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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第1662号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1633655号商標の指定商品中「被服」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1633655号商標(以下、「本件商標」という。)は、「PENFIELD」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和55年6月24日に登録出願、同58年11月25日に設定登録され、その後、平成6年1月28日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は継続して3年以上、商標権者及び使用権者のいずれも日本国内において、その指定商品中「被服」について、使用していないから、その登録は取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証乃至同第18号証(枝番を含む。)を提出した。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由として、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において取消請求に係る商品「被服」について使用していると述べ、証拠方法として乙第1号証乃至同第10号証(枝番を含む。)を提出した。

4 当審の判断

(1)本件審判請求事件についてした平成9年9月26日付けの審決は、その結論を「本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」とし、その理由の要旨を、被請求人の提出に係る乙第1号証乃至乙第7号証が信憑性のないものであるからといって、乙第8号証も同様であるとする何らの証左もないから、乙第8号証(ORDER SHEET〈注文書〉、COMMERCIAL INVOICE〈送り状〉、PACKING LIST〈梱包リスト〉、輸入許可通知書、売上伝票等の写し)を総合勘案すれば、本件審判請求の登録(平成5年3月16日)前3年以内で、かつ、本件商標の前権利者から被請求人に譲渡(平成4年6月18日譲渡)された後に、被請求人が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件取消請求に係る「被服」に属する「ナイロンワッシャーズモズコート」を韓国より輸入し販売していた事実が認められるから、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことができない、とするものであった。

(2)本件につき東京高等裁判所は、平成11年7月15日に言い渡した本件判決において、原告(請求人)及び被告(被請求人)の提出した証拠により概略次のとおり認定し、被告(被請求人)が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用していたことの証明はないにもかかわらず、審決は、これがあると誤認した違法があるところ、その誤りは審決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるとして、本件の審決を取り消した。

ア 被告(被請求人)が平成2年3月5日、同月7日及び同月21日にペンフィールドトレーナーを顧客に納品した事実を証明するとして提出した上記日付のある納品書(控)(審決の乙第4号証)の様式は、平成4年12月中頃ないし平成5年1月末頃にトッパン・ムーア株式会社によって製造されたものであることが認められる。そして、本件審判の請求の予告登録日が平成5年3月16日であることからみれば、上記各納品書は、同日以降に本件審判ないし本訴に使用する目的で、現実の取引に基づかずに日付を遡らせて作成されたものであることが推認される。

イ 被告(被請求人)は、本件商標を付した商品を輸入販売したとして、輸入関係書類等を提出するので、その信用性について検討するに、本件商標は、もとカキウチが商標権者であったところ、被告(被請求人)が平成4年5月に商標権移転の要望をし、平成4年6月18日譲渡を原因として同年8月11日受付、同年10月12日登録により被告(被請求人)が譲渡を受けたものであることが認められる。そうすると、乙第5号証は平成3年4月から8月まで、乙第6号証は同年4月から5月まで、乙第9号証は平成2年12月から平成3年1月まで、乙第10号証は平成3年5月から7月までの各日付のある書面であるから、上記の各時期に被告(被請求人)が本件商標を使用していたとすると、それはカキウチの使用許諾に基づくものでなければならない。ところが、その使用許諾書等これを認めるに足りる証拠はない。したがって、被告(被請求人)が、乙第5、第6、第9、第10号証に係る取引によって本件商標を使用していたことは、その時期からみて疑わしいといわざるを得ない。

ウ 乙第8号証の2、3は、「PENFIELD」又は「FENFIELD」と「NO NAME」の2つのブランドのものが各1000枚づつである旨記載されているが、そのスタイルナンバーはどちらも「9201009」である。そして、その売上伝票とされる乙第8号証の6ないし9には、本件商標の記載はなく、2つのブランドが区別されないまま「9201009」の番号と共に1034枚の売上が記載されている。そうすると、上記1034枚の中には、「PENFIELD」又は「FENFIELD」と「NO NAME」の2種類が混在していることになるが、このような処理をしたのでは、被告(被請求人)においても両者の区別がつかないと思われる。

また、乙第8号証は写しであるが、その一連の取引が終了した日付は、平成4年9月ないし10月であるところ、被告(被請求人)が本件審判において答弁書を提出したのは平成5年11月、乙第8号証を提出したのは平成6年5月であることが認められるから、被告(被請求人)は、遅くとも平成6年5月には、乙第8号証の重要性を認識していたものと認められる。ところで、本件審判において書証を提出できたということは、その時点、すなわち平成6年5月には原本は存在していたものと解される。このように被告(被請求人)は、上記時点以降には乙第8号証の重要性を理解していたはずであるのに、審判継続中にその原本を紛失ないし過失により廃棄したというのは不自然である。

