結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2003−35465(T2003−35465/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4658516号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成よりなり、平成14年5月31日に登録出願、第7類「荷役機械器具,半導体製造装置」を指定商品として、平成15年4月4日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4149042号商標(以下「引用商標」という。)は、「KARDEX SHUTTLE」の文字を横書きしてなり、平成8年10月18日に登録出願、第7類「電動式物品保管装置及びその物品運搬車その他の荷役機械器具,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用のものを除く。),交流発電機,直流発電機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、平成10年5月22日に設定登録されたものある。
請求人は、本件商標の登録は指定商品中「荷役機械器具」について無効とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7証を提出した。
(1)本件商標と引用商標とを比較すると、両者の構成は、前者が、「SEL」と「SHUTTLE」の語間をハイフンをもって区切っており、「セルシャトル」の片仮名文字もローマ字に比して、極めて小さく書しているばかりでなく、これを必ずしも一連にのみ把握しなければならないとする格別の事情も存しないものであるから、「SEL」と「SHUTTLE」の2語より成るものと容易に理解され、したがって、後半に顕著に表されている「SHUTTLE」の文字部分も、自他商品の識別標識としての機能を発揮する重要な部分(商標の要部)といわなければならない。
してみれば、本件商標からは、該「SHUTTLE」の文字部分に相応して、単に「シャトル」のみの称呼及び観念を生ずるものであるというを相当とするところである。
そして、後者は、「KARDEX」と「SHUTTLE」の語間に間隔を有していることから、これが、「KARDEX」と「SHUTTLE」の2語より成るものであると、容易に理解し、把握されるものであるばかりでなく、必ずしも、常に2語を一連にのみ観念しなければならないとする格別の事情もなく、全体としての称呼も、冗長にわたるものであるから、「SHUTTLE」のローマ字部分が、自他商品の識別標識としての一要部であるといわなければならず、したがって、引用商標からは、該「SHUTTLE」の文字部分に相応して、単に「シャトル」のみの称呼及び観念を生ずるものであるというを相当とするところである。
(2)請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、本件事案と判断の軌を一にする審決例等を挙げて、請求人は、これを自己の主張理由に有利に援用する(甲第5号証ないし甲第7号証)。
(3)本件商標及び引用商標ともに、それぞれが、常に一体不可分のものとして、認識されるべき特段の事由を見出し難いものであるばかりでなく、両者の全体としての称呼も、それぞれ冗長にわたるものであるから、簡易迅速を旨とする商取引の実際においては、印象に強く残る、一般に親しまれている、「SHUTTLE」(シャトル)の文字部分のみをとらえて、これより生ずる「シャトル」の称呼及び観念をもって、取引に当たる場合も決して少なくないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、「シャトル」の称呼及び観念において、同一のものであり、かつ、本件商標の指定商品中、「荷役機械器具」については、引用商標中に包含されているものであるから、結局、本件商標は、その指定商品中、「荷役機械器具」について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づいて、その登録は、指定商品中「荷役機械器具」について、無効とされるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第34証を提出した。
(1)本件商標は以下に述べる理由により引用商標とは非類似の商標であって、無効とされるべき理由は何ら存在しない。
本件商標と引用商標を比較するに、両商標は外観上においては類似とすべき要素は認められず、明らかに区別できるものである。次に、称呼、観念について比較するに、本件商標は、全体としてまとまりよく表してなるものであり、これより生ずる「セルシャトル」の称呼が冗長のものとはいえず、一連によどみなく称呼し得るものであって、これを請求人の主張するように「SEL」と「SHUTTLE」に分離して、わざわざ後半部より生ずる「シャトル」の称呼のみをもって称呼しなければならない程の特段の事情は存在せず、本件商標からは「セルシャトル」の称呼のみを生ずる一体不可分の造語商標であるとするのが妥当なものといわざるを得ない。
