Trademark Appeal Case
称呼の音調・音感差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90747(T2002−90747/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4587805号商標(以下「本件商標」という。)は、「NIPA」の文字を標準文字で表してなり、平成13年12月4日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,回転変流機,調相機,電気ブザー,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,磁心,電極,ガソリンステーション用装置,自動販売機,電気計算機,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置」を指定商品として、平成14年7月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の引用に係る、「ニッパー」の文字と「NIPPER」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和60年7月26日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年12月19日に設定登録された登録第2099622号商標及び「ニッパー」の文字と「NIPPER」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和62年11月19日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年11月30日に設定登録、その後、指定商品については、第7類、第8類、第9類、第10類、第11類、第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載にとおりの商品への書換登録が平成14年5月1日にされた登録第2281248号商標(以下「引用商標」という。)と類似する商標であり、その指定商品も同一又は類似するものである。また、申立人の係る別掲に示したとおりの構成よりなる商標(以下「ビクターマーク」という。)に描かれている「テリア種の犬」は、我が国において「ニッパー」の愛称で親しまれているものであり、「ニッパー」の称呼と相紛らわしい本件商標は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「NIPA」の文字よりなるものであり、該構成文字に相応して「ニッパ」又は「ニーパ」の称呼を生ずるものと認められる(甲第4号証ないし同第6号証参照)。
これに対し、引用商標は、「ニッパー」の文字と「NIPPER」の文字よりなるものであり、これらの構成文字に相応して「ニッパー」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「ニッパ」又は「ニーパ」の称呼と引用商標より生ずる「ニッパー」の称呼とを比較すると、まず、「ニッパ」と「ニッパー」の両称呼においては、「パ」の音が長音を伴って発音されるか否かの差異を有するところ、わずか2音という極めて短い音で構成されていて、しかも、有声の通鼻音で柔らかい音である「ニッ」の音に較べ、無声の破裂音で力のはいる音である「パ(ー)」の音がより強い音として発音し聴取されるところから、この差異がそれぞれの称呼の全体の音調、音感に与える影響は必ずしも小さいということはできず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、彼此聴別することは可能であるというべきである。
また、「ニーパ」と「ニッパー」の両称呼は、第1音において長音と促音の相違、第2音において長音の有無という、いずれの音においても差異を伴うものであり、これらの差異が短い音構成よりなる両称呼の全体に与える影響は大きく、両称呼は音調、音感を異にして彼此相紛れるおそれはないと認められる。
してみれば、本件商標は、引用商標と称呼において類似するものとは判断することができない。
また、両商標は、外観において明らかに相違するものであり、観念においても本件商標は「ニッパヤシ」の意味合いを理解させるのに対し、引用商標は「やっとこ(工具)」の意味合いを理解させるから、観念を異にし類似とすべきところはない。
申立人は、両商標が類似する根拠として審決例を挙げるが、これらは、本件とは事案が異なるものであり、上記判断を左右するものではない。
(2)上述のとおり、本件商標は、引用商標と類似しないものであって、両商標間には誤認、混同を生じる事由を見出し得ないばかりでなく、別掲に示したとおりの構成よりなる「ビクターマーク」に描かれている犬が、我が国において「ニッパー」の愛称で親しまれ、本願商標の登録出願前より、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは、申立人の提出に係る証拠を検討しても十分なものと認めることができない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者がこれより直ちにビクターマークを連想、想起するものとは判断することができないから、本件商標は、申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないといわなければならない。
(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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