結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成3年審判第17770号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1583753号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙(1)に示すとおり「プリンチペ」の文字よりなり、昭和48年2月20日に登録出願され、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、昭和58年4月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
本件商標の登録は、その指定商品中「和服、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服、帽子、ナイトキャップ、ずきん、ヘルメット、すげがさ、頭から冠る防虫網、布製身回品、寝具類」について、これを取り消す、審判の費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品中「和服、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服、帽子、ナイトキャップ、ずきん、ヘルメット、すげがさ、頭から冠る防虫網、布製身回品、寝具類」について継続して3年以上、我国において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用されていないことが判明した。よって本件商標の登録は、商標法(平成8年法律第68号による改正前のもの。以下同じ。)第50条第1項の規定により、指定商品中「和服、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服、帽子、ナイトキャップ、ずきん、ヘルメット、すげがさ、頭から冠る防虫網、布製身回品、寝具類」について取消すべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、答弁書において、本件審判請求の棄却を求め、その理由として、本件商標の連合商標(登録第2108864号商標、別紙(2))及び本件商標の取消を求めた指定商品への被請求人による使用を主張し、その証拠として、乙第1号証ないし乙第13号証を提出した。
しかしながら、乙第1号証ないし乙第6号証は、株式会社エトアールマルゼンの売上伝票であり、被請求人の売上伝票ではない。
また、乙第1号証ないし乙第5号証の右上部の標章は、株式会社エトアールマルゼンの商号の直上に表示されており、商標として使用されているものでなく、営業主体の表示として使用されている。
また、乙第6号証に示されたタグは、標章を使用した主体を全く表示していない。
そもそも、乙第1号証ないし乙第5号証に表示された商品及び乙第6号証の商品は、取消を求めた指定商品に該当しない。
更に、本件商標の連合商標は欧文字「PRINCIPE」を横一列に配してなるものであるが、乙第1号証ないし乙第6号証に表示された標章は当該連合商標と同一の態様でない。
即ち、乙第1号証ないし乙第6号証は、本件商標の連合商標の取消を求めた指定商品への使用を示すものでなく、また、被請求人による本件商標の連合商標の使用を示すものでもない。
乙第7号証ないし第12号証は、被請求人目ら主張する如く、また乙第10号証ないし乙第12号証の示す如く、乙第13号証に表示された標章の使用を示すものとして提出されたものである。
本件商標は、片仮名「プリンチペ」を横一列に配してなるものであって、乙第13号証に表示された標章と同一でない。従って、乙第7号証ないし乙第13号証は、そもそも本件商標の使用を示すものではない。
加えて、乙第7号証ないし乙第12号証は、乙第13号証に表示された標章の使用の主体を示すものでない。
従って、乙第7号証ないし乙第13号証は、本件商標の被請求人による使用を一切示していない。
よって、被請求人の主張は、証拠の裏付けを欠くから、失当である。
従って、本件商標が取消を求めた指定商品に使用されていないことは明白であるから、本件商標は取消を求めた指定商品につき、その登録を取消すべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第23号証を提出した。
(1)請求人は、本件商標は、商標権者、専用権者および通常使用権者のいずれによっても使用されていないことが判明したから、その登録を取り消されるべきである旨述べている。
しかし、被請求人は、請求人の請求の理由には根拠が存在しないと信ずるので、以下にその理由を述べる。
すなわち、請求人は、請求の理由の中で、「本件商標は、商標権者、専用権者および通常使用権者のいずれによっても使用されていないことが判明した」というが、「判明した」と言う以上は、相当程度調査した結果言えることであって、本当に調査をしたのであれば、非請求人が使用している事実が、業界の者であれば容易に発見できたはずである。
被請求人は、別紙添付のとおり、パンツ、ワイシャツ、カット、コート、スカーフ、カーデガン、セーター、ムートンなど種々のものに、本件審判請求以前から永年使用しているものである。
