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Trademark Appeal Case

POLO商標の類否と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18849号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ、靴くぎ、靴の引き手、靴びょう、靴保護金具を除く),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く),乗馬靴」を指定商品として、平成6年6月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

登録異議申立があった結果、本願を拒絶した原査定の理由の要旨は次のとおりである。

甲立人は、世界的に有名なデザイナー「ラルフ・ローレン」によって主宰されるアパレルその他各種の生活関連用品のメーカーであつて、そのデザインに係る「紳士服、ネクタイ、眼鏡」等について商標「POLO」、「ポロ」及び「競技中のポロプレーヤーの図形」を使用した結果、これは「ポロプレーヤーマーク」とも称され本願商標の登録出願時には既に取引者・需要者間において極めて広く認識されていたものであることが認められる。

しかして、本願商標は、図形と文字の組合せよりなるが、いずれの部分も独立しても自他商品識別標識として機能すると認められるところ、図形部分は、競技中の四人のポロプレーヤーの図形を顕著に描いてなるものであるが、前記の一人の「ポロプレーヤーマーク」と構成の軌を一にするものといわなければならない。また、文字の部分も、これが全体として特定の意味合いを有するものとは認められず、冗長にわたるものであり、しかも、構成中の「POLO」の文字部分が、上記「POLO」商標と同じであるから、本願商標をその指定商品に使用するときは、該商品が、申立人或いは申立人と何等かの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別紙に示したのとおり図形と文字とよりなるところ、図形部分は、馬に乗った四人のポロ競技のプレーヤーを描いたといえるものであり、また、文字部分は「FOUR GRACES POLO TEAM」の文字よりなるものであり、その構成からして「FOUR」、「GRACES」、「POLO」、「TEAM」の4語からなるものと解されるものであって、全体として親しまれた特定の意味合いを看取し得るものではないから、需要者をして、構成中に「POLO」の文字を含むものと認識されるものと認められる。

(2)「POLO」商標の著名性

▲1▼ (株)講談社昭和53年7月20日発行の「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」によれば、以下の事実が認められる。

ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)は、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(現在の「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッドパートナーシップ」の前身,以下、「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コテイ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞。アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立したことが認められる。

▲2▼ そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。

▲3▼ また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、(株)講談社昭和56年4月発行「男の一流品大図鑑’81年版」、(株)講談社昭和55年6月発行「世界の一流品大図鑑’80年版」、婦人画報社昭和55年12月発行「MENS CLUB 1980,12」、(株)講談社昭和56年6月発行「世界の一流品大図鑑’81年版」、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月発行「流行ブランド図鑑」に「POLO」、「Polo」、「ポロ」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の商標の下に紹介されていることが認められる。

▲4▼ 我が国において、ラルフ・ローレンの名前は、服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「POLO」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、一括して「ポロ商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されていることが認められる。

▲5▼ ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定とほぼ同様に認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。

以上、認定の事実を総合し、かつ、上記判決の趣旨も併せ考慮すると、「ポロ商標」は、我が国においては、遅くとも本願商標の登録出願の時までには、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類その他、靴、かばん類等のいわゆるファッション関連の商品の商標として、取引者、需要者の間において広く認識されていたものと認められ、その状態は現在もなお継続しているというのが相当である。そして、他にこの認定を覆すに足りる証拠はない。

(3)本願商標における混同のおそれ

本願商標の図形部分は、馬に乗った四人のポロ競技のプレーヤーを描いたといえるものであり、「FOUR GRACES POLO TEAM」からなる文字部分は、構成中に「POLO」の語を含むものと認識されるものであること前記(1)で述べたとおりであって、その指定商品は、衣料品、靴類その他のいわゆるファッション関連商品を多く含むものである。

そして、本願商標の出願前より、ポロ商標が衣料品、靴、かばん類等のいわゆるファッション関連の商品分野の取引者、需要者間において広く認識され、著名であること上記(2)で述べたとおりである。

そうすると、本願商標がその指定商品に使用された場合、取引者、需要者は、上記事情から「馬に乗った四人のポロ競技のプレーヤーの図形」をポロ商標の「馬に乗ったポロプレーヤーの図形」との関連で理解し、併せて構成中の「POLO」の文字に着目し、本願商標より、米国の著名なデザイナーであるラルフ・ローレンに係る商品を表示するものとして広く認識されているポロ商標を連想、想起し、同人又は同人の事業と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く認識するおそれが少なからずあるものといわなければならない。

請求人は、本願商標は英国の名門ポロクラブ「ASCOT PARK POLO CLUB」の主宰者Peter Graceの四人の子女(FOUR GRACES)による世界で唯一の姉妹「ポロ・チーム」の名称とマークを組み合わせたもので、そのマークも「4人」の「女性」のポロプレーヤーという点に特徴があり、ラルフ・ローレンの「ポロプレーヤーマーク」とは全く異なるものである旨主張するが、わが国において、本願商標が請求人の述べるマークとして知られているものと認め得るに足る証左は見出せないものであり、かえって、ポロ商標の著名性に照らせば上記のとおり判断するのが相当であるから、上記請求人の主張は採用し得ない。

したがって、本願商標は、他人の業務に係る商品と混同するおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する商標であるから、その理由をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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