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Trademark Appeal Case

商標法4条1項10号適用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−68016(T2003−68016/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第770441号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第770441号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、2001(平成13)年9月25日付けでItalyにおいてした商標登録に基づいて2001(平成13)年10月30日を国際登録の日とし、2002(平成14)年6月4日付けの事後指定により、第14類「Gold;silver;platinum;precious metals and alloys thereof;objects made of precious metals and alloys thereof;diamonds;brilliants;precious stones;jewellery articles;jewels;cufflinks and tie pins;wristwatches;clocks in general;watchstraps;chronometric instruments;items of jewellery plated with precious metals;clock and jewellery cases and caskets;all aforesaid goods are originating from Italy.」を指定商品として、平成15年7月25日に設定登録がされたものである。

2 引用商標

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録第1563347号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和54年11月9日に登録出願、商標登録原簿に記載したとおりの商品区分及び指定商品を指定して、同58年1月28日に設定登録、その後、平成5年1月28日及び同14年12月24日の二度に亘り商標権存続期間の更新登録がされ、また、商品区分及び指定商品については、平成16年7月14日付けで、第3類「つけづめ,つけまつ毛」、第6類「金属製のバックル」、第8類「ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」、第10類「耳かき」、第14類「身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその模造品,貴金属製コンパクト」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第26類「腕止め,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),ワッペン,腕章,頭飾品,ボタン類,造花(「造花の花輪」を除く。),つけあごひげ,つけ口ひげ,ヘアカーラー(電気式のものを除く。)」とする書換の登録がされたものである。

同じく、登録第1598757号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和54年11月9日に登録出願、商標登録原簿に記載したとおりの商品区分及び指定商品を指定して、同58年6月30日に設定登録、その後、平成5年11月29日及び同15年5月27日の二度に亘り商標権存続期間の更新登録がされ、また、商品区分及び指定商品については、平成16年6月30日付けで、第9類「眼鏡」及び第14類「時計」とする書換の登録がされたものである。

同じく、登録第2631587号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、1991(平成3)年2月13日イタリア共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年2月28日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同6年3月31日に設定登録、その後、同16年1月13日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

同じく、登録第2655183号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、1991(平成3)年2月13日イタリア共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成3年2月28日に登録出願、第23類「時計、眼鏡、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同6年4月28日に設定登録、その後、同16年3月9日に商標権存続期間の更新登録がされたものである(以下、これらをまとめていうときには、単に「引用商標」という。)。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第10号について

申立人「グッチオ・グッチ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ」は、イタリア国在住のファッション総合メーカーで、馬具商から出発し、現在は、皮革製品からアパレル・スカーフ・ネクタイ・革小物製品・アクセサリー・ステーショナリー・香水に至るまで、あらゆるファッション関係商品の製造・販売を手掛ける文字どおりのファッション総合メーカーとなっている。

申立人は、世界的に著名なブランドに成長している「グッチ/GUCCI」の所有者である。すなわち、グッチオ・グッチは、申立人会社の創始者であり、グッチは、その家名であって、現在は、申立人の商号商標であり、「グッチ/GUCCI」は、イタリー国はもとより世界中に周知・著名なブランドとなっている。我が国で如何にこの商品が好まれ、人気を博してきたかは、いまさら証明の必要もないほど顕著な事実であると思われるが、甲第6号証ないし甲第10号証をもって、この著名性は十分に例証されよう。

そして、「グッチ/GUCCI」といえば、グッチオ・グッチのイニシャルから発せられた、いわゆる「GG」マークとともに周知・著名となり、このマークをデザインとして包含する商品が大人気商品となってきた歴史があり、本件商標は、正にこの著名なグッチの「GG」マークと類似する。

上述のとおり、「グッチ/GUCCI」ブランドは、多岐に亘るファッション関係の商品に用いられており、そのほとんどに上記「GG」マークが用いられていて(デザインとして用いられる場合を含む。)、これら商品を扱う業界・一般公衆に広く知られているので、本件商標の指定商品(貴金属、アクセサリー、時計等)を取り扱う業界においても極めて周知・著名となっている。

したがって、本件商標は、当業界で周知・著名な申立人の「GG」マークと類似するので、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号について

申立人は、甲第2号証ないし甲第5号証に示すとおり、いわゆる「GG」マークに関する先登録商標を多数有している。その「GG」マークもまた時代によって、若干形態が変わっているが、本件商標は、明らかにこれら先登録商標に類似するので、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人の「GG」マークは、「グッチ/GUCCI」ブランドを表すものとして著名であり、その事実は、甲第6号証ないし甲第10号証の中にも記事として明記されている。特に、甲第6号証には、1976年版の一流ブランド紹介誌「世界の一流品大図鑑」の紹介記事を挙げているが、この中の「一流ブランド物語」の部分に「GG」マークの創出とその人気度が理解される記事が示される。この記事が記載されたのが、実際は1975年(昭和50年)であることにも着目すると、「グッチ/GUCCI」の「GG」マークの周知・著名性の歴史的深みを窺うことができる。

