機が本件商標を付して販売している商品「テーパーピン」「平行ピン」は機械要素の範疇に含まれる商品と思料する。

4.以上のとおり、通常使用権者である中島工機は、本件商標を機械要素の範疇に入る「テーパーピン」「平行ピン」の包装用ラベル、取引書類に付し、審判請求登録前に使用している事実がある。

第4 当審の判断

1.本件商標権の通常使用権者について

乙第2号証(契約書)によれば、被請求人(商標権者)は、中島工機に、本件商標権について通常使用権を許諾したことが認められ、本件審判請求の登録前3年以内に当たる時期を含め、その契約は現に有効に存続していることが認められる。

2.被請求人の提出に係る証拠によれば、下記の事実が認められる。

(1)乙第3号証ないし乙第6号証による立証事実について

(ア)乙第3号証に添付の資料1は、鋲定本店が中島工機より購入した物品受領書であり、この物品受領書には、伝票発行日2003.07.22;受入日03.7.18の鋲定本店の受入印があること。そして、物品受領書のコード/品名の欄には、「TP4X30 JST TP M 4X30」「TP5X35 JST TP M 5X35」と記載されていること。

(イ)乙第3号証に添付の資料2の写真1、写真2の商品の包装形態によれば、その包装用袋には、乙第4号証及び乙第5号証に示すラベルが商品と共にビニール袋に包装されていること。そして、その各ラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる「J.S.T」の文字とともに、「TAPER-PINS」「D4 L30」及び「D5 L35」と表示されていることよりすれば、上記(ア)の物品受領書に記載されている商品は、「TAPER-PINS(テーパーピン)」と認められること。

(ウ)乙第6号証の中島工機と鋲定本店に係る請求書によれば、乙第3号証に添付された物品受領書写し(資料1)の売り掛けの内容を示す記載があること、が認められる。

(2)乙第7号証ないし乙第11号証による立証事実について

(ア)乙第7号証に添付の資料1は、コバデンが中島工機より購入した物品受領書であり、この物品受領書には、伝票発行日2003.08.06;受領日15.8.6のコバデン受領印があること。そして、物品受領書のコード/品名の欄に「TP4X80 JST TP M 4X80」と記載されていること。

(イ)乙第7号証に添付の資料2の写真の商品の包装形態によれば、その包装用袋には、乙第8号証に示すラベルが商品と共にビニール袋に包装されていること。そして、そのラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる「J.S.T」の文字とともに、「TAPER-PINS」「D4 L80」との記載があることよりすれば、上記(ア)の物品受領書に記載されている商品は、「TAPER-PINS(テーパーピン)」と認められること。

(ウ)乙第9号証ないし乙第11証のコバデンと中島工機に係る請求書、受領書によれば、乙第7号証に添付の物品受領書写し(資料1)の売り掛けの内容を示す記載があること。

(3)乙第12号証ないし乙第16号証による立証事実について

(ア)乙第12号証に添付の資料1は、隆栄製作所が中島工機より購入した物品受領書であり、この物品受領書には、伝票発行日2003.06.17;受領日15.6.17の隆栄製作所受領印があること。そして物品受領書のコード/品名の欄に「DPSK12X90 JST 焼入DP SK4 SRm6 M12 X 90」と記載されていること。

(イ)乙第12号証に添付の資料2の写真の商品の包装形態によれば、その包装用袋には、乙第13号証に示すラベルが商品と共にビニール袋に包装されていること。そして、そのラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる「J.S.T」の文字とともに、「焼入り平行ピン」「サイズ M12×90」との記載があることよりすれば、上記(ア)の物品受領書に記載されている商品は、「焼入り平行ピン」と認められること。

(ウ)乙第14号証ないし乙第16号証は、中島工機と隆栄製作所に係る明細書、請求書等によれば、乙第14号証に添付の物品受領書写し(資料1)の売り掛けの内容を示す記載があること、が認められる。

(4)乙第17号証ないし乙第21号証による立証事実について

(ア)乙第17号証に添付の資料1は、ヤマモリが中島工機より購入した物品受領書であり、この物品受領書には、伝票発行日2003.08.01;受領日03.8.01のヤマモリ受領印があること。そして、物品受領書のコード/品名の欄に「DPS45C6X30 JST S45C DP m6 A M 6 X 30 平行ピン」「DPS45C6X25 JST S45C DP m6 A M 6 X 25 平行ピン」と記載されていること。

(イ)乙第17号証に添付の資料2の写真1、写真2の商品の包装形態によれば、その包装用袋には、乙第18号証及び乙第19号証に示すラベルが商品と共にビニール袋に包装されていること。そして、その各ラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる「J.S.T」の文字、「S45C平行ピン」「サイズ M6×30L」(乙第18号証)及び「M6×25L」(乙第19号証)と表示されていることよりすれば、上記(ア)の物品受領書に記載されている商品は、「平行ピン」と認められること。

(ウ)乙第20号証及び乙第21号証は、中島工機とヤマモリに係る請求書、領収書であり、乙第17号証に添付された資料1(物品受領書写し)の売り掛けの内容を示す記載があること、が認められる。

(5)乙第22号証ないし乙第26号証による立証事実について

(ア)乙第22号証に添付の資料1は、辰巳産業が中島工機より購入した物品受領書であり、この物品受領書には、伝票発行日2003.07.07;受領日15.7.7の辰巳産業受領印があること。そして、物品受領書のコード/品名の欄に「STP6X50 JST SUS TP M6 X 50」と記載されていること。

(イ)乙第22号証に添付の資料2の写真の商品の包装形態によれば、その包装用袋には、乙第23号に示すラベルが商品と共にビニール袋に包装されていること。そして、そのラベルには、本件商標と社会通念上同一と認められる「J.S.T」の文字とともに、「TAPER‐PINS」「D6 L50」との表示があることよりすれば、上記(ア)の物品受領書に記載されている商品は、「TAPER‐PINS(テーパーピン)」と認められること。

(ウ)乙第24号証及び乙第25号証は、中島工機と辰巳産業に係る請求書受領書であり、乙第22号証に添付された資料1(物品受領書写し)の売り掛けの内容を示す記載があること、が認められる。

(6)乙第27号証及び乙第28号証による立証事実について

乙第27号証及び乙第28号証によれば、中島工機は、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を付した商品「テーパーピン」に関するパンフレットを、平成12年9月及び平成13年1月頃、顧客に現に配布したことが認められる。

(7)使用に係る商品「テーパーピン」「平行ピン」について

被請求人の提出に係る乙第30号証ないし乙第37号証によれば、中島工機の販売する「テーパーピン」「平行ピン」は、取消請求に係る指定商品中の「機械要素」の範疇に含まれる商品と認められるものである。

3.以上よりすれば、本件の通常使用権者と認められる中島工機が、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、取消請求に係る指定商品の一である「テーパーピン」「平行ピン」について、使用していたということができる。

4.したがって、商標法第50条の規定により、本件審判の取消請求に係る指定商品については、その商標登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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