Trademark Appeal Case
「リフレッシュ」の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−18548(T2001−18548/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年1月31日に登録出願されたものである。そして、その後、指定商品については、当審における同13年10月16日付提出の手続補正書をもって、第5類「ドライアイ症状の治療に用いられる眼科用剤」と補正されたものである。
第2 原査定の理由(要旨)
原査定は、「本願商標は、『気分をさわやかに一新すること。生気を与え、元気づけること。』を意味する外来語『リフレッシュ』の文字を、普通に用いられる方法で書してなり、指定商品との関係において『疲れをいやし、元気づける』程の意味を有するから、これをその指定商品に使用しても商品の品質、効能を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断して、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1.本願商標は、「リフレッシュ」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字からは、「気分をさわやかに一新すること。生気を与え、元気づけること。」(広辞苑第5版 株式会社岩波書店)、「気分をさわやかにすること、元気を再び回復すること」(コンサイスカタカナ語辞典第2版 株式会社三省堂)を意味するものとして広く一般に親しまれている外来語を、普通に用いられる方法で表したものと認識されるものである。
そして、本願の指定商品「ドライアイ症状の治療に用いられる眼科用剤」、すなわち、「目薬」として市販されている商品は、需要者がその商品の取引にあたる際に、目の病気や不快感を緩和する効能を求めるばかりでなく、薬の使用感、すなわち爽快感、清涼感といった薬のさし心地の良さ(以下「薬の使用感等」という。)をも重視し、購入時の大きなポイントとしているという実情があり、このような消費者の需要を受け、薬理的な効能の他に、薬の使用感等を特長とする「目薬」が多数流通している状況がある。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、その商品を使用すると気分がさわやかになるという、薬の使用感等を端的に表したものと認識するにとどまるもの、すなわち、単に商品の品質を表示したにすぎないものというのが取引きの経験則に照らし、相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
2.ところで、上記の薬の使用感等について、「リフレッシュ」の語がかかる意味合いのものとして取引上普通に使用されている状況は、例えば、次の新聞記事及びインターネットのホームページの記述からも裏付けることができる。
(A)「コンタクト疲れを軽減する目薬発売へ/ライオン」の見出しのもと、「...コンタクトレンズ用の目薬...冷たいさし心地で、リフレッシュできるという。」(読売新聞東京朝刊 2003年8月28日)との記述、
(B)「ファイザー株式会社」のホームページにおいて、「一般用医薬品 目薬」の項目のもと、「バイシンクール 【特長】...ひんやりとした清涼感、さわやかな刺激が目をリフレッシュします。...」(http://www.pfizer.co.jp/pfizer/consumer/eye/index_02.html)との記述、
(C)「参天製薬」のホームページにおいて、「製品情報 目薬ショールーム」の項目中、「目の充血に効く」の見出しのもと、「サンテパッソ ...目の疲れなどをリフレッシュしてくれる目薬です。...」との記述、
(D)「ロート製薬」のホームページにおいて、「製品情報 目薬」の項目のもと、「ロートCキューブクールチャージ =特長=...爽快でクールな一滴が目の疲れをリフレッシュ。...」(http://www.rohto.co.jp/prod/)との記述、
(E)「ケンコーコム」のホームページにおいて、「医薬品 目薬」の項目中、「目のかすみ・目の疲れ」の見出しのもと、「スマートアイ40E...発売元 田辺製薬...疲れ目やかすみ目からリフレッシュ。...「『スマートアイ 40E』は、片手で簡単に点眼できるリフレッシュタイプの目薬です。目の乾燥をおさえ、さわやかな清涼感とともに瞳もすっきり。...」(http://store.yahoo.co.jp/kenkocom/s315080h.html)との記述、
(F)「くすりのピヨピヨホンポ」のホームページにおいて、「目薬」の項目中、「疲れ目・充血にスッキリ・クール系」の見出しのもと、「マイティアクリーンクール...目の疲れ・かゆみ充血に気持ちいいさし心地・・・・疲れた瞳リフレッシュ...製造:千寿製薬」(http://www.rakuten.co.jp/piyopiyo/162169/240441/240442/)との記述がある。
また、当該商品を取り扱う業界だけでなく、一般においても、本願商標「リフレッシュ」の文字が、上記のような薬の使用感等を表す語として使用されていることは、次のインターネットのホームページの記述からも認められる。
(G)「生活者と企業のコミュニケーションメディア マイボイス」のホームページにおいて、「定期アンケート結果」「目薬の利用」の見出しのもと、「...・購入時の主な選択ポイントは『効能・効果』63%。主な使用目的は『目の疲労回復』54%、『目のリフレッシュ』34%」(http://www.myvoice.co.jp/voice/enquete/5903/)との記述がある。
(H)「CHERRY RED」のホームページにおいて、「DRUG STORE」の項目中、「e−疲労」の見出しのもと、「...目薬:充血・疲れ・かすみ又はドライアイを緩和します。また、殆どのものはメントール配合でリフレッシュ効果もあります。...」(http://www006.upp.so-net.ne.jp/akane206/kafun/ehirou.html)との記述、
(I)「発掘!あるある大事典」のホームページにおいて、「第169回『疲れ目』」の見出しのもと、「【涙の対策】涙の減少による目の栄養不足を補うという点で『目薬』は有効。...冷たい刺激で...リフレッシュ効果にもつながる。...」(http://www.ktv.co.jp/ARUARU/search/arutukare/tsukare4.htm)との記述がある。