してみると、この申立人の「GG」マークと類似する本件商標が、その指定商品に使用されるときは、当業者・需要者間に混同・誤認が惹起される可能性がある。

よって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号もしくは第11号に該当しないとしても、同法第4条第1項第15号に該当する蓋然性が高いものと考える。

(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

(5)詳細な理由

(ア)商標法第4条第1項第10号について

「GG」マークは、後ろの「G」を逆さまにして、前の「G」に接続したり、重ね合わせたりしているのが特徴で、例えば、甲第7号証の第193頁に表されたベルト金具(2種/上記“接続”と“重ね合わせ”)のように表現される。

ここで、本件商標を見ると、第1段目に表されていて、最初に耳目を引くロゴ体の図形が明らかに「G」を二つ並べたもので、しかも、後ろの「G」は、逆さまに配されている。ただ、「G」を描く際の「G」の内部の横棒を二つ繋げたようにして、図形的に一連の横棒として表したところに特徴があるが、詳細に感得すればともかく、一見しては、「GG」マーク、後ろの「G」を逆さまにして、前の「G」に繋げた、グッチのそれと同じ「GG」マークであると誤認されるおそれが多大にある。

本件商標は、3段書きされた態様よりなるが、実際の使用にあって、必ずしも、この態様のままで常に用いられるとは限らない。特に、「アクセサリー、時計」といった小さな商品にあっては、第1段目に挙げられたロゴ体の「GG」マークが幅広く自他商品識別標識として用いられる可能性は高いと考えられる。しかして、上述のように、本件商標は、グッチの「GG」マークと構成・態様が類似しており、一見すると視覚的に誤認される可能性が大であるので、本件商標は、申立人グッチの周知・著名な「GG」マークと外観上類似する。そして、申立人の係る商品群が「アクセサリー、時計」をはじめとするファッション・アイテムを幅広く含むものであることは、先の証拠のみに限らず顕著な事実でもあるから、申立人の「GG」マークは、当業界で周知・著名な商標であると信ずる次第である。

よって、本件商標は、その出願前から当業界で周知の申立人の「GG」マークと外観上類似するものとして、商標法第4条第1項第10号に該当するものであり、そもそも登録を認められるべきではなかったと信ずるものである。

(イ)商標法第4条第1項第11号について

申立人は、自己が我が国で登録した4件の登録商標を本件商標に対する引用商標として提出した。ちなみに、申立人の登録商標は、この他にも数多く存するが、いたずらに引例を山積みさせる必要もないと考え、本件商標の指定商品に係る分野で、最も端的に申立人の登録商標を表わすものに絞った。

これら申立人の商標は、2種類の「GG」マークを構成している。

甲第2号証及び甲第3号証を構成する「GG」マークは、「G」を厚みを持たせて表して前後を組み合わせたものであり、甲第4号証及び甲第5号証を構成する「GG」マークは、スマートに表された「G」を前後に繋いでいる。

甲第2号証及び甲第3号証の「GG」マークは、“「G」と「G」の繋がり”の部分や“「G」の厚み”が視覚的に本件商標の第1段目の図形商標(ロゴマーク)と近似している。

また、甲第4号証及び甲第5号証の「GG」マークは、“「G」と「G」”を重ね合わせた外周の視覚的感覚が本件商標のそれと近似している。

これら申立人の引用商標は、それぞれ現実に商品上にも使用されており(甲第6号証ないし甲第10号証参照)、周知・著名となっているものでもあるが、それをおいても、これら申立人の「GG」マークとして知られる図形商標は、それぞれ本件商標と外観上類似する。

しかして、本件商標の指定商品は、上記4件の引用商標の指定商品と明らかに抵触するから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

なお、申立人の商標は、グッチの「GG」マークとして認知され、甲第6号証の記事中でも言及されるように「ジージーマーク」等と呼称されてきた。

本件商標も「G」を重ねたものであることが一見して理解され、「ジージーマーク」等の称呼が発生するならば、申立人の上記引用商標と称呼においても近しくなる可能性があることを付言する。

(ウ)商標法第4条第1項第15号について

上記に述べたように、申立人の「GG」マークは、元々創始者グッチオ・グッチのイニシャルから発生し、後ろの「G」を逆さまにして前の「G」に接続するか又は重ね合わせるといったユニークな態様で、しかも、これらのマークを金具等にして商品に配するという1900年代の初めとしては、斬新な手法で有名になった申立人の「GG」マークは、我が国市場においても非常に人気の高いグッチの「ロゴ」として、周知・著名なブランドとなってきている。

