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Trademark Appeal Case

映画題名の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−21665(T2003−21665/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「セレンディピティ」の文字と「SERENDIPITY」の文字とを二段に書してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年11月22日に登録出願されたものである。

そして、その指定役務については、同15年12月4日付け手続補正書により「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、平成14年11月より全国ロードショー公開され広く知られた映画のタイトルである『セレンディピティ』『SERENDIPITY』の文字を上下二段に書してなるにすぎないものであるから、これを本願の指定役務中、前記に照応する役務、例えば『電子出版物の提供,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,放送番組の制作,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与』等に使用するときは、『前記映画を内容とする映画の上映、興行の企画又は運営』等であることを認識するに止まり、単に役務の質、内容を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、それを構成する「SERENDIPITY」の文字が、「ものをうまく発見する能力,幸運な発見,掘り出し物」等の意味を有する英語であり、「セレンディピティ」の文字が該語の読みを片仮名で表記したものと認められる。

また、「SERENDIPITY」は2001年ピーター・チェルソム監督による米国映画作品の題名であって、同作品は原審説示のとおり我が国において平成14年11月から同題名で全国ロードショー公開されたものである。

しかして、「SERENDIPITY」の語は、「セレンディップの三王子」を読んだ英国人作家ウォルスポールが造語した言葉と知られ、辞書に掲載されている一般的な語であるばかりでなく、上記映画の我が国における劇場公開期間が特別長期に渡ったものではないことを勘案するならば、本願商標に接する取引者、需要者は、直ちにこれを映画の題名、すなわち役務の質、内容を表示するものとしてのみ認識する程に該映画が広く知られているとまでは認めることができない。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、単に役務の質、内容を表示するにとどまるものとはいえず、自他役務の識別標識としての機能を十分果し得るものであり、また、役務の質について誤認をずるおそれがある商標ということもできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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