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Trademark Appeal Case

著名商標の誤認混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−16869(T2002−16869/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「Valentino Vasari」の文字を横書きしてなり、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,紙製幼児用おしめ,裁縫用チャコ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印刷用インテル,印字用インクリボン,活字,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,装飾塗工用ブラシ,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,封ろう,マーキング用孔開型板,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品として、平成13年3月16日登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標は、その構成中に、バレンチノグローブベスローテン フェンノート シャップ(オランダ国 セーアー ロッテルダム アエルト ファン ネスストラート 45 ロッテルダム ビルディング フォース フロア在)が、商品『被服、バンド、バッグ類』に使用する商標『VALENTINO GARAVANI』の略称として広く一般に認識されている『Valentino』の文字を有してなるものであるから、出願人がこれをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、その商品が前記会社の取扱いに係る商品、あるいは当該者と何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における職権証拠調べ通知

本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、当審において職権により証拠調べを行った結果、以下の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、証拠調べの結果を通知し、期間を指定して意見を申し立てる機会を与えたところ、請求人からは何らの意見もない。

(1)「世界の一流品大図鑑ライフカタログVOL.1」(昭和51年6月5日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ・ガラバーニ」が、「イタリアファッション界の旗手と呼ばれ、女性を最高に美しく見せるデザイナーとして高く評価されている。」こと、及びその経歴等を紹介する内容とともに「ブラウス、セーター、ネクタイ」の商品の写真が掲載されていること。

(2)「EUROPE一流ブランドの本(講談社MOOK第2巻)」(昭和52年12月1日株式会社講談社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」の所有する店舗の紹介と簡単な経歴が「婦人服」の商品と共に掲載されていること。

(3)「服飾辞典」(昭和54年3月5日第1刷文化出版局発行)の、ヴァレンチィーノ ガラヴァーニ[Valentino Garabani、1932〜]の項に、「イタリア北部の都市(ヴォゲラ)に生まれる。17才でリセオ(中学)を中退、パリに行く。スチリストになるため、パリのサンジカ(パリ高級衣装店組合の学校)で技術を身につける。1951年、ジャン・デッセ(オート・クチュール)のもとで5年間アシスタントとして仕事をする。その後2年間、ギ・ラローシュのアシスタントをし、1958年独立、ヴァレンティーノ・クチュールの名でローマに店を開いた。このころ、イタリアのモードは世界的に有名になりつつあった。彼の最初の仕事は、フィレンツェのピッティ宮殿でのコレクションである。このコレクションは、〈白だけの服〉という珍しい演出であったが、その美しさはジャーナリストの間で評判となり、「ニューズ・ウィーク」「ライフ」「タイム」「ウィメンズ・ウェア・デイリー」各誌紙で取材、モードのオスカー賞を獲得した。1967年、ヴァレンティーノの名は世界に知れわたった。1972年には紳士物も始め、その他アクセサリー、バッグ、宝石類、香水、化粧品、家具、布地、インテリアと、その仕事の幅はたいへん広いが、すべてヴァレンティーノ独特のセンスを保っているのはみごとである。ヴァレンティーノの洋服に対する考えは、まず個性が第一で、彼のコレクションからは、デテールでなくそのエスプリをくみ取ってもらうことに重きをおく。ローマの高級住宅地、アッピア・アンティカに母親とたくさんの犬と暮らしている。仕事でパリとローマを行き来するが、世界中を旅行するなど忙しい日々である。物をつくる人は誰でも波があって、いつも傑作が続くとはかぎらないが、ヴァレンティーノは現在、ローマのオート・クチュール界で最も好調なデザイナーといえる。以前から東洋風なエキゾティシズムが好きで、時によってトルコ風、アラブ風の特色がみられるが、最近はキモノのセクシーさを1950年代のハリウッドの雰囲気に表現、あやしく美しいヴァレンティーノの世界をつくり出している。」との紹介記事が掲載されていること。

