Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−18833(T2002−18833/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類及び第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年11月2日に登録出願、その後、指定商品については、同13年8月23日付け手続補正書により、第29類「アガリクス茸を主原料とした液状・粉末状・顆粒状・ペースト状・錠剤状・タブレット状又はカプセル状の加工食品」に減縮補正されたものである。
2 引用商標
原査定において引用した登録第4193743号商標(以下「引用商標」という。)は、「レイブX」の文字を書してなり、平成8年12月2日に登録出願、第29類「ハーブを主たる原材料とする固形状の加工食料品」を指定商品として、同10年10月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「reve」(1番目の「e」の文字にはアクサン−シルコンフレックスが付されている。以下同じ。)の欧文字を書してなるものであり、この綴字記号よりしても、これは、フランス語で「夢」等を意味する文字(語)であって、「レーヴ」と発音されるものであることが、「アポロ仏和辞典 第三版」(株式会社角川書店 1995年11月20日発行)の該文字(語)の項の記述より認められる。
ところで、欧文字のみで表された商標を称呼する場合、それが成語として我が国において広く親しまれている等、読みが特定され得る場合は除き、一般に親しまれているローマ字風又は英語風の読みをもって称呼される場合が多くあることから、本願商標も、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)が主張するように、これを英語風に読んだ「レヴ」の称呼が生ずることは否定するものではない。
しかしながら、前記のとおり、本願商標「reve」の1番目の「e」には、英語にはない、フランス語の綴字記号アクサン−シルコンフレックスが付されていることから、まず第一番目に英語風に発音されるということは考え難く、むしろ、最近における、様々な商品名や店舗名等に、フランス語、スペイン語、イタリア語等が採択、使用されている実情よりすると、本願商標は、フランス語の発音にならった読みをもって称呼され、取引きに資されるというのが、取引きの経験則に照らして相当といえるから、本願商標は、該フランス語風読みをもって「レーヴ」、又は、語尾音を「ヴ」の音に極めて近似する「ブ」の音に替えて、「レーブ」の称呼をもって取引きにあたる場合も少なくないものといえる。
そうすると、本願商標より「レーヴ」又は「レーブ」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は前記のとおり、「レイブX」の文字を書してなるところ、これは、片仮名文字と欧文字1文字を組み合わせたものと容易に認識されるものであり、構成文字全体をもって、特定の意味合いが生ずるものとも認められないものであって、他に常にこれを一体のものとしてみなければならない特段の事情も見出せないものである。
そして、該構成中「X」の文字部分は、本願商標及び引用商標の指定商品である、いわゆる「健康食品」を取り扱う業界において、各事業者が自己の製造、販売に係る製品について、その製品管理又は取引きの便宜性から、欧文字の1文字ないし2文字が、商品の品番、型番を表す記号、符号として類型的に使用されていることから、そのような記号等を表したものと認識、理解されるものというのが相当である。そうすると、引用商標の構成中、自他商品識別標識としての機能を果たす部分は、「レイブ」の文字にあるといえるから、引用商標は、該文字部分より単に「レイブ」の称呼をも生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「レーブ」の称呼と、引用商標より生ずる「レイブ」の称呼とを比較すると、両者はいずれも3音構成よりなり、第2音において「レ」に続く長音「ー」と、同じく「レ」に続く「イ」の音に差異を有するほかは、全ての音を共通にするものである。
そして、差異音である「イ」(i)の音は、請求人が述べるように、単音では比較的明瞭に発音される音であるが、引用商標の称呼における音構成にあっては、前音「レ」(re)の音に続くことによって、その母音「e」と二重母音「ei」を構成する関係上、前音の母音に帯同されて、長音のように発音されるから、明瞭に聴取され難い音となるといえるものである。
そうすると、引用商標より生ずる「レイブ」の称呼は、1音ずつ区切られて発音されるというより、むしろ、「レーブ」のごとく発音され、聴取されるといえるから、該称呼と、本願商標より生ずる「レーブ」の称呼とをそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が似たものとなり、互いに聞き誤るおそれのある、類似の商標であるといわざるを得ないものである。
また、本願商標は、フランス語の「夢」の観念を生ずるものであるが、我が国においては、直ちにその意味を理解、認識できるほど親しまれているものとはいえないものであり、引用商標は、特定の観念を生じない造語であるから、両者は観念においては比較することができず、観念の違いをもって両商標を区別し得るほど明瞭な差異を有するものとはいえない。
してみれば、本願商標と引用商標は、その外観及び観念について考慮したとしても、前記のとおり、称呼上類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似する商品である。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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