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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の真偽

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30650(T2003−30650/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2687215号商標の指定商品中、「印刷物(文房具類に属するものを除く。)、印刷物(文房具類に属するものを除く。)の附属品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2687215号商標(以下「本件商標」という。)は、商標の構成を欧文字による「CONCIERGE」とし、指定商品を第26類「印刷物(文房具類に属するものを除く)その他本類に属する商品」として、平成3年8月30日に登録出願され、同6年7月29日に商標権の設定登録がされたものであって、当該商標権は、同16年6月15日に存続期間更新登録がされている。

また、本件審判請求の登録は、同15年6月11日にされた。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。

1.請求の理由

本件商標は、その指定商品中「印刷物(文房具類に属するものを除く。)、印刷物(文房具類に属するものを除く。)の附属品」について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2.弁駁の内容

答弁書における被請求人の主張は、本件商標の使用事実を客観的に証明できるものでないことが明らかであり、また、被請求人の主張には信憑性がないため、答弁に対して弁駁する。

(1) 乙第1号証について

被請求人提出に係る乙第1号証は、「マガジン『CONCIERGE』2002 Autumn いよいよ創刊です」と書かれているため一見すると雑誌のように思えるが、表紙、写真等の一部を除いてほとんどの部分の記載が不明確でありその内容を特定することができない。

また、乙第1号証の拡大写真(甲第1号証)を見ると、乙第1号証はカタログまたはパンフレットの形式になっているように見えるが、その内容は、後述のとおり他人の化粧品の商品カタログの切り貼りにすぎないものであり、決して商品といえるものではなく、被請求人が「印刷物」として主張している乙第1号証の物品は、第26類に含まれる「印刷物」ではない。

なお、乙第1号証中の封筒及び便せんは「文房具」の概念に含まれるものであって「印刷物」の概念に含まれるものではない。

以上より、乙第1号証の物品は商品の体をなしていないため、本件商標と乙第1号証の物品に表示された商標との同一性を考慮するまでもなく、本件商標が印刷物に使用されていたことを立証することはできない。

(2) 乙第2号証について

被請求人は、「当該印刷物(乙第1号証)についての請求書は、東京都荒川区に所在の東京リスマチック株式会社によって、『CONCIERGE/コンシェルジュ』の印刷代金請求書として平成14年5月31日に発行(乙第2号証)され、当該印刷物が平成14年5月17日までに50部印刷されている」旨を主張している。しかしながら、乙第1号証の物品が「商標権者によって発行されている」と主張するだけで、乙第1号証の物品が印刷物として実際に発行され市場に流通した事実は立証していない。すなわち、被請求人は、印刷代金請求書(乙第2号証)を提示するだけで、本件商標を使用する印刷物の販売ルート、発行部数等を示す取引書類、宣伝広告書類等を提示していないため、その後その50部の印刷物について、これらの印刷物が市場に流通した事実が立証されていないばかりか、その出版物の宣伝広告がなされた事実さえ立証されていない。

以上より、乙第2号証の存在によって、本件商標が「印刷物」に使用されていたことの主張を認めることはできない。

(3) 乙第1号証及び乙第2号証の信憑性について

乙第1号証は、以下に立証するように被請求人とは無関係の他人の会社のカタログに掲載されている事項に細工を加え、かつ、実質的に内容を読み取ることができない程度まで縮小して切り貼りしたものであって、商品として販売できるものではない。甲第1号証ないし甲第9号証により乙第1号証及び乙第2号証に信憑性がないことを立証する。

(ア) 甲第1号証ないし甲第4号証

甲第1号証は、乙第1号証の物品の現物をデジタルカメラで拡大して撮影したものをプリントアウトしたものである。

甲第2号証は、帝国データバンクが提供する「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)の企業情報をプリントアウトしたものである。

甲第3号証は、東京商工リサーチが提供する「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)の企業情報をプリントアウトしたものである。

甲第4号証は、「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)が発行する化粧品の通信販売用カタログ(2003年11月号/第100号)の現物である。

(a) 甲第1号証をみると、乙第1号証を拡大して撮影したにもかかわらず、文字部分の殆どが不明確でその内容を読み取ることができない。

そして、甲第1号証の第6頁をさらに拡大した第6頁の2ないし4及び4の1を見ると、「アテニアコレクション」または「アテニア」の文字が記載されていることが判る。「アテニア」の語は、「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)の略称を示すものとして需要者の間である程度知られているので、請求人は「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)の企業情報を調べ(甲第2号証及び甲第3号証)、「アテニア化粧品」(株式会社アテニア)の通信販売用カタログ(甲第4号証)を入手した。

