Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90810(T2003−90810/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4708895号商標(以下「本件商標」という。)は、「オスカーランド」の文字を標準文字で表してなり、平成14年12月13日に登録出願され、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年9月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4011837号商標(以下「引用商標」という。)は、「OSCAR」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願され、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年6月13日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、全体として成句を構成するものではなく、その構成中の「オスカー」の語は申立人が主催する米国映画芸術アカデミー賞の受賞者に授与される立像の名称であり、かつ、アカデミー賞の別名として世界的に知られているものである。そして、「ランド」の語は、ディズニーランドの如く娯楽関連役務の提供場所を表す際に慣用的に用いられているものであって、それ自体、自他役務識別力の極めて低いものであることから、本件商標に接する需要者等は、「オスカー」の文字部分をもって役務の識別にあたるとみるのが自然である。
したがって、本件商標と引用商標とは「オスカー」の称呼を同じくする類似の商標であり、かつ、同一又は類似の役務について使用されるものである。
(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
「オスカー(oscar)」の語については、上記の実情にあるものであるから、商標権者が本件商標をその指定役務、とりわけ映画その他の娯楽に関連する役務に使用する場合には、これが申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかの如く役務の出所について混同を生じさせるおそれがあるものであり、また、商標権者は、少なくとも本件商標の出願時において、引用商標又は「オスカー」の語の周知著名性を十分に認識した上で本件商標の採択をしたものと考えるのが自然であるから、本件商標が引用商標の有する顧客吸引力に便乗(フリーライド)する等の不正の目的をもって使用するものであることは十分に推認し得るところである。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「オスカーランド」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「ランド」の文字部分が役務の提供場所の名称中に用いられている場合があるとしても、かかる構成においては役務の提供場所等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「オスカーランド」の称呼のみを生ずるものであって、単に「オスカー」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「オスカー」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきであるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用商標の信用にフリーライドすることを意図して出願されたものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを裏付ける証左もない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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