これは、甲第6号証ないし甲第10号証でも明白に理解されるし、各種の女性雑誌、ブランド紹介誌、その他でも、グッチの商品は頻繁に取り上げられてきている。

本件商標は、上述したように、外観上申立人の上記の「GG」マークと近似し、後ろの「G」を逆さまにして繋いだ「GG」の構成態様が同一であるため、視覚的にもあの“グッチの「GG」だ”と誤解されやすい。

グッチブランドの著名性、また、グッチとともに育成され認知されてきた、この「GG」マークの周知・著名性を考えるとき、本件商標(特に、そのうちの第1段目に表された特徴的「GG」の図形商標)が「身辺装飾品、時計」等のファッジョン関係商品に用いられれば、申立人の業務に係る商品ではないかと誤認されるおそれが極めて高い。

特に、申立人の「GG」マークは、構成上の基本コンセプトを同じくしつつも時代の変化によって視覚的な態様を変化させてきているために、本件商標もこのような申立人の一群の「GG」マークの1つであり、申立人もしくは関連会社の商品ではないかと誤解される可能性も十分に考えられる。

よって、本件商標は、万が一、商標法第4条第1項第10号、同第11号に該当しないとしても、市場において、出所の混同を発生させるおそれが非常に高いので、同法第15号に該当することは明白であると確信する。

(6)むすび

以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号又は同第15号の規定に違反してなされたものであり、その登録は取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおり、黒塗横長長方形内の中央付近の上段において、ローマ字「G」とその天地を逆にした逆「G」とを双方の片側中央にある鈎状部において密着結合(結合部からなる屈曲線分の右端はやや上方に、左端はやや下方に傾斜している。)し、一個の独立した図形として白抜きで表示し、中段において、「GRIMOLDI」(「G」の文字部分には若干のデフォルメが施されている。)の欧文字を、また、下段において、イタリア国の都市名である「MILANO」の欧文字をそれぞれ白抜きで表示した構成よりなるものである。

これに対し、引用商標1及び2は、別掲(2)に示すとおり、籠文字風で、かつ、肉太に表示してなるローマ字「G」及びそのシンメトリーの「G」(鏡のように左右対称に表示されたもの。)の双方を半分ずつ重ねてモノグラムのように表示した構成よりなるものである。

また、引用商標3及び4は、別掲(3)に示すとおり、正円内に、90度左に傾けた欧文字「S」風の図形(該「S」字の中央付近は、上下とも釘の頭状に切り欠かれている。)を配した構成よりなるものである。

そこで、本件商標と、引用商標1及び2若しくは引用商標3及び4とを比較するに、各商標は、上記したとおりの構成よりなるから、外観構成及び印象において明らかな差異を有するだけでなく、一般人が通常の注意力をもってすれば、当該差異は、容易に認識し把握し得るものであり、互いに見誤るおそれはなく、各商標は、外観上判然と区別し得るものと認められる。

次に、本件商標は、その構成中の「GRIMOLDI」の欧文字に相応し、「グリモルディ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないとみるのが相当である。

なお、本件商標中の「MILANO」の欧文字部分は、イタリアの都市名であり、自他商品識別標識力を有しないというのが相当である。

これに対し、引用商標1及び2若しくは引用商標3及び4よりは、特段の称呼、観念も生じないというのが相当である。

仮に、申立人主張のように、引用商標中の引用商標1及び2が我が国の取引者、需要者間において広く認識され、「GG」マークの観念及び「ジージーマーク」の称呼を生ずるということができたとしても、本件商標から「ジージーマーク」の称呼及び「GG」マークの観念を生じない以上、本件商標と引用商標1及び2とは、外観のみならず称呼、観念において互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならず、他に、両者が類似すると判断すべき格別の理由は見当たらない。

一方、引用商標中の引用商標3及び4は、申立人提出の全証拠を見ても、これが申立人の「GG」マークとして我が国の取引者、需要者間において広く認識され、「GG」マークの観念を有し、かつ、「ジージーマーク」と称呼されていると認めるに足る証左は見出せず、本件商標と引用商標3及び4との場合もまた、外観のみならず、称呼、観念のいずれにおいても彼此相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。

(2)そして、たとえ、本件商標の優先日[2001(平成13)年9月25日]ないしは国際登録日[2001(平成13)年10月30日]時点において、申立人主張の「GG」マークという標章が申立人の業務に係る商品「アクセサリー、時計」等の商標として、取引者・需要者の間において広く認識されているということができたとしても、本件商標と引用商標は、上記のとおり、判然と区別し得る非類似の商標であり、ほかに両者を結び付けて見なければならない特段の理由もないから、時と所を異にして離隔的に観察した場合においても紛れるおそれのない別異の商標というべきものである。

してみると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、引用商標を連想又は想起するものとは認められず、その商品が申立人又はそれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれもないものといわなければならない。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえず、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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