Trademark Appeal Case
称呼の語尾音の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90849(T2003−90849/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4712744号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATURALINE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年12月9日に登録出願、第23類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年9月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1300145号商標(以下「引用商標」という。)は、「NATURALIZER」の欧文字と「ナチュラライザー」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、昭和49年9月17日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同52年9月19日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標から生ずる「ナチュラライン」の称呼と引用商標から生ずる「ナチュラライザー」の称呼とは、6音中5音において共通し、相違するのは語尾音の「ン」と「ザー」のみであって聴き取り難いことから、これらをそれぞれ一気一連に発音した場合には、全体として似通った音印象が感取され、実際の取引場裡においては、互いに聴き誤るおそれがある。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼において類似する商標であり、指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、1927年頃から、アメリカ合衆国において「Naturalizer」からなる商標を「靴」について使用しており、「Naturalizer」の商標を付した靴の世界における売上高は年間平均約1億8千万ドル、日本においても年間平均約17万ドルになっている。
上記事実からも明らかなように、申立人は、本件商標の出願日よりも以前から、日本及び外国において、「Naturalizer」の商標を「靴」に付して大量に販売しており、遅くとも、本件商標の出願日前までには、「Naturalizer」の商標は、申立人の業務に係る商品である「靴」を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。
(4)よって、本件商標の指定商品中、第25類に属する「履物,運動用特殊靴」についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、前記したとおりの構成からなるものであるから、その構成文字に相応して、本件商標からは「ナチュラライン」の称呼を、引用商標からは「ナチュラライザー」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、この両称呼を比較するに、両称呼は、語尾部分において、「ン」と「ザー」の音の差異を有するものである。しかして、「ン」の音は鼻音にして響きの弱い音であるのに対して、「ザ」の音は、有声の摩擦音「z」と母音「a」の結合した音であって、比較的明瞭に発音・聴取されるばかりでなく、はっきりと澄んだ音である「a」の母音が長音として伸ばされることから、一層明瞭に聴取されるものということができる。
してみれば、語尾部分における差異とはいえ、これらの音の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、全体の語調・語感を異にし、彼此相紛れるおそれはないものとみるのが相当である。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
上記したところと同様の理由から、申立人の使用に係る「Naturalizer」の商標と本件商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れることのない非類似の商標と認められるものであるから、その余の要件を判断するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるということはできない。
(3)むすび
したがって、本件商標の指定商品中、第25類「履物,運動用特殊靴」についての登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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