(b) 甲第2号証及び甲第3号証によれば、「アテニア化粧品」は、「ファンケル化粧品」の子会社として通信販売を中心に化粧品を販売する企業であり、化粧品業界では中堅から上位にランクされている企業であることが判った。

(c) 甲第4号証のカタログは通算第100号にあたり、その表紙には「アテニア化粧品」がこれまでに発行したカタログのバックナンバーの表紙(女性の写真)の一覧が列記されている。

これに対して、甲第1号証の第5頁には女性の写真が16枚、第6頁及び第7頁には女性の写真が4枚掲載されている(第6頁と第7頁に掲載されている写真は同じ女性の写真であり、第6頁の写真は第7頁の写真を表紙に加工したように見える。)。これらの女性の写真を比較すると、甲第1号証の第5頁ないし第7頁に掲載された女性の写真は、いずれも甲第4号証のカタログのバックナンバーの表紙を飾る女性の写真と全く同一である。

(d) 甲第4号証のカタログの内容は、化粧品を中心とする商品の紹介、美容法の紹介、プレゼントの紹介等で構成されている。また、甲第4号証のカタログを開くと、殆どの場合、見開き頁の左下に商品の注文先としてフリーダイヤル「0120−165−555」の電話番号が表示されている。

これに対して、甲第1号証(乙第1号証)の内容も、化粧品の紹介、美容法の紹介等で構成されており、乙第1号証の内容と甲第4号証の内容とは構成が非常に良く似ていることが判る。しかも、フリーダイヤルの位置(見開き頁の左下の位置に配置されている)も共通している。そして、乙第1号証の電話番号を拡大すると下3桁の数字は読みとれないが上7桁の数字「0120−165」までは電話番号が共通していることが判る。

さらに、甲第4号証のカタログの第27頁及び第49頁には、第100号の記念特集として「お客様メイク体験」の参加者募集が掲載されており、メイクアップ担当として「山本浩未」なる人物の氏名が紹介されている。これに対して甲第1号証(乙第1号証)の裏表紙にはhair&make-up「Hiromi Yamamoto」なる人物の氏名が記載されている。「山本浩未」及び「Hiromi Yamamoto」は「ヤマモトヒロミ」及び「ヒロミヤマモト」と読むことができるため、両者は同一人物である可能性が高い。

(e) 以上より、乙第1号証の物品は、「アテニア化粧品」の通信販売用カタログ(甲第4号証のカタログまたはバックナンバー)をコピーして偽造した疑いがあり、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標の使用事実を示す証拠としての信憑性がない。したがって、乙第1号証及び乙第2号証の証拠をもとに本件商標の使用事実を立証する被請求人の答弁を認めることはできない。

(イ) 甲第5号証ないし甲第8号証

甲第5号証は、国立国会図書館法第25条の写しであって、甲第6号証ないし甲第8号証は、国立国会図書館のデータベースを利用して「コンシェルジュ」「CONCIERGE」を題号とする出版物及び「とんぼ株式会社」が発行する出版物について検索した検索結果をプリントアウトしたものであり、これを題号とする出版物及び「とんぼ株式会社」が発行する出版物は、国立国会図書館のデータベースに収録されておらず、「コンシェルジュ」「CONCIERGE」を題号とする出版物が国立国会図書館に所蔵されている事実は存在しない。

(4) まとめ

以上のとおり、本件商標が継続して3年以上日本国内において指定商品について使用された事実を立証することはできないばかりか、被請求人の主張には信憑性がない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成立しない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由及び別掲の審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。

1.答弁の理由

(1) 本件商標は、「CONCIERGE」により、印刷物(カタログ、パンフレット、封筒、便せん)に使用(乙第1号証)されており、印刷物に表示された商標と本件商標とは社会通念上同一のものである。

(2) 当該印刷物(乙第1号証)は、平成14年夏(2002 Autumn)に商標権者である「とんぼ株式会社」によって発行されている。

当該印刷物についての請求書は東京都荒川区に所在の「東京リスマチック株式会社」によって、「CONCIERGE/コンシェルジュ」の印刷代金請求書(乙第2号証)として平成14年5月31日に発行され、当該印刷物は平成14年5月17日までに50部印刷されている。

(3) 本件商標「CONCIERGE」は、商品「印刷物」について日本国内において商標権者が平成14年6月15日ごろに使用されていることは明白である。したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定によって取り消すことができないと思料する。