以上のことからも、本願商標は、商品「目薬」との関係において、清涼感を与えたり、冷たいさし心地で適度な刺激を与えるといったさし心地の良さ、すなわち商品の品質を表すものとして、当該商品を取り扱う業界をはじめとして、広く一般に使用されている文字(語)であるといえる。
3.請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は英語「REFRESH」の片仮名表示であり、該英単語は多くの意味を有する語であるため、本願商標に接した者が、これより「気分をさわやかにする」という意味合いを当然に想起するとは到底考えられず、むしろ、本願商標は、特定の意味合いを認識させることのないものというべきであって、仮に、本願商標からこのような意味合いを認識できるとしても、それらは極めて漠然としたものとして理解されるにとどまり、何ら具体的な品質や効能を認識させるものではない旨主張する。
しかしながら、前記認定のとおり、我が国における国語辞典、カタカナ語辞典において、「リフレッシュ」の項目に前記の意味が記載されており、本願商標は、我が国においては、「気分をさわやかにすること。」の意味をもって広く一般に親しまれている語であるといえるものであるから、これをその指定商品に使用したときも、これに接する需要者、取引者は、第一義的に前記意味を想起し、認識するというのが自然である。
また、本願商標は、漠然とした意味合いを認識させるものではなく、前記のとおり、薬の使用感等を、具体的かつ記述的に表す語として普通に使用されている実情があるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
(2)請求人は、我が国では、薬剤については邦文の使用が義務付けられていることから、片仮名文字である「リフレッシュ」自体の適切な保護のために本願を出願したものであり、英文字の「REFRESH」が登録されているにもかかわらず、これの音訳である片仮名文字の本願商標に自他商品識別力がないとするのは不合理である旨主張する。
しかしながら、当該英字による登録商標「REFRESH」の登録の是非は、当審において直接審理の対象となし得ず、また、これに拘束されるべき理由もなく、その事例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは、必ずしも適切でない。そして、本願商標「リフレッシュ」の文字は、それ自体が、商品の品質を表すものとして普通に使用されているものであることは前記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張も採用することはできない。
(3)請求人は、商標「REFRESH」は、アメリカ合衆国をはじめとする英語を公用語とする国又は我が国より英語が普及している多くの国々において登録されており、本件は、英語の意味の解釈に基づく自他商品識別力の有無の判断であるから、これらの国と異なる判断をするのは不合理である旨主張する。
しかしながら、本件においては、請求人が主張するような、英語の意味の解釈に基づく自他商品識別力の有無というよりは、むしろ、片仮名文字「リフレッシュ」が、外来語として我が国においてどのように認識され、かつ、商取引の場で使用されているかということを前提とした判断をすべきものであるから、外国での登録は、我が国における識別性の判断を左右するものではない。そして、「リフレッシュ」の文字に自他商品識別力がないことは前記認定のとおりであるから、請求人のこの主張も採用することはできない。
(4)請求人は、「REFRESH」は、同人の商標として、本願の指定商品について世界各国で使用されているものであり、我が国においても、佐藤製薬株式会社が請求人から直接商品を輸入し、日本で包装して販売している。したがって、本願商標「リフレッシュ」及び「REFRESH」は商標として世界各国において使用され、商標として認識されているものであるから、もし、本願商標が一般人によって本願の指定商品あるいはこれと類似する商品に使用された場合、需要者、取引者が当該商品を請求人あるいは佐藤製薬株式会社の商品であるかのごとく商品の出所について誤認、混同することは明らかである旨主張する。
そこで、請求人が提出した証拠について検討すると、参考資料3は、世界各国における商標「REFRESH」に係る商品の1995年から2000年までの、参考資料5は、我が国における同商品の1992年から1999年までの、それぞれの販売数及び販売高を示したものであり、参考資料4は、請求人と佐藤製薬株式会社との契約内容を示したものである。
しかし、これらの証拠からは、「REFRESH」の文字を使用した商品「ドライアイ症状の治療に用いられる眼科用剤」が、実際の取引きで、諸外国ないし我が国においてどの程度、宣伝広告されたかの具体的な使用状況は不明である。また、参考資料6及び7は、「REFRESH」の商標を使用した商品「ドライアイ症状の治療に用いられる眼科用剤」の、英語圏の国向けのパッケージ及び商品カタログ、参考資料8及び9は、佐藤製薬の取扱いに係る日本語による商品カタログ及びパッケージであるところ、これらの証拠からは、「ノアールリフレッシュ」(NOARL REFRESH)の文字及び「ノアール」(NOARL)と「リフレッシュ」(REFRESH)の文字を上下二段に書してなる態様での使用は認められるものの、「リフレッシュ」又は「REFRESH」の文字が単独で使用されている事実は認められない。
そうすると、請求人が提出した証拠によっては、本願商標「リフレッシュ」又は商標「REFRESH」が、請求人が取り扱う商品「ドライアイ症状の治療に用いられる眼科用剤」を表示するものとして、諸外国ないし我が国の需要者等に広く認識されているということはできないし、前記認定のとおり、本願商標は、自他商品識別標識として機能するものでないから、出願人以外の者によってその指定商品に使用されたとしても、その出所について誤認、混同を生じさせるおそれはない。
(5)以上のとおり、請求人のいずれの主張も採用することはできない。
4.結語
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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