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Trademark Appeal Case

じかばりの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成8年審判第20526号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙(1)に表示したとおり、「じかばり」のひらがな文字を横書きしてなり、第11類「あんか,かいろ,かいろ灰,化学物質を充填した保温保冷具,湯たんぽ」を指定商品として、平成5年11月19日に登録出願、その後、平成9年2月20日付けの手続補正書をもって、指定商品を「かいろ,化学物質の酸化作用を利用してなる発熱具,その他の化学物質を充填した保温具」に補正したものである。

2 原査定の理由

原査定の拒絶理由は、下記のとおりである。

この商標登録出願に係る商標は、「直接、貼る」の意を容易に認識させる「じかばり」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。

しかして、近年、冷蔵庫等で冷やして直接体に貼ることのできる保冷具などが販売されている実情にあるところから、これを本願指定商品中、特に上記の保冷具、保温具、化学物質の酸化反応を利用してなる発熱具(いわゆる使い捨てカイロ)等に使用しても、単に商品の品質、使用方法を表示するにすぎない。

したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、「じかばり」のひらがな文字を横書きしてなるところ、この文字からは、「じかに貼る」、「直接、貼る」の意が容易に理解認識されるものと認められる。

請求人は、本願商標を構成する「じかばり」の文字について、その「じか」は、ひらがな文字であるから、容易に「直接」又は「じかに」の意味合いを直感するものでないとか、辞書類には「ばり」という「貼る」を意味する語は見あたらないとか主張する。しかし、「じか(直)」は、「直接」を意味する語として知られているし、本願商標中の「ばり」は、「はり(貼り)」が連濁により「ばり」となったものであって、「じかばり」の文字からは前記認定のとおり「じかに貼る」、「直接、貼る」の意が容易に理解認識されるものであり、この点の請求人の主張は根拠がなく、採用することができない。

また、請求人は、「じかばり」が辞書、用語辞典等で普通一般の成語として使用されている文字でなく、請求人以外では「じかばり」の文字を使用している業者は皆無である旨主張するが、それが事実としても、「じかばり」の文字から前記の意が理解認識されることを否定できない。

また、本願商標は、補正した指定商品について使用し盛大に宣伝活動を行った結果、商標法第3条第2項の規定にも該当する商標である旨、請求人は主張し、証拠を提出している。

そこで、提出された第15証ないし第59号証、第71号証ないし第75号証をみると、請求人は、自己の商品「温熱用具」の包装箱に「直貼」の文字を大きく表記し、また、前記商品を宣伝するポスターや陳列用具などに「直貼」の文字を表記している事実、近時においては、前記「直貼」の文字に「じかばり」の文字を付記している事実が認められる。そしてまた、前記商品について、新聞、雑誌、テレビ放送による宣伝広告が相当の規模で行われた事実が認められる。しかしながら、前記商品の包装箱には、自他商品の識別標識として十分に機能する「サロンシップ」の文字からなる商標が「直貼」、「じかばり」の文字以外に表記されている。そして、前記商品の宣伝広告に際しても、「サロンシップ」の文字を伴わないで「直貼」、「じかばり」の文字のみを宣伝ポスターや陳列用具などに表記している例はほとんどなく、新聞、雑誌、テレビ放送による宣伝広告においても「直貼」、「じかばり」のみでなく「サロンシップ」の商標をも合わせて宣伝しているものと認められる。

また、前記商品「温熱用具」は、肌にじかに貼るタイプの温熱を発生して患部の痛みを和らげる用具であり、「直接貼って40度以上で温める」、「患部を直に温める」などの宣伝文を伴ってこの商品を宣伝広告している例も認められる。

そうしてみると、請求人が商品「温熱用具」について「直貼」、「じかばり」の文字を表記使用し、この商品について盛大に宣伝活動をした事実を考慮しても、需要者は、この「直貼」、「じかばり」の文字を「直接、貼る」、「じかに貼る」の意であって、この商品の使用の方法(広い意味で商品の品質)を表したものと理解し、この文字のみではいまだに何人かの業務に係る商品であるかを認識できるに至っておらず、むしろ、伴っている商標「サロンシップ」を自他商品識別標識として認識しているものと認めるのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の規定に該当する商標である旨の請求人の主張は、採用できない。

ところで、提出の第70号証によると、請求人は、別紙(2)に表示したとおりの構成の商標を第11類「あんか,かいろ,かいろ灰,化学物質を充填した保温保冷具,湯たんぽ」を指定商品として商標登録(商標登録第4000028号)している事実、第74号証及び第75号証によると、請求人に係る商品「温熱用具」の包装箱に商標登録第4000028号に係る商標を表示するとともに「『直貼』は、久光製薬の商標です。」の文字を表記している事実、第76号証によると女性雑誌に請求人に係る前記商品「温熱用具」が「直貼」の名称で紹介されている事実が、それぞれ認められる。しかしながら、これらの事実を合わせ考えても、前記認定のとおり、いまだに、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識できるに至っているものと認めることはできない。

そして、本願商標は、「じかに貼る」、「直接、貼る」の意を理解認識させる「じかばり」の文字からなるため、これをその指定商品中の「化学物質の酸化作用を利用してなる発熱具,その他の化学物質を充填した保温具」のうち、肌などに直接貼る夕イプのものに使用するときは、その商品の使用の方法を表す文字として需要者に理解され、自他商品識別標識としての機能を有しない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するとの理由により、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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