Trademark Appeal Case
AEROFORMの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−10678(T2001−10678/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第12類「船舶並びにその部品及び付属品,航空機並びにその部品及び付属品,鉄道車両並びにその部品及び付属品,自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車並びにその部品及び付属品,自転車並びにその部品及び付属品,乳母車,車いす,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車,陸上の乗り物用の動力機械(その部品を除く。),陸上の乗り物用の機械要素,陸上の乗り物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報機,落下傘」を指定商品として、平成12年5月11日に登録出願され、その後、指定商品については、同13年5月18日付けの手続補正書により、「自動車並びにその部品及び付属品,二輪自動車並びにその部品及び付属品,自転車並びにその部品及び付属品,緩衝器,ばね,乗物用盗難警報器,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,落下傘,荷役用索道,カーダンパー,カープッシャー,カープラー,牽引車」と補正し、さらに、同年6月22日付けの手続補正書により、「自動車の部品及び付属品,二輪自動車の部品及び付属品,自転車の部品及び付属品,緩衝器,ばね,乗物用盗難警報器,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録商標は以下のとおりである。
(1)登録第580397号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第20類「自動車、自動車の部品および附属品、ただしタイヤ、チューブを除く」を指定商品として、昭和34年12月1日に登録出願、同36年9月15日に設定登録されたものであるが、指定商品については、第12類「自動車並びにその部品及び付属品(タイヤ,チューブを除く。)」とする書換の登録が平成14年11月13日にされたものである。
(2)登録第2275801号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DOLPHIN」の文字を横書きしてなり、第12類「船舶、航空機(ロケツトを除く)鉄道車輌、自動車、自転車、人力車、荷車、馬車、リヤカー、手押し車、うば車、そり、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和62年10月29日に登録出願、平成2年10月31日に設定登録されたものであるが、指定商品については、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」とする書換の登録が平成13年2月14日にされたものである。
(3)登録第2518220号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品(但し、ロケット、タイヤ・チューブ、修繕用ゴム貼付片、気体クッション式輸送機械器具を除く)」を指定商品として、平成1年12月12日に登録出願、同5年3月31日に設定登録されたものであるが、指定商品については、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」とする書換の登録が平成15年7月30日にされたものである。
(4)登録第3184918号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械器具」を指定商品として、平成5年3月2日に登録出願、同8年8月30日に設定登録されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「イルカ」を意味する英語として親しまれている「DOLPHIN」の文字と、「空気、空中」等を意味する英語の連結形である「AERO−」の文字及び「・・形[状]の、・・様式の」を意味する英語の接尾辞である「−FORM」とを結合した「AEROFORM」の文字とを一連に書したものと認められるところ、その構成全体をもって特定の意味合いを生じさせるものではないから、これらを常に不可分一体のものとして把握すべき事情は見出せない。のみならず、本願商標中の「AEROFORM」の文字部分は、「自動車、二輪自動車等の乗物」との関係では、「空気力学造形」を意味する「エアロフォルム(原語は仏語aeroforme)」を極めて容易に認識させるところ、本願の指定商品の分野においては、「エアロフォルム」の語は商品の品質、形状を表示する語として普通に使用されているものであるから、自他商品の識別力が極めて弱い部分であるというべきである。
