Trademark Appeal Case
テレビ番組名の著名性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90794(T2003−90794/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4708040号商標(以下「本件商標」という。)は、「FARSCAPE」の文字を標準文字により書してなり、平成14年12月26日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年9月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が制作する世界的に著名なテレビの人気番組の題名「FARSCAPE」(以下「引用標章」という。)と同一であり、申立人又は申立人の許可を得た者(これらを合わせていうときは、以下「申立人ら」という。)以外の者が引用標章と同一の文字よりなる商標を使用した場合、出所混同が生じ競業秩序が乱れて産業の健全な発達が損なわれ公益が害されること明らかである。また、引用標章の有する顧客吸引力による利益は、申立人が得るべきものであり、申立人ら以外の者がその利益を得るのは社会の一般的道徳観念に反する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)引用標章は、前記(1)で述べたように、申立人が制作する世界的に著名なテレビの人気番組の題名であり、申立人の創作に係る造語である。そして、本件商標の指定商品の分野であるアパレル業界においては、人気を博したテレビ番組の表題を商標として使用することが、日常よく行われている。
このような状況からすれば、申立人ら以外の者が、引用標章と同一の文字よりなる本件商標を使用した場合は、商品の出所混同のおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)本件商標は、著名な引用標章と同一であり、引用標章を用いた衣類等は、無名な標章を使用する場合に比し、市場への参入が遙かに容易であると予想されるものであるから、引用標章の名声にただ乗りする点、出所表示機能が稀釈化する点で不正目的を有するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)以上のとおり、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)引用標章の著名性について
甲第2号証ないし甲第9号証によれば、引用標章は、申立人の制作に係るテレビ番組の題名であり、同テレビ番組は、1999年3月19日に我が国の「スカイパーフェクトTV」で放映されたこと、本件商標の登録出願前より、我が国において同テレビ番組が収録されたVHS、DVDのレンタルや販売がされ、また、同テレビ番組を内容とするゲームソフトが販売されていたことなどが認められる。
しかしながら、上記テレビ番組は、特定の契約者に有料で提供する放送事業者より放映されるもので、必ずしも一般の消費者に広く提供される番組であるとはいい難く、しかも、本件商標の登録出願日から登録査定時に至るまで継続して放映されていたものであるか、上記証拠からは明らかではない。
また、上記テレビ番組が収録されたVHS、DVDや同テレビ番組を内容とするゲームソフトが本件商標の登録出願日までに、我が国においてにどの程度販売されたのか明らかでなく、上記VHS、DVDがレンタルに供されたといっても、せいぜい同テレビ番組を有料で提供する放送事業者と契約を締結した特定の契約者(視聴者)に限定されるとみるのが相当である。
そうすると、引用標章は、本件商標の登録出願前より登録査定に至るまで我が国において、申立人の制作に係るテレビ番組の題名を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたと認めることは困難であるといわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号について
本件商標が商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に該当するとの申立人の主張は、引用標章が申立人の制作に係るテレビ番組の題名を表示するものとして著名であることを前提とするものである。
しかしながら、引用標章は、申立人の制作に係るテレビ番組の題名を表示するものとして、本件商標の登録出願前より登録査定に至るまで我が国において著名性を獲得していたものと認めることはできないこと前記認定のとおりである。
してみれば、たとえ、甲第10号証ないし甲第16号証に示すように、本件商標の指定商品の分野において、人気を博したテレビ番組の題名や登場キャラクターの名称等を商標として使用される実情にあるとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、「FARSCAPE」の文字より申立人の制作に係るテレビ番組の題名を連想、想起することはないというのが相当であるから、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、該商品が申立人らの業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはなく、社会の一般的道徳観念に反するものとはいえないのみならず、不正の目的をもって使用をするものということもできない。
したがって、申立人の主張は、前提において誤りがあり、失当である。
(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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