Trademark Appeal Case
品質表示と記号の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−7656(T2002−7656/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「VIOLET UK」の欧文字(標準文字)を表してなり、第33類「洋酒,果実酒」を指定商品として、2000年11月22日に登録出願し、指定商品については、平成13年12月21日付け手続補正書により、第33類「すみれを模した香料及び色素を含まないシャンパン」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は『VIOLET UK』の文字を書してなるところ、構成中の『VIOLET』の文字部分は指定商品との関係では『すみれで香りづけされたリキュール』(株式会社柴田書店 発行 新版 世界の酒事典 参照)をいうものと認められ、また、『UK』の文字部分は一般に商品の符号、記号として使用されるローマ文字の2字と認められるから、これを本願指定商品中上記商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前項1に述べたとおり「VIOLET UK」の欧文字(標準文字)を表してなるものであるが、その構成は「VIOLET」と「UK」の文字部分の間に一文字分のスペースを有していることから、「VIOLET」の欧文字と「UK」に分離した構成のものと認識されるものである。そして、前半の「VIOLET」の文字部分は、酒 新・食品事典12(1992年7月20日発行 株式会社真珠書院)「バイオレット(violet)」の項によれば、「紫色のスミレの色と香りをもつリキュール。」の記載や、新版 世界の酒事典(1982年5月20日発行 株式会社柴田書店)「バイオレット(Violet)」の項によれば、「すみれで香りづけされたリキュール」の記載がある。インターネット情報によれば、「ワインえとせとら」<歓びのシャパーニュ>として「<甘口辛口はどうしてできるの?>コルクを打つ前に少量のリキュールを加えます。その糖度により辛口からBrut、Sec、Demiーsec、Deuxの順になります。」(http://www3.justnet.ne.jp/~budoukun/wineetosetora.htm)の記載がある。
これらの事実からすると、シャンパーニュ(フランス、シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒)を製造する際、リキュールが用いられている実情が認められる。
また、後半の「UK」の文字部分は商品の品番、種類等を表示するための記号、符号として使用されるアルファベット2文字であることから、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないと判断するのが相当である。
これらの事実からするに「VIOLET」の欧文字は、本願指定商品を取り扱う業界においては「すみれで香りづけされたリキュール」であることを容易に認識させるというのが相当であり、本願指定商品が、「すみれを模した香料及び色素を含まないシャンパン」に補正されたとしても、「シャンパン(シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒)」と「リキュール」は、共に「洋酒」に含まれる商品で販売部門を共通にする密接な関係にあること、更に、シャンパン(シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒)を製造するに当たり、リキュールが用いられている実情等からすれば、「すみれで香りづけされたリキュールを用いたシャンパン(シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒)」であることを認識させるものと認められる。
そして、後半の「UK」の文字部分が商品の品番、種類等を表示するための記号、符号として使用されるアルファベット2文字と認識され得ることから、本願商標を、その指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は「アルファベット2文字(UK)の商品記号、符号に係るすみれで香りづけされたリキュールを用いたシャンパン(シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒)」を表示したものと理解するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であり、かつ、上記品質の商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について、誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、本願指定商品中「シャンパン」の表示は、例えば「シャンパーニュ地方産の発泡性ぶどう酒」の記載が適切であるが、本願商標は、その構成態様において上記認定のとおりであるから、新たな拒絶理由通知をすることなく判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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