Trademark Appeal Case
アラジン称呼と商品類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−14288(T2000−14288/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標登録出願
本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を「ALADDIN」の欧文字(標準文字による)とし、第9類(平成3年9月25日平成3年政令第299号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品及び役務の区分)「グラフィック・ユーザー・インターフェース」を指定商品として、平成10年11月2日に登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、平成12年4月10日付手続補正書、及び、当審における平成13年1月30日付の手続補正書により、最終的に、「画像診断用コンピュータのためのグラフィック・ユーザインタフェース・プログラムが記憶された電子回路・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM・その他の記憶媒体,記録媒体などに記録済みの画像診断用コンピュータのためのグラフィック・ユーザインタフェース・プログラム」と補正されているところである。
第2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標が商標法4条1項11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第1743673号商標(以下「引用商標」という。)は、その構成を別掲に示すものとし、昭和57年3月3日登録出願、第11類(昭和35年3月8日昭和35年政令第19号をもって改正された商標法施行令第1条に基づく商品の区分)「民生用電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和60年1月23日に設定登録され、その後、平成7年10月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 本願商標の構成は、前記したとおり、「ALADDIN」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「アラジン」の称呼が生じるものである。
これに対して、引用商標は、その構成を別掲に示すとおり、「Aladdin」の欧文字をデザイン化したと認識される態様の商標を上段に、「アラジン」の片仮名文字を下段に表してなるものであり、その構成に相応して「アラジン」の称呼が生じるものである。
したがって、本願商標と引用商標とは、その称呼において類似の商標といわなければならない。
2 請求人は、本願の指定商品は引用商標の指定商品と類似しないと主張しているので、この点について検討する。
(1)商標法4条1項11号における商品の類否を判断するにあたっては、商品の生産部門、販売部門、品質、用途、需要者の範囲、完成品であるのか部品あるいは附属品であるのか等を総合的に検討し、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる場合には、たとえ、商品自体が互に誤認混同を生ずるおそれがないものであつても、それらの商品は商標法4条1項11号にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。
(2)これを、本件についてみるに、本願の指定商品は、医療用機械器具の部品や附属品としてではなく、それ自体が独立した商品として取り引きされるものといえるところ、これは、以下述べるように、引用商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」に含まれる商品と互いに類似の関係にある商品といわなければならない。
請求人は、審判請求書において「引用商標の『民生用機械器具、その他本類に属する商品』のための『コンピュータプログラムを記憶させた電子回路、磁気ディスク、磁気テープ』が、『画像診断用コンピュータ・プログラム』を記憶させた本願のような『電子回路、磁気ディスク、磁気テープ』と、『製造業者・販売業者・販売場所等』を共通にすることは、あり得ない」旨主張している。
しかして、医療に係わる画像処理用のコンピュータプログラムに係わって、以下の新聞記事情報、及び、いわゆるインターネットウエブサイトの掲載情報があることが認められる。
(ア)「シャープ、スパコン並み処理速度の画像処理ボード開発」との見出しのもと、「シャープはIBMのPC/ATパソコンやAXパソコンに対応してスーパーコンピューター並みの処理速度を実現した汎用画像処理ボード『フレックスビジョン=写真』を開発、六月十日から発売する。サンプル価格は基本モジュール、メモリーモジュール、ソフトで構成するシステムで九十万円。・・・・・プリント回路基板の部品実装などの工程検査システム、形状認識や色識別を用いた農産物の選別システム、医療分野の計測・解析システムなどへの利用を考えている。」との記事が掲載されている(日刊工業新聞 1991年4月25日付 12頁)。
(イ)「三洋電機ソフト、医療用眼底写真を自動合成するパソコンソフト開発」との見出しのもと、「三洋電機ソフトウエアは、三洋電機の研究開発本部と共同で、医療用の眼底写真をパソコンで自動合成する専用ソフトウエアを開発した。1枚に収まりきらないために分割撮影される眼底写真を、自動的につなぎ合わせて診断に必要な1枚の写真にする。パソコンで簡便に画像処理するため、小規模な医院への導入が期待できる。」との記事が掲載されている(日刊工業新聞 2002年1月21日付 13頁)。
(ウ)富士通の医療情報システムに係るインターネットウエブサイト(http://jp.fujitsu.com/featurestory/message/2002/1115/)によれば、同社が、医療用画像(X線、CT、MR、超音波、内視鏡など)や診断情報の電子化を推進し、院内ネットワーク上で診療データとして即座に参照するためのシステムや、パソコンなどを使って患者の診療情報(カルテ)を記録する情報システムである「電子カルテ」などを取り扱っていることが認められる。
(エ)日経新聞の「http://www.nikkei4946.com/today/0210/11.html」のインターネットウエブサイトによれば、「電子カルテ」に関して、「(電子カルテの)需要拡大を見込んで日立製作所や東芝などの大手電機メーカーが本格参入したほか、ベンチャー企業の参入も相次いでいます。先行する富士通やNECなども新商品の開発や医療機関への売り込みを強化しており、競争は激しくなっています。」との表示が認められる。
(オ)医療用画像閲覧ソフトを扱っている会社のインターネットサイト(http://www.panmed.co.jp/softwere/)には、「医療業務用としては、MRやCTのようにその設備を持つ病院に検査を委託した場合、検査結果である画像をインターネットを通じてリアルタイムに見ることができます。病院内イントラネットとしても利用が可能です。」、「動作環境 Windows 95/98/NT/2000(動作確認)」との表示があり、この画像閲覧ソフトは、上記のオペレーションシステムを搭載した汎用パソコンで作動するものであることが推認できるものである。
(カ)以上によれば、「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」を取り扱っていることが明らかな、大手電機メーカーは、医療用画像処理用のコンピュータソフトウエア(プログラム)をも取り扱っているということができるものである。
(キ)また、本願指定商品は、それ自体、コンピュータを駆動させるためのプログラム(を記憶させた媒体)であり、この点において引用商標の指定商品中の「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」と商品の用途、機能、品質を同じくし、コンピュータの周辺機器であるという点においても用途を共通にするものである。
(ク)そうとすれば、本願指定商品は、その生産部門、販売部門、品質、用途に照らして、政令で定める商品区分第9類に属する「電子応用機械器具」に含まれる「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」の範ちゅうに属する商品というべきであって、引用商標の指定商品中の、「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ」に含まれる各商品と、その製造・販売部門を同じくすることが極めて多く、上記した用途、機能、品質を共通にするものであって、本願指定商品の需要者が主に医療関係者という点を考慮したとしても、本願と引用商標の指定商品に、それぞれの商標が使用されるときには、互いの商品の出所について誤認・混同を生じさせるものであり、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは互いに類似するものと判断するのが相当である。
3 したがって、本願商標と引用商標が商標法4条1項11号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。