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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第15973号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2172862号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙に示すとおりの構成よりなるものであり、昭和62年8月25日に登録出願され、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年9月29日に設定登録され、その後同11年5月6日に商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

本件商標の登録は取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。

(1)請求人が調査した結果、本件商標は商標権者により少なくとも過去3年以内に日本国でその指定商品には使用されていないことが判明した。従って、本件商標は取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、本件商標を日本国内で3年以内に実際に使用したと主張しているが、全て外国の写真や営業カタログを羅列しているにすぎず、その証拠の具体性がない。

被請求人の添付書類「乙第5号証の1」の「有限会社ズジョー」の店舗の写真についても、日本国内のものかどうか判明できない。もしそうであったとしても写真撮影用に特別に設定したことも考えられる。

そもそも「商標使用証明」には小売店への長年の「納品伝票」「請求伝票」「売上伝票」「販売証明書」等が提出されるのが普通であるが、それらの全てが存在せず架空の使用証明の疑いがある。

その結果、本件商標の実際の使用を証明したことにはならない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第13号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものではないから、その理由を以下に述べる。

(イ)被請求人が乙第5号証ないし同第11号証として示す、写真中のセーター、ジャンパー等の下札等及びパンフレット中に表示された「Marc O’Polo」の欧文字の商標は社会通念上本件商標と同一の商標と認められる商標(以下「登録商標」という)であることはいうまでもない。

(ロ)そして、本件商標の通常使用権者である在東京都目黒区自由が丘2−8−3の「有限会社 ズジョー(代表者「吾妻明」)」(乙第4号証の2)が自己の店舗のショーウインドーに1996年12月には登録商標を附した「セーター」「ジャンパー」及び「靴下」を販売する目的で展示していたことを乙第5号証の1ないし同号証の5により立証する。

しかして、乙第5号証として示した写真は商標権者「マルコポーロ アクチェボラグ」の業務に関する日本国における代表者で、例えば乙第12号証として示す1996年1月の「日本の取引(小売)市場調査報告書」(「The Japanese Retail Market」と題するリポート)の作成者でもある東京都品川区東五反田5−17−1に在住の「リサ リンド氏」(Ms LISA LIND)の1996年12月末の撮影に係るものであり、「リサ リンド氏」が商標権者の日本国における代表者であることは乙第2号証及び同第3号証によって明らかである。

したがって、登録商標が国内において1996年以降、本件審判請求の日前3月の間に通常使用権者「有限会社ズジョー」によりその指定商品中の商品、少なくともセーター、ジャンパー、靴下について使用されたことは明らかであるといわざるを得ない。

(ハ)また、上記のリサ リンド氏」が商標権者の業務にかかる商品「ジャケット」等の被服の販路拡張のため国内において、少なくとも1996年以降に乙第6号証ないし同第11号証として示すパンフレット(カタログ)を展示或いは頒布したことは同各号証(ジャケット等についての1995年版及び1996年版パンフレット)によって明らかである。このことによっても、登録商標が国内において1996年以降、商標権者によって、本件審判請求の日前3月」の間にその指定商品中、少なくとも「ジャケット」について使用されたことは明らかであるといわざるをえない。

以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものではない。

(2)弁駁に対する答弁

請求人の弁駁に鑑み、乙第13号証を提出する。

本証は、東京都目黒区自由が丘2−8−3有限会社ズジョーの代表取締役社長たる「我妻 明」氏が乙第5号証の1ないし同号証の5の写真の展示物が実際に、1996年より1998年の間に数回に亘り展示されたことの証明である。

4 当審の判断

被請求人の提出した乙第5号証の1ないし同号証の5によれば、本件商標と同一といえる「MarcO’Polo」の文字の入ったタグあるいはえりネームを付した「ジャンパー,セーター,くつ下」が展示されたことが認められ、乙第13号証によれば、この展示は本件審判の請求前3年以内にあたる1996年より1998年の間に、在東京都目黒区自由が丘2−8−3有限会社ズジョー(代表者我妻 明)によって、同社の店頭で行われたものと認められる。

この点について、請求人は「被請求人の添付書類『乙第5号証の1』の『有限会社ズジョー』の店舗の写真については、日本国内のものかどうか判明できない。もしそうであったとしても写真撮影用に特別に設定したことも考えられる。」と主張する。

しかしながら、これについては前記乙第13号証(在東京都目黒区自由が丘2−8−3有限会社ズジヨー(代表者我妻 明)の証明書により、実際に商品の展示を行ったことが証明されているものであるから、この点の請求人の主張は採用しがたい。なお、被請求人は平成10年6月24日付け答弁書において、代表者「吾妻 明」と記載しているが、乙第14号証において「我妻 明」として代表者印を押していることから、「吾妻」は「我妻」の誤記と認められるものである。

つぎに請求人は、「そもそも『商標使用証明』には小売店への長年の『納品伝票』『請求伝票』『売上伝票』『販売証明書』等が提出されるのが普通であるが、それらの全てが存在せず架空の使用証明の疑いがある。」と主張する。

しかしながら、商標の使用は、商標法第2条第3項第2号により、商品に標章を付したものを譲渡若しくは引き渡しのために展示する行為をもいうのであるところ、本件商標の使用は前記のとおり、乙第5号証の1ないし同号証の5及び乙第13号証により商品に商標を付したものを譲渡若しくは引き渡しのために展示する行為にあたるものであるから、請求人のこの主張も採用しがたい。

したがって、本件商標は、本件審判の請求前3年以内に、本件商標の通常使用権者と認められる者によって、本件商標と社会通念上同一と認定し得る商標を、その指定商品中の商品について使用をしていたことが認められるから、本件商標についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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