Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−15919(T2002−15919/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年9月13日登録出願、その後、同14年6月26日付け手続補正書により、指定商品を「かき(牡蠣)を原材料に用いてなる醤油」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、「本願商標は、牡蠣を使用したしょうゆであることを認識させる『かき』、『醤油』の文字及び牡蠣の図形を表してなるにすぎないから、これをその指定商品中、前記意味合いに照応する商品に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
1) 本願商標は、別掲のとおり、「かき」の平仮名文字と「醤油」の漢字とを二行に縦書し、その右下に、殻付き牡蠣を3個横に並べた図形を配してなるものであるが、該図形の存在によって、その構成中の「かき」の文字が「牡蠣」を指していると、また、その構成中「醤油」の漢字部分は、商品の普通名称を表示するにすぎないものと容易に理解できるから、全体として、牡蠣を使用した醤油を認識させるものということができる。
2) そして、本願商標の文字部分の態様についてみると、構成中の「かき」の文字部分は、構成中の「醤油」の文字部分に比べていくらか太字ではあるが、この程度の太さの違いは、軽微なものにすぎないこと、また、その筆字風の書体にしても、容易に判読でき、それ自体で特異な字形として印象を与えるものということはできないこと、さらに、本願商標の図形部分についてみると、容易に牡蠣と理解できるものであって取り立てて特殊な特徴を持つものということはできないことから、本願商標は、全体として観察した場合においても、普通に用いられる方法で表示したものといい得る範囲の態様にすぎないものということができる。
3) さらに、牡蠣を使用した醤油が存在することは、以下の事実から認めることができる。
(a)「日中食品・食材ポケット辞典」(株式会社日中提携社発行)52頁には、「かきじょうゆ【牡蠣醤油】牡蛎汁調味料」の記載がある。
(b)「しこの露」(http://www.aiweb.or.jp/toyohama/html/jiten2.htm)のホームページの「魚醤豆事典」中、「アジアは魚醤の文化圏」の項目には、「『しょっつる』は『塩汁』、『いしる』は『魚汁』が訛ったものです。魚醤初心者には、イワシ製の『いしる』が、癖がなく使いやすいようです。この他、伊豆諸島の『くさや汁』など、一部の地域で伝統的に作られています。『牡蠣醤油』や『蛤醤油』など、貝から作るものも存在します。」の記載がある。
(c)「しょうゆ情報センター」のホームページ(http:www.soysayce.or/jp/arekore/index.html)には、「しょうゆ アレコレデータ」の項目のもと「しゅうゆに関するさまざまなデータを一挙に紹介します。」中、「しょうゆ生産量1,000,000kl・・・だししょうゆ他生産量70,000kl」とあり、その「だししょうゆ他」の中に「さしみしょうゆ、わさびしょうゆ、昆布しょうゆ、かきしょうゆ、・・・」の記載がある。
4) 加えて、「牡蠣を使用した醤油」を「かき醤油」と称して、醤油を取り扱う業者によって一般に販売されていることが、以下の事実から認められるものである。
(a)「山近醤油醸造場(岡山県赤磐郡瀬戸町大井200TEL:08695-3-0625)」のホームページ(http://www.okasci.or.jp/~sunsun/item/015/html)には、「昔ながらの本醸造醤油、天然醸造醤油の豊かな風味とかきの旨みと、ほのかな瀬戸のかおりを調和させた調味料です。」の説明のもと、商品「田舎しょうゆ1L・・・450円 かき醤油(200ml)・・・500円」の紹介がある。
(b)「北海道厚岸発!!特産品」を紹介するホームページ(http://www.ichi-online.com/shop.ippinkan/in1077679306html)には、「塩分控えめの牡蠣の風味が効いた醤油です。」の商品説明のもと、「厚岸かきしょうゆ500mlと1Lサイズ」の2種類の紹介がある。
(c)「株式会社丸京(宮城県松島町高城字町154-5 TEL:022-354-2524)」の商品「牡蠣しょうゆ400ml」を紹介するホームページ(http://www.iicha.net/foodkingdom/town/5700/5731.asp)には、「宮城県産牡蠣を厳選した牡蠣エキス用の栄養価のきわめて高い素材を使用し、他では真似できない、独特の製法による高い純度の牡蠣エキスを仕込みました。従来の醤油のうまみ成分として使用されてきた昆布やかつおなどは使用しておりません。」の記載がある。
5) そうすると、本願商標は、その構成全体より「牡蠣を使用してなる醤油」を意味する語として認識されるにすぎず、自他商品識別機能を有するものとはなり得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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