エ 以上の事実に、乙第4号証、乙第5号証の1、3、4、乙第9、第10号証の各1、乙第7号証の1ないし3の各作成過程を考慮すると、写しである乙第8号証の1ないし3をもって、直ちにこれらの原本に当初から「PENFIELD」の記載が存在したものと認めることはできないものといわざるを得ない。

そうすると、前記輸入関係書類等(乙第5ないし第10号証)をもって、被告(被請求人)が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用していたことの証左とすることはできない。

オ 被告(被請求人)は、甲第30号証によって、本件審判の請求の登録日よりも前の日に本件商標を使用した旨主張するけれども、上記書証は、商標登録済通知書であって、本件商標の指定商品について使用したものと認めることはできない。

(3)上記判決は、平成11年7月30日確定したことを確認し得たところ、その後、被請求人は、当審において、平成11年8月30日付け「上申書」で「本件取消審判の請求の登録前である1993年(平成5年)3月3日〜3月6日にかけて、商品の販売促進ならびに商談のための商品展示会を催し(乙第9号証)、訪れた顧客に対し『’93 SUMMER COLLECTION』というカタログを配布した事実がある。このカタログには商品番号9307012として本件商標が付されたTシャツが表示されており(乙第10号証)、また、実際に同展示会会場において、このTシャツが展示されていた。これらの事実は、本件取消審判の請求の登録前3年以内に本件商標が使用されていたことを示すものである。」と述べ、これらの主張を立証するものとして、同日付け「証拠申出書」「書証提出書」及び平成11年9月8日付け「証拠申出書」を提出した。

そこで、乙第9号証及び同第10号証をみるに、乙第9号証は、平成5年3月3日から6日にかけて、商品展示会を催すための案内状の写しといえるところ、すべて英語で表現されているものである。また、乙第10号証は、被請求人がカタログといっている「’93 SUMMER COLLECTION」と題する印刷物の写しであるところ、これもまた、すべて英語で表現されているものである。

そして、乙第9号証の案内状は展示会の開催期間中に訪問してもらうため、あらかじめ顧客に対し送付するものといえるものであり、また、乙第10号証は、訪れた顧客に対し渡す印刷物といえるところ、該乙号証の前記内容からして外国人相手の展示会とみるのが自然である。ところで、被請求人は、上記の主張を立証するため、証人尋問を申し出ているが、証人2名は、ともに日本人と認められるところ、展示会は日本人相手のものとみることは困難であるにもかかわらず、このような証人を申請するのは甚だ不自然である。さらに、乙第10号証を精査するに、金額、枚数等手書きで書き込んだ部分が記載されており通常の商品カタログといえるものではなく、商品企画書程度のものと判断せざるを得ず、しかも、そこには本件商標とは異なるいろいろな商標が付された各種の商品が表示されているところ、それら商品に付された商標は被請求人の所有に係るものとはいえないものであり、唯一被請求人の所有に係る本件商標と社会通念上同一といえる「Penfield」と付されたTシャツが表示された部分がある乙第10号証における表示をもって、本件商標が正当に使用されたとみるのは困難であるというべきである。

その上、判決でも指摘している如く、重要な書証であるべき乙第9号証及び同第10号証を原本でなく写しを提出していること、該乙号証を印刷した印刷業者の納品書、請求書等の取引書類を提出していないこと、また、展示会が行われたとする平成5年3月3日から6日は、本件審判の請求の登録日(予告登録日、平成5年3月16日)より、わずか10日〜13日前の日であること、該乙号証は、先の審判段階あるいは高裁の訴訟段階で十分提出可能であったにもかかわらず、判決確定後に提出していること等を併せ考えると、乙第9号証及び同第10号証は、本件商標が正当に使用されたことを客観的に立証する書証としては信憑性に欠けるものであるといわざるを得ない。

そして、被請求人に対して、本件商標を使用していることを証明するための機会はすでに十分与えているといわなければならない。

してみれば、乙第9号証及び同第10号証を含む乙各号証をもって被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において取消請求に係る指定商品「被服」について、本件商標を使用していたと認めることはできないものである。

また、被請求人の申し出ている証人尋問については、前記理由よりして、その証言により本件商標に関する具体的事実を客観的に立証し得るとみるのは困難というべきであるから、これを行わない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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