そうとすれば、本願商標をその指定商品中「自動車、二輪自動車等の乗物」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、本願商標中の「DOLPHIN」の文字部分に着目し、これより生ずる「ドルフィン」(イルカ)の称呼及び観念をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、「ドルフィン」(イルカ)の称呼、観念を生ずること明らかな各引用商標と該称呼及び観念を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似と認められるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲(1)のとおり、「DOLPHIN」の文字と「AEROFORM」の文字とを、わずかな間隔をもって横書きしてなるものである。そして、本願商標を構成する文字は全体として15文字よりなり冗長といえるものであり、また、これより生ずると認められる「ドルフィンエアロフォルム」又は「ドルフィンエアロフォーム」の称呼は、10音と冗長にわたるものである。
そして、本願商標の構成中、前半部分に位置する「DOLPHIN」の文字部分は、「海豚(いるか)」を意味する英単語として、我が国の国民の間に広く親しまれているものであり、また、同じく後半部に位置する「AEROFORM」の文字部分は、「各種交通機械、特に自動車で空気力学的な形態のこと。空気に逆らわない形、流線形。」(「例文で読むカタカナ語の辞典〈第3版〉」株式会社小学館、1998年11月1日発行)を意味するものであり、「エアロフォルム」の語が上記意味をもって自動車等に使用されていることは、例えば、1991年9月11日付け日本工業新聞(9頁)に「コンセプトカー『トヨタAXV− 』は、空力を考慮したエアロフォルム。」との記載より明らかである。さらに、「自動車で空気抵抗を減らしたり、気流による車体の浮き上がり(リフト)を抑えたりして、性能や操縦安定を高めるための、空気力学的付加物」を「エアロパーツ」と称している実情にあり、該「エアロパーツ」には、バンバー、スポイラー、ドアミラーなどがあり、バンバーについては、「エアロフォルムバンバー」と称している事実がある(例えば、「新編自動車用語和英辞典」社団法人自動車技術会、2001年5月23日第2版第1刷発行や1996年4月11日付け産経新聞(東京朝刊13頁)など。)。
上記本願の指定商品における「AEROFORM(エアロフォルム)」の語が使用されている実情からすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、その需要者は、本願商標中の「AEROFORM」の文字部分を「空気力学特性を考慮した商品」の意味合いをもって、商品の品質を表した部分、すなわち、自他商品の識別機能を有しない部分と理解し、我が国において馴染みのある前半部分の「DOLPHIN」の文字部分を捉えて、これより生ずる「ドルフィン」の称呼のみをもって商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の「DOLPHIN」の文字部分より単に「ドルフィン」の称呼及び「海豚(いるか)」の観念をも生ずるものといわなければならない。
なお、請求人は、本願商標より生ずる称呼は、「ドルフィナエロフォーム」のみである旨主張するが、前記認定のとおり、本願商標は、その構成中の「DOLPHIN」の文字部分が「海豚(いるか)」を意味する英単語としてよく知られているばかりでなく、同じく「AEROFORM」の文字部分が自動車、二輪自動車等交通機械及びその部品、附属品について、空気力学に基づいた形状を表すものとして普通に使用されている実情からすれば、「DOLPHIN」と「AEROFORM」の2語を結合したものと理解されるものであり、かつ、「AEROFORM」がその指定商品との関係で自他商品の識別機能を果たし得ない部分であるから、「DOLPHIN」の文字部分より「ドルフィン」の称呼をも生ずるものというべきである。したがって、上記請求人の主張は採用することができない。
(2)引用商標について
引用商標1及び2は、それぞれ別掲(2)及び前記のとおり、「DOLPHIN」の文字を書してなるものであるから、これより「ドルフィン」の称呼及び「海豚(いるか)」の観念を生ずるものである。
引用商標3及び4は、それぞれ別掲(3)及び(4)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の「SuperDolphin」の文字部分は、他の構成要素と切り離してそれ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。そして、該「SuperDolphin」は、全体として親しまれた観念を生ずるものではなく、また、そのうちの「Super」の文字部分は、商品の品質が優れていることを表示するためのものとして、商取引の実際において普通に使用されているものであるから、「SuperDolphin」中の要部は、「Dolphin」の文字部分にあるというのが相当である。
そうすると、引用商標3及び4は、その構成中の「Dolphin」の文字より単に「ドルフィン」の称呼及び「海豚(いるか)」の観念をも生ずるものといわなければならない(引用商標3及び4より「ドルフィン」の称呼が生ずることについては、請求人は争うところがない。)。
(3)本願商標と各引用商標との対比
以上(1)及び(2)によれば、本願商標と各引用商標とは、「ドルフィン」の称呼及び「海豚(いるか)」の観念を同一にする類似の商標であって、本願商標は、各引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
(4)むすび
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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