Trademark Appeal Case
称呼類似性の判断基準
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90824(T2003−90824/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4710918号商標(以下「本件商標」という。)は、「サンリール」の片仮名文字と「SANRIL」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成15年1月30日に登録出願され、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年9月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第2112741号商標(以下「引用商標」という。)は、「SABRIL」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年2月15日に登録出願され、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成文字に相応して「サンリール」の称呼を生ずるものであり、引用商標は、「サブリール」の称呼をもって取り扱われると解するのが最も自然である。
両者の称呼は、共に4音構成であり、異なるところは第2音における「ン」の音と「ブ」の音の相違にしかすぎないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは語韻語調が極めて近似し、称呼上彼此相紛れるおそれの高い称呼上類似の商標であり、指定商品も抵触するものである。昨今の医療現場における薬剤の名前を間違う事件が多発している事実を考慮すれば、称呼上類似する商標の登録を認めることは、医療現場の混乱を助長するものであり、到底首肯することはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、前記のとおりの構成からなるところ、その読みを特定したものと認められる片仮名文字に相応して「サンリール」の称呼を生ずるものと認められる。
一方、引用商標は、前記のとおりの構成からなるところ、特定の語義を有する成語ではないから、一定の定まった読みは認められないが、後半の「RIL」の文字部分については、よく知られている英語の「April」の語が「エイプリル」と発音されることから、この用例に倣い英語読み風に、「サブリル」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。しかしながら、「RIL」の文字部分は、本件商標の欧文字の後半部分と共通の綴りであることから、申立人が主張している「サブリール」の称呼が生ずる場合のあることを否定することもできない。
そこで、本件商標から生ずる「サンリール」の称呼と申立人が主張している引用商標から生ずる「サブリール」の称呼とを比較するに、この両称呼は、第2音において「ン」と「ブ」の音の差異を有するものである。
しかして、「ン」の音は、弱く響く鼻音であるのに対して、「ブ」の音は有声破裂音(b)と母音(u)の結合した音であって、比較的強く、明瞭に発音・聴取される音である。
そうとすれば、この両音は、調音の方法を異にし、音質を明らかに異にするものであるから、この差異は、中間部分における差異とはいえ、長音を含めても5音という比較的短い音構成からなる両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、これをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にするものである。加えて、両商標の欧文字部分から特定の意味合いを看取し得るものではないが、本件商標の「サン」の称呼部分は、極めて親しまれている「太陽」を意味する「sun」の読みである「サン」の音にも通ずるものであり、また、引用商標の「サブ」の称呼部分は、これまた極めて親しまれている「補助、副」等を意味する「sub」の読みである「サブ」の音にも通ずるものであるから、これらの称呼部分から受ける印象・連想には明瞭な差異があり、このことをも併せみれば、両者は、彼此相紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標から生ずる「サンリール」の称呼と引用商標から生ずる「サブリル」の称呼とは、上記した差異以上に、語韻・語調上の明らかな差異を有するものである。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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