Trademark Appeal Case
称呼・観念類似と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90664(T2003−90664/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4692787号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)とおりの構成よりなり、平成14年9月4日に登録出願、第1類ないし第5類、第8類ないし第13類、第16類ないし第18類、第21類、第22類、第24類ないし第26類、第28類ないし第41類、及び第43類ないし第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年7月18日に設定登録されたものである。
2.登録異議申立の理由(要旨)
(1)登録異議申立人「ハンス シュワルツコフ ウント ヘンケル ゲゼルシヤフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシヤフト」(以下「申立人A」という。)は、本件商標はその指定商品中の第3類「全指定商品」及び第21類「全指定商品」について商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は、第3類及び第21類につき、取り消されるべきである、と申し立てた。
本件商標は、次の(a)に示す登録商標と類似するものであって、かつ、互いの商品が抵触することは論ずるまでもない。
(a) 登録第4351025号商標(以下「引用商標(a)」という。)は、「OSIS」の文字を標準文字により表してなり、平成10年7月22日に登録出願され、第3類、第8類、第9類、第16類、第18類、第21類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年1月14日に設定登録されたものである。
(2)登録異議申立人「フィリップ モリス プロダクツ エス アー」(以下「申立人B」という。)は、本件商標はその指定商品中の第34類「紙巻きたばこ用紙,たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く),マッチ」について商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである、と申し立てた。
(ア)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、次の(b)ないし(d)に示す登録商標と類似するものであって、かつ、本件商標の指定商品中の第34類「紙巻きたばこ用紙,たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く),マッチ」と引用商標の指定商品とは同一又は類似するものである。
(b) 登録第523482号商標(以下「引用商標(b)」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和32年5月31日に登録出願され、第48類「薄荷入煙草」を指定商品として、同33年7月10日に設定登録されたものである。
(c) 登録第1813092号商標(以下「引用商標(c)」という。)は、「OASIS」文字を横書きしてなり、昭和58年7月26日に登録出願され、第27類「たばこ、喫煙用具、マッチ」を指定商品として、同60年10月31日に設定登録されたものである。
(d) 登録第4349387号商標(以下「引用商標(d)」という。)は、「OASIS」の文字を横書きしてなり、平成10年5月14日に登録出願され、第34類「たばこと電子ライターと電子ライター用再充電浄化装置からなるたばこ及び喫煙用具セット,その他のたばこ及び喫煙用具セット,マッチ」を指定商品として、同12年1月7日に設定登録されたものである。
(イ)商標法第4条第1項第15号該当について
申立人は、1998年12月に「OASIS」ブランドの申立人が開発した「デジタル・スモーキング」専用のたばこを日本で発売した。この「たばこ」の発売は話題を呼び各テレビ番組で放送され、また、宣伝広告に350万米ドルを費やした結果、申立人フィリップモリスの製造販売する「火を使わない」、「煙が出ない」、「副流煙が出ない」、「においがつきにくい」画期的な喫煙方法専用のたばこに関するブランド(商標)として日本市場に定着している。
そして、本件商標は申立人の「OASIS」ブランドと称呼・観念を同一にする類似商標である。
してみれば、本件商標を指定商品中の第34類に属する商品「たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く),マッチ」について使用された場合、申立人の「OASIS」ブランドのたばこや喫煙用具と混同を生ずるおそれのある商標に該当する。
3.当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
(ア)本件商標は、別掲(1)のとおり、四隅を丸くした黒塗りの長方形の中に白抜きで「Oasis−In」の文字を横書きした構成よりなるところ、係る構成よりなる商標は図形と文字とを一体的なものとして看者の目に映ずるものとみるのが相当であって、かかる構成文字を「Oasis」と「In」との文字に分かちみれば、前者が「砂漠中の緑地」の意味合いを有する語として、また、後者が「...の中に」の意味合いを有する語として我が国においてよく知られた英単語であるといえる。
しかし、本件商標は上述のとおり、該黒塗り長方形と相俟ってその中のハイフンで連綴された「Oasis−In」とする一連一体の文字構成において、これに接する取引者、需要者が「Oasis」と「In」とに分離し抽出してそれぞれの文字の意味合いを想起し取引に資するものといい難く、むしろ、簡易迅速を尊ぶ商取引場裏にあっては、全体をもって特定の観念を生じ得ない一連の造語として看取されるものというのが自然であって、かつ、本件商標の構成全体から生じる「オアシスイン」の称呼も平滑、流暢に称呼し得るものであるから、本件商標は、構成中の「Oasis」の文字部分が独立した取引指標として認識されるものといえないというのが相当である。
(イ)そうすると、上記のとおり「OSIS」の文字よりなる引用商標(a)は、特定の観念を生じるものでなく、その構成文字に相応して「オーシス」の称呼が生じるとしても、本件商標よりは「オーシス」の称呼が生ずるという申立人Aの主張は認め難いものであり、本件商標から生ずる称呼は上述認定のとおり「オアシスイン」であって、称呼の点において、両者はその音構成、音数の差異により彼此聞き誤るおそれはない。また、観念の点においては、本件商標が全体として造語というべきものであって、引用商標(a)も特定の観念を生じ得ないという点で、両者は比較し得ないものである。さらに、外観の点においては、両者は、全体の外観印象を異にし、彼此見誤るおそれはない。
(ウ)また、「OASIS」の文字、又はこれを顕著に有してなる引用商標(b)ないし(d)は、それぞれ「オアシス」の称呼と「砂漠中の緑地」の観念を生じるものであって、これと本件商標より生ずる「オアシスイン」の称呼とを比較するに、称呼の点において、両者は6音と4音という音量の相違、すなわち語尾において「イン」の音の有無という音構成の差異により、これが称呼に及ぼす影響は大きく、彼此聞き誤るおそれはない。また、観念の点においては、本件商標が全体として造語というべきものであるのに対し、引用商標は「砂漠中の緑地」の観念を生じるものであるという点で、両者は判然と区別し得るものである。さらに、外観の点においては、両者は、全体の外観印象を異にし、彼此見誤るおそれはない。
(エ)したがって、本件商標と引用商標(a)ないし(d)とはその称呼、観念及び外観のいずれからしても十分に区別し得るものであって、両者の間に何ら紛れるおそれのない非類似の商標であり、互いに別個の商標とすべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人B(フィリップ モリス プロダクツ エス アー)が開発し、その製造販売する画期的な喫煙方法専用のたばこに関して使用する「OASIS」ブランドが、申立人B提出に係る甲第6号証及び甲第7号証(枝番含む)の証拠資料によっては、その使用ブランド(商標)の著名性を認めるに十分とはいえず、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人B又は申立人Bと関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものであって、たとい、当該たばこが「OASIS」ブランドの下、日本市場に定着しているものであるとしても、本件商標は前述(1)のとおり「OASIS」の文字、又はこれを顕著に有してなる引用商標とは、別個のものであり本件商標と当該「OASIS」ブランドもこれと同様に判断し得るから、本件商標を指定商品中の第34類に属する商品「たばこ,喫煙用具(貴金属製のものを除く),マッチ」について使用しても、申立人Bの「OASIS」ブランドのたばこや喫煙用具と混同を生ずるおそれがあるものといえず、ほかに、両者間にその出所等を混同させる要因は見出せない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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