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Trademark Appeal Case

複合商標の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90094(T2004−90094/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4725886号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4725886号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成15年3月26日に登録出願、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成15年11月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3081966号商標(以下「引用商標」という。)は、「an」の文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第35類「雑誌による広告の代理」を指定役務とし、特例商標として平成7年10月31日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)申立人は引用商標を付してインターネットを介した求人情報の提供を行っており、申立人の該業務は「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」として需要者に広く認識されている。そして、本件商標と引用商標とは「アン」の同一称呼を生ずる類似商標であり、かつ、本件商標の指定役務中の第41類「電子出版物の提供」と申立人の上記「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」とは類似するものである。

(2)本件商標は、その指定役務中の第41類「知識の教授、インターネットを利用したセミナーの開催、電子出版物の提供」に使用された場合、引用商標の著名性及び引用商標との類似性故に、申立人ないしは申立人と経済的・組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがある。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、求人情報誌の草分けであり、全国に7支社を有し、引用商標と同一態様からなる「an」の商標を付したアルバイト情報誌を首都圏のほか各地域毎に発行し、その発行部数も2002年6月時点で合計53万部に達していること、北九州地域では平成13年4月から同15年7月にかけてテレビのスポット広告を計300回放映していること、自社のホームページにおいて「web an」の標章を用いてインターネットを介した求人情報の提供を行っていることが認められる。しかしながら、申立人が主張する「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」について、引用商標が具体的かつ盛大に使用されている事実を認めるに足る証拠はない。

しかして、これらの事実によれば、引用商標は、役務「雑誌による広告の代理」について使用する商標として取引者、需要者間に広く認識されているものといえるとしても、「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」について使用する商標としてはさほど知られていないといわざるを得ない。

また、本件商標は、別掲のとおり、図形と文字の組み合わせからなるものであるところ、構成中の「AN」の文字は、役務や商品の記号、符号として類型的に使用されるローマ字のうちの2字であるばかりでなく、図形全体にバランスよく融合していることから、それ自体が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものとはいい難いものである。

そうすると、本件商標は全体の構成をもって自他役務の識別力を有するものというべきであって、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当であるから、引用商標から「アン」の称呼が生ずるとしても、両商標は、称呼及び観念について比較すべくもないものである。さらに、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の指定役務中の第41類「電子出版物の提供」と申立人の上記「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」とが類似するものであるとしても、上記のとおり、「電気通信回線を通じた電子出版物の提供」についての引用商標の周知性が認められず、かつ、本件商標と引用商標とが類似するものでない以上、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものであるとすることはできない。

(2)申立人は、単なる求人情報誌の発行業務に留まらず学生・第二新卒に対する求人情報の提供、就職にあたって求められる知識や一般常識についての教授、人材派遣業務、派遣人材に対する研修、就職セミナー等多角的な業務展開を行っていると主張しているが、これらの業務を行っていることについて個別具体的に示す証左はなく、また、これら業務について如何なる商標が使用されているかも明らかでない。

そうすると、引用商標は、「雑誌による広告の代理」の役務について使用する商標として取引者、需要者間に広く認識されているとしても、その周知性の範囲は該役務を大きく超えるものではないといわざるを得ない。

しかも、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、非類似のものである。

かかる事情の下において、本件商標をその指定役務中の第41類「知識の教授、インターネットを利用したセミナーの開催、電子出版物の提供」について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如くその出所について誤認を生ずるおそれはないものというべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるとすることはできない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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