Trademark Appeal Case
称呼類似と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−20790(T2002−20790/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「FUJI SPECIALTIES」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,工業用粉類,肥料」、第4類「工業用油,工業用油脂,固体燃料,液体燃料,気体燃料,ろう,靴油,固形潤滑剤,保革油,ろうそく」、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。),豆,製菓・製パン用チョコレート,加工野菜及び加工果実(「製菓・製パン用チョコレート」を除く。),冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」、第31類「コプラ,飼料,釣り用餌,果実,飼料用たんぱく」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として平成13年9月28日登録出願、その後、同14年7月23日付手続補正書により、指定商品を第1類「化学品,工業用粉類」、第4類「工業用油,工業用油脂,固形潤滑剤」、第29類「肉製品,加工水産物(「かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり」を除く。),豆,製菓・製パン用チョコレート,加工野菜及び加工果実(「製菓・製パン用チョコレート」を除く。),乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」、第30類「ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」、第31類「コプラ,飼料,飼料用たんぱく」及び第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」と補正したものである。
2.引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録商標は以下のとおりである。
(1)登録第45263号の1商標(以下「引用商標1」という。)は「富士」の漢字を縦書きしてなり、第1類「 樟脳、樟脳油、薄荷、薄荷油、薄荷脳、酸類、塩類、亜爾加里、漂白粉、護謨、膠、燐、酒精、グ里設林、規那塩、莫児比ネ、丁幾剤、舎利別、煎剤、浸剤、錠薬、生薬、薬油、石灰、硫黄、鉱水、じや香、打粉、食塩、防腐剤、防臭剤 、駆虫剤、繃帯、綿紗、綿散糸、脱脂綿、水剤、煉薬、膏薬 」を指定商品として明治43年12月20日登録出願され、同44年3月24日設定登録されたものである。その後、指定商品中の「膏薬」について、同45年6月19日に登録第45263号の2商標として分割移転登録がなされたものである。そして、その後、6回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、第1類「 しょうのう,しょうのう油(化学品),はっか油(化学品),はっかのう,酸類,塩類,アルカリ,漂白粉(洗濯用のものを除く。),ゴム(樹脂),にかわ(事務用又は家庭用のものを除く。),りん,エチルアルコール,グリセリン,硫黄(化学品),硫黄(非金属鉱物)」、 第3類「洗濯用漂白粉,じゃ香」、第5類「キナ塩,モルヒネ,チンキ剤,シロップ剤,煎剤,浸剤,錠薬,生薬,薬油,石灰,鉱水,硫黄(薬剤),打粉,防腐剤,防臭剤(身体用のものを除く。),駆虫剤,包帯,綿紗,綿撒糸,脱脂綿,水剤,煉薬,はっか(薬剤)」、第16類「事務用又は家庭用のにかわ」及び第30類「食塩」とする書換登録が平成14年9月25日になされて、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第310157号商標(以下「引用商標2」という。)は、「冨士」の漢字を縦書きしてなり、第43類「西洋菓子、但し、『クリーム、アイスクリーム、シュークリーム乃其ノ類似品』ヲ除ク」を指定商品として、昭和13年2月22日登録出願、同13年12月19日設定登録され、その後、4回にわたり商標権の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第314529号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(1)のとおり、富士山と思しき図形の下に「不二」の漢字と「FUJI」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第40類「清涼飲料類」を指定商品として、昭和13年5月11日登録出願、同14年3月22日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第383623号商標(以下「引用商標4」という。)は、「冨士印」の漢字を縦書きし、第45類「他類ニ属セサル食料品及加味品、但し、鳥獣、魚介、野菜、果物、罐詰及其の類似品を除く」を指定商品として、昭和21年12月27日登録出願、同25年5月9日設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(5)登録第432752号商標(以下「引用商標5」という。)は、「FUJI」の欧文字と「フジ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品(但し、樟脳、樟脳油、薄荷油、薄荷脳、酸類、塩類、アルカリ、漂白粉、膠、燐、酒精、グリセリン、規那塩、モルヒネ、丁幾剤、舎利別、煎剤、浸剤、錠薬、生薬、防腐剤、防臭剤、薬油、石灰、硫黄、礦水、じや香、打粉、食塩、駆虫剤、繃帯、綿紗、綿散糸、脱脂綿、水剤、煉薬、膏薬、丸薬、散薬を除く)」を指定商品として、昭和25年7月1日登録出願、同28年10月8日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(6)登録第442613号商標(以下「引用商標6」という。)は、「冨士印」の漢字を縦書きし、第42類「砂糖及び蜜の類」を指定商品として、昭和27年11月15日登録出願、同29年3月23日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、第5類「乳糖」及び第30類「氷砂糖(菓子),角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,ぶどう糖,糖みつ,はちみつ」とする書換登録が平成16年7月7日にされて、現に有効に存続しているものである。