(2)請求人は、被請求人の提出せる乙第1号証〜乙第6号証は、株式会社エトアールマルゼンの売上伝票であり、被請求人の売上伝票ではない旨主張する。
しかし、株式会社エトアールマルゼンは被請求人の本件商標の通常使用権者であるから、その点なんら問題はないものである(乙第14号証)。
(3)請求人は、乙第1号証〜乙第5号証は、株式会社エトアールマルゼンの商号の直上に表示されており、商標として使用されているものではなく、営業主体の表示として使用されている旨主張する。
しかし、これらの証拠資料は、商標法第2条第1項第7号で規定する「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当するものであるから、りっぱに商標としての使用と言うべきである。
仮に、それが、営業主体の表示として使用されている面があるとしても、そのことをもって商標としての使用事実を否定することはできないものである。
換言すれば、前記各証拠資料においては、本件商標が営業表示としての使用と商標としての使用の二面的使用があると判断されるものである。
また、請求人は、乙第6号証に表示されたタッグが商標を使用した主体を全く表示していない旨主張する。
しかし、乙第6号証は、乙第1号証〜乙第5号証との関係で考察するとき、その主体が株式会社エトアールマルゼンであることは容易に察知できるところである。
さらに、請求人は、乙第1号証〜乙第6号証に表示された商標は、連合商標「PRINCIPE」と同一でないというも、商標審査基準を見ても、文字が同一であれば、書体の変更は、登録商標の使用と認定してなんら差支えないと見なされているものである。いわゆる社会通念上登録商標の使用と目される範疇に属するものである。
このことは、乙第7号証〜乙第13号証についても同様に、本件商標と同一の使用として差支えないものである。
なお、被請求人は、本件商標がその指定商品に使用されている事実を立証するため、さらに証拠資料を追補する(乙第15号証〜乙第21号証)。
すなわち、これらの証拠資料中には、請求の趣旨の中に存在する布製身回品に属する「バスタオル、チーフ、ハンカチ帽子」などが含まれており、それらの商品について本件商標が使用されていることが証明されるものである。
加うるに、請求人は、平成1年6月1日付けで株式会社エトワールマルゼンと本件商標使用許諾書(AGREEMENT)(乙第14号証)を取り交わして以来、つぎつぎと被請求人の「プリンチペ」「PRINCIPE」商品販売店舗を設立しているものである。現在18店舗存在する(乙第22号証)。
また、乙第23号証は、被請求人の使用権者である株式会社エトアールマルゼンが15番目の店舗として平成3年3月3日開店したプリンチペ福岡店で配布してきたチラシである。
このように、被請求人は、その指定商品中「バスタオル、チーフ、ハンカチ、キャップ、帽子」などに、本件審判請求公告前から使用しているものであるから、本件商標登録の取消を求める本件審判請求は成り立たないものである。
被請求人の提出に係る乙第14号証によれば、本件商標の使用に係る株式会社エトアールマルゼンは、被請求人の通常使用権者と認められるものである。
そして、同会社は本件審判の請求の登録前3年以内に取消し請求に係る指定商品中、以下の商品について本件商標を使用していたことが認められる。
すなわち、乙第15号証により「チーフ,キャップ」について、
乙第16号証により「ハンドタオル」について、
乙第18号証により「チーフ,バスタオル」について、
乙第19号証により「バスタオル,チーフ」について、本件商標と社会通念上同一のものと認定し得る「プリンチペ」または本件商標と連合商標であった「PRINCIPE」の商標を使用していたものと認められるものである。
なお請求人は、本件商標と連合商標の関係にある「PRINCIPE」の商標は、株式会社エトアールマルゼンの商号の直上に表示されており、さらに連合商標と同一の態様で使用されているものではなく、営業主体の表示として使用されているものである旨主張する。
しかしながら、これについては、商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為と認められるものであり、また、使用に係る商標も、本件商標と社会通念上同一と認定し得るものであるから、この点に関する請求人の主張は採用しがたい。
したがって、本件審判請求の登録前3年以内に被請求人(商標権者)が、日本国内において請求に係る指定商品「和服、溶接マスク、防毒マスク、防じんマスク、防火被服、帽子、ナイトキャップ、ずきん、ヘルメット、すげがさ、頭から冠る防虫網、布製身回品、寝具類」に含まれている商品「バスタオル、ハンドタオル、チーフ、キャップ」について、本件商標と社会通念上同一と認定し得る商標を使用していたことが認められる。
以上のとおりであるから、本件商標の指定商品中、請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
なお、請求人は平成7年2月10付け上申書において、本件商標については被請求人との間で商標権の買取りにつき交渉中である旨述べているが、相当期間経過後も回答がないので、これを待たずに審決した。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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