Trademark Appeal Case
称呼の差異と商品混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90032(T2004−90032/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4717621号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に表示した構成よりなり、平成15年5月20日に登録出願、第28類「おもちゃ,人形」を指定商品として、平成15年10月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する、別掲(2)に表示した構成よりなり、平成4年7月1日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年3月12日に設定登録された登録第3268815号商標(以下「引用商標1」という。)、「LONGCHAMP」の欧文字を横書きしてなり、平成4年11月24日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年4月30日に設定登録された登録第3147631号商標(以下「引用商標2」という。)及び「LONGCHAMP」の欧文字を横書きしてなり、平成8年7月10日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年3月26日に設定登録された登録第4255977号商標(以下「引用商標3」という。)と類似する商標であり、また、指定商品においても同一又は類似の商品に使用するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品に使用される著名な引用各商標及び申立人の業務に係る商品又は役務に使用される「LONGCHAMP」商標と類似する商標であり、「LONGCHAMP」商標を容易に想起し、本件商標がその指定商品に使用された場合、恰も申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何等かの関係がある者の業務であるかの如く誤認し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、「LONGCHAMP」商標を容易に想起し得る類似の商標であり、「LONGCHAMP」商標に化体した信用・評判・名声にフリーライドし、その希釈化を引き起こすおそれがあり、また、商標に化体した信用力・顧客吸引力を無償で利用する結果を招来し、公正な商品又は役務に関する商取引秩序を乱し、延いては国際信義に反するものとして、公序良俗を害するおそれがある商標である。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ロンチャン」「Long−chan」の文字に相応し「ロンチャン」称呼を生ずるものである。
他方、引用各商標は、「LONGCHAMP」の欧文字に相応し「ロンシャン」の称呼を生ずるものというのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ロンチャン」の称呼と引用各商標より生ずる「ロンシャン」の称呼を比較するに、両称呼は、第3音において「チ」と「シ」の音の差異を有し、他の音を共通にするものである。
そうして、両称呼は、促音を含む比較的短い5音構成よりなり、しかも、促音「チャ」と「シャ」の音の前後に位置する音がいずれも極めて弱く発音される「ン」であることよりして、両称呼をそれぞれ一連に称呼するとしても、該差異音は明瞭に聴取され、互いに聞き誤るおそれはないものというのが相当である。
また、本件商標と引用各商標は、その構成よりして、外観上も区別し得る差異を有するものであり、観念においても類似するものとは認め得ないものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても、非類似の商標というべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第8号証ないし甲第36号証等によれば、引用商標1、引用商標2の構成よりなる商標及び「ロンシャン」の文字は、申立人が、我が国において、本件商標の登録出願前から、商品「バッグ製品、ベルト、ハンカチ、ネクタイ」等の各種ファッション関連商品に使用され、周知著名であることは認め得るものである。
しかしながら、本件商標の指定商品をみると、その指定商品は「おもちゃ,人形」であって、申立人の業務に係る使用商品とは、その生産・販売部門、原材料及び品質、用途等を著しく異にするものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人の使用商標を連想、想起させるものとはいえないから、本件商標は申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
(3)商標法第4条第1項第7号
前記(1)のとおり、本件商標は、引用各商標及び「ロンシャン」とは、非類似の商標であり、かつ、前記(2)のとおり、本件商標は、申立人業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない以上、申立人の使用する商標に化体した信用・評判・名声にフリーライドし、その希釈化を引き起こすおそれがあり、また、商標に化体した信用力・顧客吸引力を無償で利用する結果を招来し、公正な商品又は役務に関する商取引秩序を乱し、国際信義に反するものとして、公序良俗を害するおそれがある商標ということはできない。
(4)結語
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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