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Trademark Appeal Case

商標使用意思の要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第13669号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3271152号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおり「SOTHEBY’S」の文字よりなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の針箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製の靴飾り,貴金属製喫煙用具,宝玉の原石,時計」を指定商品として平成5年12月1日に登録出願され、平成9年3月12日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出している。

本件商標は、その出願にあたって、甲第3号証の出願書類に示される通り、願書の出願人の業務の欄に「銅地金卸売業,ガラス器小売業,こしょう入れ小売業,花器小売業,裁縫用品小売業,貴金属製宝石箱小売業,貴金属製ろうそく立て小売業,かばん小売業,靴附属品小売業,化粧道具小売業,喫煙具専門小売業,宝石小売業,カフスボタン小売業,粘土卸売業,時計小売業,記念カップ小売業」と出願人の業務を記載しているが、出願人はこれらの業務を行っていない。

出願人は甲第4号証の登記簿謄本及び甲第5号証の案内カタログに示されるように、競売(オークション)を業とするものである。

従って、請求人の知る限り、出願人は日本において本件商標の指定商品の販売は行っていない。

それゆえ、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」の要件を欠くものであり(甲第6号証、商標審査基準)、本件商標はその登録を無効とするべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は答弁書において、本件商標の指定商品にはその取扱い商品である「宝石の原石、時計」が含まれ、かつ、業務としても「宝石小売業、時計小売業」と記載されていること、及び本件商標の登録査定時には本件商標の使用の意思を有していたことを主張する。しかし、商標法第3条第1項柱書きの自己の業務とは、出願に係る指定商品に関する自己の業務であって、出願人が現に行っているものでなければならない。

被請求人の業務は競売(オークション)の運営であって、本件商標の出願時に記載した業務は虚偽であるといわざるを得ない。

また、被請求人は、本件商標の使用の意思があったと主張するが、本件商標の出願時はもとより、登録査定時においても、現に指定商品に係る業務を行っていないし、使用をする意思を示す事業計画書の提出もないから、これは言い訳にすぎない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証を提出した。

請求人は、「被請求人は、本件商標を出願する際に願書に記載した業務を行なっていない。被請求人の商業登記簿謄本及びカタログによれば、被請求人は競売(オークション)を業とするものであるから、本件商標に含まれている指定商品の販売は行なっていない。」と述べる。

しかしながら、請求人の上記主張は失当であるので下記のとおり答弁を行なうものである。

本件商標の指定商品にはその取扱い商品である「宝玉の原石、時計」が含まれ、かつ、業務としても「宝石小売業、時計小売業」と記載されている。請求人が甲第5号証として提出している被請求人の案内カタログに「宝石、時計」等が被請求人の取扱い商品であることが明記されているとおりである。

また、被請求人は本件商標を使用する意思を有していたからこそ本件商標の出願を行なったものであり、登録査定時においてもその意思には何ら変更はない。請求人が提出した証拠のみでは被請求人が本件商標を使用する意思がなかったことを主張し、立証するのは失当である。

請求人は被請求人の会社は「オークション」を業とするものであって、日本において本件商標の指定商品の販売を行なっていないから無効とされるべきと主張しているが、これも失当である。

即ち、商標法第3条第1項柱書きの「使用」とは、願書に記載された指定商品について出願に係る商標の使用(使用する意思)であって、指定商品の販売(使用)ではない。請求人の主張では、本件商標に含まれている指定商品の販売を行なっていれば、あたかも本件商標を使用していなくとも使用する意思があったと認められることになってしまう。

仮に、請求人の意図するところが本件商標が付された指定商品の販売を行なっていないから使用する意思が認められないとするのであれば、この主張は本件無効審判を請求する理由としては誤りであると考える。

何故ならば、使用若しくは使用する意思は登録査定時にあれば良いのであるから、自ら商標を使用する意思の有無と商品の販売とは直接的に関連するものではない。このように、自ら商標を使用する意思とは、登録を受けるための商標権の発生要件であっても商標権の存続要件ではない。

以上のように、被請求人は本件商標の登録査定時に本件商標の使用の意思を有していたことは事実であるから、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。

4 当審の判断

そこで、本件商標が商標法第3条第1項柱書きの規定に違反して登録されたものであるかどうかについて検討する。

請求人は、本件商標は出願時において、願書の出願人の業務の欄に「銅地金卸売業,ガラス器小売業,こしょう入れ小売業,花器小売業,裁縫用品小売業,貴金属製宝石箱小売業,貴金属製ろうそく立て小売業,かばん小売業,靴附属品小売業,化粧道具小売業,喫煙具専門小売業,宝石小売業,カフスボタン小売業,粘土卸売業,時計小売業,記念カップ小売業」と出願人の業務を記載しているが、出願人はこれらの業務を行っていないと述べ、さらにその記載は虚偽のものであると述べている。

そして、その証拠として、甲第4号証の被請求人の登記簿謄本及び甲第5号証の被請求人の案内カタログの記載を示している。

しかしながら、被請求人の主要な業務が、甲第4号証に明らかなように「美術品の競売(オークション)」であると認めることができても、同号証の目的の項には「5.前各号に付帯する一切の業務」とあり、願書に記載した業務を行っていないもの又は虚偽であるとまで認めることはできない。

また、甲第5号証「サザビーズのご案内」によっても、これにより被請求人の主要な業務がオークションであることは認められても、これをもって直ちに本件商標の登録査定時において、被請求人が、本件商標の願書記載の前記業務を行っていなかったと認めることはできない。

その他請求人は、本件商標は被請求人が本件商標の登録査定時に同人の業務に係る商品について使用をする商標でないとするに足る証拠を明示していない。

そうすると、本件商標は、被請求人が自己の業務に係る商品について使用をするものでなかったとはいえないから、本件商標が、商標法第3条第1項柱書きの規定に違反して登録されたものということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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