2.回答の内容

(1) 本件商標の指定商品についての追加説明

乙第1号証「CONCIERGE」は、雑誌のプレ創刊号として制作し、関係者に配布した無償の印刷物である。このようなプレ創刊号を作る事は、近年では大手の出版社でも多々行う商行為であり、真の取引行為である。その理由は、現在のように市場が読めない時代に雑誌を創刊し、万一失敗した場合、損失が大きく会社の経営基盤を揺るがしかねないからであり、プレ創刊号で関係者(広告代理店、PR会社)の反応を聞いたうえで、企画・編集をし直し、定期刊行物として発行する手法である。

したがって、プレ創刊号の発行は定期刊行物の発行を前提とし、しかも、定期刊行物の発行と連続した商行為であり、取引行為である。

関係者には、商標と刊行物の内容が知れ渡り、詳しく市場性等が検討されるので、当然に商標には業務上の信用が蓄積されると共に、出所表示機能も発揮する。私達のような零細企業がリスクを少なくするために、プレ創刊号に頼らざるを得ないのは仕方のないことである。部数が少ないという理由だけで出版界の慣例が認められないというのは残念でならない。

プレ創刊号の目的は、以下の3点にある。

(a) 発行資金を調達するために出資者への説明

(b) 広告出稿のために広告代理店、及びスポンサーへの説明

(c) 雑誌媒体としての評価

被請求人は、登記簿謄本(乙第6号証)に記載のとおり、雑誌の編集、広告制作、広告代理店を定款に定めている。

(2) 流通経路と商標使用の事実についての説明

プレ創刊号「CONCIERGE」は、それ自体、通常の販売ルートにのせて販売することが目的ではないので一般の市場に流通した事実はない。しかし、出資者、広告代理店およびPR会社には配布し、プレゼンテーションをしている(乙第3号証ないし乙第5号証)。プレ創刊号発行以前には企画書を作成し、「CONCIERGE」の内容について関係者に通知している。広告・宣伝の目的で印刷物を配布した相手先3社より入手した商標使用の事実を証明する書類を証拠物件として提出する。

(a) 乙第3号証

株式会社 メディア・グローブ(業種 広告代理店)

東京都中央区銀座7−11−3−6F

(b) 乙第4号証

株式会社 コード・プロジェクト(業種 PR会社)

東京都豊島区池袋1−15−1

(b) 乙第5号証

有限会社 石倉写真事務所(業種 写真制作)

東京都世田谷区下馬2−3−7

第4 当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

本件審判は、本件商標の指定商品中「印刷物(文房具類に属するものを除く。)、印刷物(文房具類に属するものを除く。)の附属品」について、その登録を取り消しを求める請求であるところ、両当事者の主張は大旨、被請求人は、当該印刷物(乙第1号証)に本件商標を使用していると主張するのに対し、請求人は、乙第1号証の物品は、第26類に含まれる「印刷物」ではなく、本件商標の使用事実を示す証拠としての信憑性がないと主張しているものである。

そこで、被請求人提出に係る証拠(乙第1号証ないし乙第6号証)により、本件審判の取消請求に係る指定商品について、本件商標の使用は証明されたものであるか否かについて検討する。

1.被請求人の答弁について

被請求人は、本件商標の使用の証明に関し、平成15年8月8日付け提出の答弁書において、印刷物(カタログ、パンフレット、封筒、便せん)に使用されており(乙第1号証)、当該印刷物は、平成14年5月17日までに50部印刷され(乙第2号証)、平成14年夏(2002 Autumn)に商標権者によって発行されている旨述べているのでこれら書証を徴するに、

(1) 乙第1号証は、赤塗りされた表面に「CONCIERGE」「《コンシェルジュ》」及び「Vol.1」の記載、同じく裏面に「とんぼ株式会社」「東京都渋谷区恵比寿西2−17−12 ENA代官山201」及び「定価300円(税込み)」ほかの記載がある、片面刷りでじゃばら折りしA6版にした表裏を含め24頁からなる冊子の如きものであり(以下「当該冊子」という。)、その掲載内容とするところは全般にわたり化粧に関するものとみられるものである(なお、22頁及び23頁には、「ステーショナリーセット《250円(税込み/1セットから》」の見出しの下、封筒の表裏面及びレターヘッドの掲載があるとしても、商品「封筒、便せん」は、本件商標の指定商品に含まれる商品ではない。)。

(2) 乙第2号証は、発行日を「2002年5月31日」として、東京都荒川区に所在の「東京リスマチック株式会社」から商標権者宛ての当該冊子(乙第1号証)についての印刷代金請求書とするものであって、品名欄に「CONCIERGE 赤 50部」数量の欄に「1 式」単価の欄に「30500」ほかの記載が認められるものである。

