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Trademark Appeal Case

周知商標と商品類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第15160号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件登録第3319794(以下、「本件商標」という。)は、「ラセール」の片仮名文字と「LASSERRE」の欧文字を上下二段に書してなり、第30類「菓子、パン、穀物の加工品、ビザ、サンドイッチ、べんとう、すし、ミートパイ」を指定商品として、平成7年2月27日に登録出願され、平成9年6月6日に登録されたものである。

2.請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証乃至同5号証を提出した。

(1)本件商標「ラセール/LASSERRE」はフランスを代表するファッション・ブランドであり、請求人はそのブランドの日本国内の代理人の立場にある。

「LASSERRE」ブランドは「LOUIS LASSERRE」(ルイ・ラセール)氏より、70年代にフランスに創立され、フランス雑誌等で大々的に宣伝されてきた。

工場はフランス南部トゥーモーズ市にあり、その商品はフランス国内はもとより、ベルギーやイギリス等幅広くヨーロッパに売られ、そしてアメリカもニューヨークに直営店がある(甲第1号証参照)。

(2)請求人は同ブランドの国内代理人となり、国内ファッション・メーカーと共同でライセンス商品化事業を行い、日本国内で大量に商品を販売しその商標を有名にしてきた。「甲第2号証乃至甲第4号証参照」

(3)請求人は「LASSERRE(ラセール)」「LOUIS LASSERRE(ルイ・ラセール)」商標を他の商標分類で登録をしている(甲第5号証参照)。

▲1▼ 旧17類 louis lasserre (登録第2561847号)

▲2▼ 旧17類 LOUIS LASSERRRE(登録第2686845号)

▲3▼ 旧20類 1asserre (登録第2515435号)

▲4▼ 旧20類 L/lasserre (登録第2595070号)

▲5▼ 旧21類 lasserre (登録第2547405号)

▲6▼ 旧21類 L/lasserre (登録第2570567号)

▲7▼ 旧22類 lasserre (登録第2715883号)

▲8▼ 旧22類 L/lasserre (登録第2716579号)

▲9▼ 旧23類 lasserre (登録第2718333号)

▲10▼ 旧24類 LOUIS LASSERRRE(登録第2107305号)

▲11▼ 旧26類 lasserre (登録第2668196号)

▲12▼ 旧27類 lasserre (登録第2127755号)

▲13▼ 新16類 L/lasserre (登録第3157204号)

▲14▼ 新25類 LOUIS LASSERRRE(登録第3306868号)

▲15▼ 新25類 LASSERRRE (登録第3227083号)

▲16▼ 新25類 lasserre (登録第3242857号)

▲17▼ 新25類 L/lasserre (登録第3181684号)

3.被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証(枝番を含む)を提出した。

(1)請求人引用の「LASSERRE(ラセール)」の周知性について

請求人が該商標の周知・著名性を立証するために提出している甲第1号証からは、掲載誌名・掲載日・掲載回数等、大々的に行ったという宣伝活動の内容が全く不明であり、その周知性が少しも明らかになっていない。また甲第2号証乃至甲第4号証においても、日本国内において大量に商品を販売しているとあるが、商品の販売開始年月日、販売商品の種類はもとより、販売先・販売額・販売量が全く不明であり、日本においてどのように有名であるか明らかでなく、これらの資料からでは請求人引用の「LASSERRE(ラセール)」が日本はおろかフランスにおいても周知であるか否か確認することができない。

(2)使用商品の類似性について

本件商標の指定商品は、第30類:菓子、パン、穀物の加工品、すし、ビザ、べんとう、ミートパイ、サンドイッチ、ラビオリであり、請求人が所有する商標(甲第5号証による)とは全く類似しないものである。

他人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあるか否かの判断は、商標の知名度の外に商品との関係において生産者、販売者、取扱系統、原材料及び用途などからみて、同一企業からでたものとして取引者・需要者が認識するか否か、また、その企業が今後取り扱う可能性がある商品であるか等の点からみて客観的に検討しなければならないものである。このような観点から検討しても本件商標と請求人の商標とは、それぞれ明らかに類似しない商品での使用であり、いずれをとっても競合するところがないものである。また、甲第3号証「LOUIS LASSERRE商品製造計画」からも明らかなように、今後、請求人並びにフランスのLOUIS LASSERRE社に第30類:菓子、パン、穀物の加工品、すし、ビザ、べんとう、ミートパイ、サンドイッチ、ラビオリ等の商品を取り扱う計画はなく、将来においても混同を生ずる可能性は考えられない。

(3)過去の出願状況について

被請求人は、過去に本件商標と同一の商標を所有していたのであるが、商標権の更新を失念したため、本件商標を再出願したものである(乙第1号証ー1及び2)。このことから、右商標が登録された昭和60年から現在にいたるまでに出所の混同を生じた事実はない。

以上のことから、請求人の引用する標章「LASSERRE」は、取引者・需要者において周知な商標ということはできず、また、本件商標をその指定商品に使用した場合においても、何等その商品が請求人の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認を生じさせるおそれはないものである。

4 当審の判断

(1)本件審判に関し、当事者間に利害関係について争いがないので本案に入って判断する。

本件審判請求書には、無効の理由が明記されていないが、請求書の全趣旨より、本件商標が商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであることを理由とするものとして審理する。

請求人の提出した甲第1号証はフランスの「LASSERRE」ブランドの資料、同第2号証は請求人宛「LASSERRE」からのライセンス委任状、同第3号証は請求人の「LASSERRE」ブランド国内展開資料、同第4号証は「LASSERRE」ブランド国内商品写真及び同第5号証は請求人所有の「LASSERRE」商標の公報、原簿であるところ、甲第2号証乃至同第4号証によれば、LOUIS LASSERRE(ルイ・ラセール)氏は、フランスのデザイナーとして、また「LASSERRE」マークの所有者として、日本における同人のマークの展開の仕事を請求人に委託したこと、そして、請求人はブランド名としての「LOUIS LASSERRE」の文字についてのバリエーションを定め、国内ファッション・メーカーと共同でライセンス商品化事業を行っていることが一応認められるものである。

しかして、甲第1号証によれば、フランスにおいて、スーツ、パンツ等の被服について標章「lasserre」が商標として使用されていることを一応窺われるとしても、これをもって「lasserre」がフランスで有名なファッション・ブランドに至っているとは認め難いものであり、また、甲第4号証によれば、国内において、ネクタイ、紳士靴、カバン等について標章「lasserre」が商標として使用されていることが一応認められるとしても、具体的にその使用開始時期、使用期間、使用地域、販売数量及び広告期間等を把握することができないものであるから、これら甲1号証及び同第4号証によっては、「LASSERRE」が日本国内において著名な商標として取引者、需要者間に広く認識されているものと認めるに足りないというのが相当である。

(2)次に、甲第5号証をみるに、これは請求人の所有する各登録商標であるが、本件商標の指定商品と請求人の所有する各登録商標の指定商品とは、その生産者、販売者、取引系統、用途等を異にするものであって、かつ、甲第3号証に添付された企画書からみても、請求人が本件商標の指定商品を取り扱う計画を窺わせる具体的な記載もないところである。

してみれば、本件商標はこれをその指定商品に使用しても、請求人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれはないものと認められる。

(3)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。そして、請求人は被請求人の答弁に対して何等の弁駁もないものであるから、本件商標は商標法第46条第1項の規定によりその登録を無効とするこははできない。

よって結論のとおり審決する。

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