(7)登録第1252625商標(以下「引用商標7」という。)は、「Fuji」の欧文字を横書きしてなり、第31類「食用油脂、乳製品」を指定商品商品として、昭和38年3月7日登録出願、同52年2月21日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(8)登録第1475383号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲(2)のとおり、富士山と思しき図形の下に「富士」の漢字を横書きしてなり、第33類「粉類、穀物、素材蛋白、飼料」を指定商品として、昭和53年7月5日登録出願、同56年8月31日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、第1類「工業用粉類」、第29類「食用たんぱく」、第30類「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料,飼料用たんぱく」とする書換登録が平成14年8月28日にされて、現に有効に存続しているものである。
(9)登録第2190437号商標(以下「引用商標9」という。)は、「フジ」の片仮名文字と「FUJI」の欧文字を二段に横書きしてなり、第5類「成型木炭、その他本類に属する商品、但し、工業用油を除く」を指定商品として、昭和62年3月12日登録出願、平成1年11月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされて、現に有効に存続しているものである。
(10)登録第2688550号商標(以下「引用商標10」という。)は、「フジ」の片仮名文字、「富士」の漢字及び「FUJI」の欧文字を三段に横書きしてなり、第31類「しょうゆ、食酢、ウースターソース、ケチャップ、マヨネーズソース、ドレッシング、酢の素、ホワイトソース」を指定商品として、昭和59年10月16日登録出願、平成6年7月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品については、第30類「しょうゆ,食酢,ウースターソース,ケチャップソース,マヨネーズソース,ドレッシング,酢の素,ホワイトソース」とする書換登録が平成16年8月18日にされて、現に有効に存続しているものである。
3.当審の判断
本願商標は、前記のとおり「FUJI SPECIALTIES」の欧文字を書してなるところ、その構成中、後半の「SPECIALTIES」の文字部分は、英語で「特製品」を意味し、その商品が特別に作られた商品であることを示すために本願の指定商品の分野において普通に使用されているものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分といえる。
そうすると、本願商標に接する取引者・需要者は、その構成中の前半に位置し、それ自体、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る「FUJI」の文字部分を捉え、これより生ずる「フジ」の称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、構成文字全体から生ずる「フジスペシャルティズ」の称呼のほか、「FUJI」の文字部分に相応して、単に「フジ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
これに対し、引用商標1は「富士」、引用商標2は「冨士」、及び引用商標7は「Fuji」の文字のみからなるものであるから、各文字部分に相応して「フジ」の称呼を生ずること明らかである。
また、引用商標3及び8は、前記のとおり、図形と文字を組み合わせた構成よりなるところ、これらを常に一体のものとして把握しなければならないとする特段の事情があるものとは認められず、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから、構成中の「不二」、「FUJI」または「富士」の各文字部分より「フジ」の称呼を生ずるものである。
そして、引用商標5及び9は、「FUJI」と「フジ」の文字を二段に、引用商標10は「フジ」「富士」と「FUJI」の文字を三段に書してなるものであるから、該文字部分に相応して「フジ」の称呼を生ずるものである。
さらに、引用商標4及び6は、前記のとおり「冨士印」の文字からなるところ、その構成中「印」の文字部分は、「目印、記号」等を意味するものであり、自他商品の識別機能が極めて弱い部分ということができるから、引用商標4及び6の要部は、「冨士」にあるものと判断するのが相当であり、これより単に「フジ」の称呼を生ずるといえるものである。
してみれば、本願商標と引用商標1ないし10とは、「フジ」の称呼を共通にする相紛らわしい類似の商標といわざるを得ず、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
なお、請求人は、「『フジ』の称呼を生ずる他人の登録商標が多数存在することから、『フジ』の称呼を生ずる部分に識別性がない。」旨主張しているが、請求人が原審の意見書で挙げた登録例は、いずれも「フジ」と結合する文字または図形を有する構成からなるものであって、その態様においては、本願商標と同一には論ぜられないものである。さらに、請求人は、当審において、「電話帳(東京都千代田区)からの抽出データ」を提出し、「『フジ』を冠した企業が数多く存在する事実からみて、『フジ』はありふれた称呼であり識別性に乏しいといえるから、本願商標の構成中『フジ』と称呼するの文字部分に識別性はなく、本願商標と各引用商標とは非類似である。」旨主張しているが、前記のとおり、本願商標の構成中、後半の「SPECIALTIES」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱い部分といえることから、本願商標に接する取引者・需要者は、その構成中の「FUJI」の文字部分を捉え、これより生ずる「フジ」の称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当であるから、請求人の主張を認めることはできない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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