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Trademark Appeal Case

補正後のくじ結果適用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2004−90006(T2004−90006/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4713549号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4713549号商標(以下「本件商標」という。)は、「JUJU」の文字と「ジュジュ」の文字とを二段に書してなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」及び第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,印刷用インテル,活字,装飾塗工用ブラシ,封ろう,マーキング用孔開型板,観賞魚用水槽及びその附属品」を指定商品とし、平成14年9月20日登録出願されたものである。

その後、平成15年3月11日付けで、特許庁長官は「本願商標は、商標登録出願2002−80625及び2002−80629とは、商標法第8条第2項に規定する同一又は類似の商品又は役務について使用する同一又は類似の商標について、同日に商標登録出願があった場合に該当する。したがって、同条4項の規定によってその出願人と協議し、その結果を記載した書面を指定された期間に提出すること、及び協議が成立しないとき又は書面の提出がなかったときには同条第5項の規定により商標登録を受けることができる者をくじによって決定する」旨の協議命令書を通知し、協議成立等の書面の提出がなかったため、同年6月6日に、くじの実施を通知し、同年7月11日にくじが実施され、その結果調書が同年7月25日付けで送付されたものである。

そして、本件商標は、そ指定商品について、同15年4月14日付の手続補正書により、第14類「貴金属,貴金属製靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計,キーホルダー」及び第16類「写真、写真立て」と補正され、さらに同年8月4日付けの手続補正書により、第14類「貴金属,貴金属製靴飾り,貴金属製喫煙用具,時計,キーホルダー」と補正され、同年9月26日に設定登録されたものである。

2.登録異議の申し立ての理由

本件商標は、甲第1号証(くじについての通知)及び甲第2号証(商標法第8条第5項に基づく「くじ」の結果調書)から明らかのように第二順位のものである。

しかるに、本件商標は、3件の同日に係る商標登録出願について商標法第8条第5項に基づく「くじ」の実施後、補正がなされた結果、新たに競合関係が発生しているにもかかわらず、一の商標登録出願人を決めるとして行った「くじ」の第二順位と第三順位の間の関係をそのまま抽出して適用し、登録されたものである。

すなわち、第二順位、第三順位は、単に色分けされたガラポン式くじの使用の結果、出現する者であって、「くじ」の実施後に補正がなされた結果、

新たに生じた競合関係にまで適用される性質のものではない。かかる順位は

あくまで第一順位の者が諸事情により権利取得を断念した場合の予備的な選

定に過ぎないものである。

本件についての「くじ」の開催の際には、甲第1号証の「くじ」について

の通知が送付されているが、その甲第1号証の「くじ」についての通知に「同条第5項の規定に基づいて、下記により、「くじ」によって一の商標登録出願人を決定します。」とあるように、法律に従って「一の商標登録出願人を決める」旨のことは記載されているが、本件商標の取扱いで生じたような「商品・役務によっては第二、第三の出願人を決めることがある」との文

言は全く存在していない。そのような示唆もなく、ましてや運用についての

記載も全くない。「くじ」についての通知に記載されている文言は「一の商

標登録出願人を定める」として記載されているだけである。今回の「くじ」

では第一順位でもある登録異議申立人が一の商標登録出願人として定められ

たものであるから、その「くじ」を法に反して拡張して適用し、第二、第三

の出願人を決めることは出来ないものである。換言すれば、「一の商標登録

出願人を決定します。」といって開催された「くじ」が結果的に2以上の商

標登録出願人を決定している事実があり、このことは「くじ」についての通

知に記載された「くじ」の運営方針に照らし合わせても全く受け入れられな

いものと言わざるを得ない。

また、「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の

商標について同日に二以上の商標登録出願があったときは、商標登録出願人

の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を

受けることが出来る。」と規定している商標法第8条第2項や「第二項の協

議が成立せず、又は前項の規定により指定した期間内に同項の規定による届

出がないときは、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の

商標登録出願人のみが商標登録を受けることが出来る。」と規定している商

標法第8条第5項によれば、商標法8条の法令が意図することは、同日出願

の場合に、協議前置とし、それが不調の場合に、公正な「くじ」を行なうも

のである。

ところが、本件商標の登録は協議前置とする法の意図するところを壊滅させ得るものである。すなわち、特許庁の解釈では、「くじ」の実施後の補正で競合関係が解消されたときでは、第二、第三順位の出願人でも登録を可能とするものであるが、今回の場合のように、複数の出願が存在し、商品・役務も部分的に様々に競合している場合では、「くじ」の結果を考えながら協議を行なった場合にはその協議の対象そのものが極めて複数の選択肢となり得るあらゆる補正の態様や第二順位、第三順位などを想定することを強いることになり、その協議対象が極めて大きく拡がって、事案によっては協議自体収拾することがはなはだ困難になることは明らかである。

したがって、本件商標の登録は、協議前置とした法目的に明らかに反しており、「くじ」の前提となっていた出願自体を「くじ」の実施後に補正して新たな競合関係が発生した場合は、再度協議前置、不明の場合に「くじ」と

いう手順を踏む必要がある。

そのような公平を維持する制度が存在しながら実施せず、安易に登録した本件商標には法律上明らかな暇庇があると言わざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第8条第2項及び第5項に該当し商標登録を受けることができないものであるから、本件商標の登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。

3.当審の判断

商標法は、同法第8条第2項において「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について同日に二以上の商標登録出願があったときは、商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」旨、及び同第5項において「第二項の協議が成立せず、又は前項の規定により届出がないときは、特許庁長官が行う公正なくじにより定めた一の商標登録出願人のみが商標登録を受けることができる。」旨規定し、同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について同日に二以上の商標登録出願があったときは、先ず、商標登録出願人の協議により、協議が成立しないときに特許庁長官が行う公正なくじにより、商標登録を受けることができる一の出願人を定めるのである。

これは、商標法では先願が拒絶されても同条第3項の規定により先願権は残らないことから、協議が成立しない場合に両方とも商標登録を受けられないものとすると、そのすぐ後に同様な商標登録をした者の方に商標登録をしなければならない不合理があるからであると解される。

すなわち、くじの対象となる出願人が2以上何人であっても、一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができ、他の出願人には登録しないとする原則を定めたものである。

この観点から、例えば、くじにより第一位となった出願人が、その後、商標登録出願の取り下げなどにより、その出願が初めからなかったことになり、その地位が失われれば、第二位の出願人が繰り上がることとしても、決して商標法第8条第5項の趣旨に反するものとは云えないというべきである。

以上のことから、くじの際に予め順位を定めておくことは決して商標法第8条第2項及び同第5項の趣旨に反するものではなく、仮にくじの実施後に、定められた順位の関係で、第二順位の出願が第一順位の出願と抵触する指定商品を削除補正等することにより拒絶理由が解消した場合には、順次登録されることは決して不合理なものと言うことはできず、また、かかる場合に補正ができないとする規定もないことよりすれば、これを違法ということはできないと解するのが相当である。

そうとすれば、この点についての申立人の主張は採用できない。

なお、申立人は「くじの実施後に補正して新たな競合関係が発生した場合は、再度協議前置、不明の場合に「くじ」という手順を踏む必要がある。」旨主張するが、商標法第8条第2項による協議命令を発し、協議が不成立であったために、同第5項により「くじ」を実施し、一の商標登録出願人を定めたのであり、通常「くじ」の実施後に行った補正の後に、新たな競合関係は生じ得ないから、この点に関する申立人の主張も採用できない。

したがって、本件商標は、商標法第8条第2項及び商標法第8条第5項のいずれにも違反して登録されたものということはできない。

よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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