(3) しかし、当該冊子(乙第1号証)は、その体裁からして、商取引(有償物)の対象たる「カタログ」ないし「パンフレット」類とも認め難いものとの心証を受けたので、別掲のとおりの審尋を請求人の提出した弁駁書副本と共に発送した。

2.審尋に対する回答について

被請求人は、審尋に対し、上記第2 「2.回答の内容」のとおり、(1) 本件商標の指定商品についての追加説明として、「乙第1号証『CONCIERGE』は、雑誌のプレ創刊号として制作し、関係者に配布した無償の印刷物であって、プレ創刊号の発行は定期刊行物の発行を前提とし、しかも、定期刊行物の発行と連続した商行為であり、取引行為である旨、(2) 流通経路と商標使用の事実についての説明として、「プレ創刊号『CONCIERGE』は、それ自体、通常の販売ルートにのせて販売することが目的ではないので一般の市場に流通した事実はない。しかし、広告・宣伝の目的で印刷物を配布した相手先3社より入手した商標使用の事実を証明する書類(乙第3号証ないし乙第5号証)を証拠物件として提出する旨の回答をした。

3.商標法における商品について

商標法における商品に係る商標は、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡するものがその商品について使用するものであって(商標法2条1項1号)、その本来的な機能として、商標の付された商品の出所を表示し、自他商品を識別するためのものであるから、商標法上の商品というためには、この機能が生じ得る商取引の目的たりうべき物、特に動産をいうとされ、すなわち、流通性を有していて一般市場で取引の対象なり得る有体物であることを要すると解される。

(1) これを本件取消請求に係る指定商品の「印刷物」についてみれば、一般の書店、インターネットの通信販売その他何らかの販売経路を通じて、不特定多数の需要者に対し、譲渡する対象となり得るものに限られるというべきである。

(2) してみると、当該冊子(乙第1号証)は、本件商標と同一の表示といえる「CONCIERGE」の記載、商標権者の表示といえる「とんぼ株式会社」及び「東京都渋谷区恵比寿西2-17-12 ENA代官山201」の記載、並びに「定価300円(税込み)」等の記載があるとしても、当該定価に対し当該冊子の印刷代金が「1式50部」で「30,500円」とされているほか、請求人が弁駁書で「表紙、写真等の一部を除いてほとんどの部分の記載が不明確でありその内容を特定することができない。」旨述べるように、その体裁、内容等からして、一般市場で取引の対象なり得る有体物と認めることはできない。

(3) そして、被請求人は、上記の審尋に対する回答において、当該冊子(乙第1号証)は、「雑誌のプレ創刊号として制作し、関係者に配布した無償の印刷物であり、プレ創刊号の発行は定期刊行物の発行を前提とし、しかも、定期刊行物の発行と連続した商行為であり、取引行為である。また、プレ創刊号『CONCIERGE』は、それ自体、通常の販売ルートにのせて販売することが目的ではないので一般の市場に流通した事実はない。」旨述べるところからして、被請求人も自ら認めるように、当該冊子(乙第1号証)は、市場に流通し、不特定多数の需要者を取引の対象とするものではない、といわざるを得ない。したがって、当該冊子(乙第1号証)は、商標法上の商品としての「印刷物」には当たらないものというべきである。

(4) 被請求人の主張について

被請求人は、「・・・したがって、プレ創刊号の発行は定期刊行物の発行を前提とし、しかも、定期刊行物の発行と連続した商行為であり、取引行為である。」、「・・・しかし、出資者、広告代理店およびPR会社には配布し、プレゼンテーションをしている(乙第3号証ないし乙第5号証)。」旨述べている。しかし、これらの前提や商行為及び取引行為によっては、前述の商標法第50条第2項の規定の趣旨に照らし、請求に係る指定商品について登録商標の使用をしていることにならないし、また、使用をしていないことの正当な理由が存するものということができない。

また、その頒布先はプレ創刊号の発行を前提とするというところの僅かな関係者という限られたものであり、一般市場において不特定多数の需要者を対象にされるものではなく、かつ、広告代理店、PR会社等に配布し、プレゼンテーションをしている(乙第3号証ないし乙第5号証)とする時期(平成14年8月頃)から相当の期間を経過するも、その後の出版状況は不明であり、いずれの主張も自己都合による事情の域をでないというべきであるから、被請求人の上記主張は採用の限りでなく、本件商標の取消請求に係る指定商品についての使用は証明されない。

4.結語

以上のとおり、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に、我が国において、取消請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。

このほか述べる被請求人の主張をもって、本件審判の取消請求に係る指定商品についての使用は証明されない。その他前記認定を覆すに足りる証拠はない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「印刷物(文房具類に属するものを除く。)、印刷物(文房具類に属するものを除く。)の附属品」について、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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