結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成9年審判第13667号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3123932号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり「SOTHEBY’S」の文字よりなり、第16類「紙類,印刷物,書画,写真立て,文房具類(「昆虫採集用具」を除く)」を指定商品として平成4年11月26日に登録出願され、平成8年2月29日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を、その指定商品「紙類,書画,写真立て,文房具類(『昆虫採集用具』を除く)」について無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第8号証を提出している。
(1)本件商標は、その出願にあたって、甲第3号証の出願書類に示される通り、願書の出願人の業務の欄に「洋紙小売業,パンフレット出版業,額縁卸売業,写真立て卸売業,文房具類卸売業」と出願人の業務を記載しているが、「パンフレット出版業」を除き、出願人はこれらの業務を行っていない。
出願人は甲第4号証の朝日新聞社発行「知恵蔵」(1994年版)及び甲第5号証の出願人のグループの日本法人株式会社サザビーズジャパンの案内カタログに示されるように、競売(オークション)を業とするものである。
従って、請求人の知る限り、出願人は日本において本件商標の指定商品「紙類,書画,写真立て,文房具類」の販売を行っていない。又、出願人のグループ企業、株式会社ザザビーズジャパンにおいても然りである。同社は甲第6号証の登記簿謄本に示すように上記した商品の販売を目的とされてはいない。
それゆえ、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」の要件を欠くものであり(甲第7号証、商標審査基準)、本件商標はその指定商品中、「紙類,書画,写真立て,文房具類(『昆虫採集用具』を除く)」についてその登録は無効とされるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は答弁書において、本件商標の指定商品にはその取扱い商品である「絵画」が含まれ、かつ、業務としても「額縁卸売業」と記載されていること、及び本件商標の登録査定時には本件商標の使用の意思を有していたことを主張する。しかし、商標法第3条第1項柱書きの自己の業務とは、出願に係る指定商品に関する自己の業務であって、出願人が現に行っているものでなければならない。
被請求人の業務は競売(オークション)の運営であって、それ自体一品一品が価値を有する特定物の競り売りの運営なのであり、願書に記載したような業務は行なっていないのである。
また、商品について使用するものでなければ商標ではないから、商標として登録を受けることが出来ないのは当然である。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証を提出した。
請求人は、「被請求人は、本件商標を出願する際に願書に記載した業務を行なっていない。被請求人の商業登記簿謄本及びカタログによれば、被請求人は競売(オークション)を業とするものであるから、本件商標に含まれている指定商品の販売は行なっていない。」と述べる。
しかしながら、請求人の上記主張は失当であるので下記のとおり答弁を行なうものである。
本件商標の指定商品にはその取扱い商品である「絵画」が含まれ、かつ、業務としても「額縁卸売業」と記載されている。請求人が甲第5号証として提出している被請求人の案内カタログに「古典巨匠絵画、19世紀ヨーロッパ絵画、英国絵画、アメリカ絵画、ラテンアメリカ絵画、印象派・近代絵画、日本画、近代洋画(日本人作家)、浮世絵」等が被請求人の取扱い商品であることが明記されているとおりである。
また、被請求人は本件商標を使用する意思を有していたからこそ本件商標の出願を行なったものであり、登録査定時においてもその意思には何ら変更はない。請求人が提出した証拠のみでは被請求人が本件商標を使用する意思がなかったことを主張し、立証するのは失当である。
請求人は被請求人の会社は「オークション」を業とするものであって、日本において本件商標の指定商品の販売を行なっていないから無効とされるべきと主張しているが、これも失当である。
即ち、商標法第3条第1項柱書きの「使用」とは、願書に記載された指定商品について出願に係る商標の使用(使用する意思)であって、指定商品の販売(使用)ではない。請求人の主張では、本件商標に含まれている指定商品の販売を行なっていれば、あたかも本件商標を使用していなくとも使用する意思があったと認められることになってしまう。
仮に、請求人の意図するところが本件商標が付された指定商品の販売を行なっていないから使用する意思が認められないとするのであれば、この主張は本件無効審判を請求する理由としては誤りであると考える。
何故ならば、使用若しくは使用する意思は登録査定時にあれば良いのであるから、自ら商標を使用する意思の有無と商品の販売とは直接的に関連するものではない。このように、自ら商標を使用する意思とは、登録を受けるための商標権の発生要件であっても商標権の存続要件ではない。
以上のように、被請求人は本件商標の登録査定時に本件商標の使用の意思を有していたことは事実であるから、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。
そこで、本件商標が商標法第3条第1項柱書きの規定に違反して登録されたものであるかどうかについて検討する。
請求人は、本件商標は出願時において、願書の出願人の業務の欄に「洋紙小売業,パンフレット出版業,額縁卸売業,写真たて卸売業,文房具類卸売業」と出願人の業務を記載しているが、「パンフレット出版業」を除き、出願人はこれらの業務を行っていないと述べている。
そして、その証拠として、甲第4号証の朝日新聞社発行「知恵蔵」(1994年版)及び甲第5号証の出願人のグループ企業の日本法人「株式会社サザビーズ・ジャパン」の案内カタログの記載を示している。
しかしながら、被請求人の主要な業務が、甲第4号証に明らかなように「美術品の競売(オークション)」であるとしても、甲第4号証及び同第5号証により、被請求人がこれ以外の業務を本件商標の登録査定時に行っていなかったものと認めることはできない。
また、甲第6号証に示す「株式会社サザビーズジャパン」の登記簿謄本の「目的」の項の記載によって、直ちに、本件商標の登録時において、被請求人が、本件商標の願書に記載の前記業務を行っていなかったと認めることはできない。
その他請求人は、本件商標は被請求人が本件商標の登録査定時に同人の業務に係る商品について使用をする商標でないとするに足りる証拠を明示していない。
そうすると、本件商標は、被請求人が自己の業務に係る商品について使用をするものでなかったとはいえないから、本件商標が、商標法第3条第1項柱書きの規定に違反して登録されたものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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