(4)「朝日新聞」(昭和57年11月20日夕刊第3頁)において、世界の服をリードする3人のうちの1人として「バレンチノ」の紹介記事が掲載されていること。

(5)「男の一流品大図鑑’85年版」(昭和59年12月1日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO GARAVANI」「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」の文字とともに、「スーツ、ブルゾン、シャツ、ネクタイ、ベルト及びバッグ」の商品が掲載されていること。

(6)雑誌「non−no」1989年 No.23号(平成元年12月5日株式会社集英社発行)及び「marie claire」(1996年2月1日中央公論社発行)において、「ヴァレンティノ ガラバーニ」が単に「ヴァレンティノ」と略称され、商品「婦人服」等と共に掲載されていること。

(7)「英和商品名辞典」(1990年株式会社研究社発行)[Valentino Garavani]の項において、「イタリア RomaのデザイナーValentino Garavani(1932〜)のデザインした婦人・紳士物の衣料品・毛皮・革製バッグ・革小物・ベルト・ネクタイ・アクセサリー・婦人靴・香水・ライター・インテリア用品など。Roma,Firenze,Milanoなどにあるその店の名称はValentino(vは小文字でかくこともある)。・・・ 」との記事及びデザイナーとしての紹介記事が掲載されていること。

(8)「世界の一流品大図鑑’93年版」(平成5年5月20日株式会社講談社発行)において、「VALENTINO」ブランドの香水が掲載されていること。

(9)「岩波=ケンブリッジ世界人名辞典」(1997年11月21日株式会社岩波書店発行)の[ガラヴァーニ]の項において「ヴァレンティノ Garavani,Valentino通称ヴァレンティノ Valentino(伊 1933〜)服飾デザイナー・・・・」との紹介記事が掲載されていること。同じく、[ヴァレンティノ Valentino]の項において、「ガラヴァーニ、ヴァレンティノ」を見よとの表示があること。

(10)2000.3.3 日刊スポーツ

連載 パリコレ短信(5)原点に返った「バレンチノ」の見出しの下、「1つの色でまとめるファッションは「バレンチノ」にとって意味深い。世界的に有名になったきっかけが、67年の白1色のコレクションだった。

◆神田うののワンポイントメモ

バレンチノ、ジバンシー、ランバンなど、しにせのブランドも頑張ってますね。

◆バレンチノ 1932年イタリア生まれのバレンチノ・ガラバーニ氏が60年にスタート。故ジャクリーヌ・ケネディさんがオナシス氏との結婚式で着たレースのミニドレスは世界中の雑誌の表紙に取り上げられた。同氏はエリザベス・テーラーと親友で、91年、リズが8回目の挙式で着たウエディングドレスを制作した。「V」のブランドロゴでおなじみ。」との紹介記事が掲載されていること。

第4 当審の判断

本願商標は、「Valentino Vasari」の文字よりなるところ、上記の証拠調べ通知によれば、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」は、世界のトップデザイナーとして、本願商標の登録出願時には既に、我が国において著名であったものと認められる。また、同氏の名前は、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」とフルネームで表示され、このフルネームをもって紹介されることも多いが、同時に新聞、雑誌等の見出しの中には、単に「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」と略して採り上げられており、ファッションに関して「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」といえば同氏を指すものと広く認識されるに至っているというべきである。そして、同氏がデザインした婦人服、紳士服、アクセサリー、バック類、インテリア用品等のファッション関連商品は、「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)「ヴァレンティノ ガラヴァーニ」及びその略称として「Valentino」(VALENTINO)「ヴァレンティノ」の商標(以下、これらの商標を合わせて「引用商標」という。)をもって我が国の取引者、需要者の間に広く知られていたというべきであり、このことは、少なくとも本件商標の登録出願時である平成13年3月16日前においてすでに我が国の取引者、需要者間に広く認識せられていたものであり、また、その状況は現在に至るまでも引き続き同様とみて差し支えないものである。

してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、引用商標と綴り字を同じくする「Valentino」の文字部分に着目し、容易に引用商標を連想・想起するとともに、本件商標が付された商品があたかもデザイナー「Valentino Garavani」(VALENTINO GARAVANI)(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)又は請求人会社に係る一連のデザイナーブランドであるかの如く誤認し、あるいは事業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるものというべきであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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