他方、引用商標は「KARDEX SHUTTLE」の文字よりなるものであって、これからは「カーデックスシャトル」若しくは「カルデックスシャトル」の称呼を生ずるものと認められる。しかしながら、請求人の主張するように構成上「KARDEX」と「SHUTTLE」の2語よりなるものであっても、全体より生ずる称呼が格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼でき、後半部分の「SHUTTLE」のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情も存在せず、引用商標からは「カーデックスシャトル」若しくは「カルデックスシャトル」の一連の称呼を生ずる一体不可分の造語商標と認められる。
(2)ちなみに、本件商標と指定商品が抵触する登録商標において、「SHUTTLE」商標及び「○○○シャトル」「○○○SHUTTLE」よりなる商標が本件商標及び引用商標を含めて多数併存登録されている事実が認められる(乙第3号証ないし乙第34号証)。
そうとすれば、本件商標より生ずる「セルシャトル」の称呼と引用商標より生ずる「カーデックスシャトル」若しくは「カルデックスシャトル」の称呼とはそれぞれの構成中の後半部において「シャトル」の称呼部分を共通にするとしても、それぞれより生ずる一連一体の自然称呼において、明らかに識別できる差異を有するものであり、共に、造語商標と認められ、本件商標と引用商標は称呼、観念においても区別でき非類似の商標である。
(3)したがって、本件商標と引用商標は外観、称呼、観念のいずれにおいても区別できる非類似の商標である。
(4)よって、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号の規定に基づいて、指定商品中「荷役機械器具」について無効とされるべきであるとの理由は妥当なものではない。
本件商標は、別掲に示したとおりの構成よりなるところ、その構成中の「SEL−SHUTTLE」と表した部分は、その「H」の文字が多少図案化され縦にやや長く表されていることはあっても、それぞれ2個ある「S」、「E」、「L」、「T」の文字の形が同じであり、全体として構成文字に統一性があるものといえる。また、その下部に比較的小さく表されている「セルシャトル」の文字は、前記「SEL−SHUTTLE」の称呼を表す文字として理解されるものである。そして、本件商標は、「セルシャトル」と全体が称呼されるものといえるところ、この称呼は格別冗長というべきものでもなく、よどみなく一連に称呼できるものである。
そうしてみると、本件商標は、その「SEL」と「SHUTTLE」の文字の間にハイフンが表されており、「SEL」と「SHUTTLE」の部分からなるといえるものではあるが、この両部分を結合して一連一体とした一種の造語商標として取引者、需要者に理解、認識されるものというのが相当であるから、特段の理由がない限り、その「SHUTTLE」の文字部分が主要な識別標識としてみられることはないというべきであり、また、本件商標は、「セルシャトル」とのみ称呼され、単なる「シャトル」の称呼は生じないものと認められる。
一方、引用商標は、「KARDEX SHUTTLE」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は同じ書体、同じ大きさの文字をもって一体的に表されているものであって、その「KARDEX」と「SHUTTLE」の文字の間にわずかな間隔はあるが、その構成文字全体が自然に一連一体に看取されるから、特段の理由がない限り、その「SHUTTLE」の文字部分が主要な識別標識としてみられることはないというべきである。また、引用商標全体から生じると認められる「カルデックスシャトル」の称呼も格別冗長というべきものではないから、引用商標は「カルデックスシャトル」と称呼され、単なる「シャトル」の称呼は生じないものというのが相当である。
そして、「シャトル」(shuttle、SHUTTLE)は、「(織機の)ひ」、「近距離を往復して運行する交通機関」などを意味する語であって造語ではなく、また、請求人は、「SHUTTLE」が周知又は著名な商標である等の主張(立証)をするものでもないから、本件商標及び引用商標中の「SHUTTLE」の文字部分が主要な識別標識としてみられるとすべき特段の理由はないものと認められる。
そうしてみると、本件商標と引用商標とは、いずれも単なる「シャトル」の称呼は生じない商標であり、その外観も明らかに異なるものである。また、観念においては比較すべきもないものであるから、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛らわしいとすべきところのないものであって、非類似の商標といわなければならない。
なお、請求人が引用する審決例は、いずれも本件とは商標の構成態様及び指定商品・指定役務を異にし本件に適切なものとはいえず、これによって上記判断を左右するものとはいえない。
したがって、本件商標は、請求に係る指定商品「荷役機械器具」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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