Trademark Appeal Case
シリコン・グラスの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−17211(T2000−17211/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標登録出願
本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を、「シリコン」の片仮名文字と「グラス」の片仮名文字とを「・(中点)」を介して結合して、「シリコン・グラス」とし(標準文字による)、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)その他の電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成11年7月22日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品(特に半導体素子・電子回路など)の製造において材料として使用される『シリコン』『グラス』の各文字を『・』で連結し、普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の原材料・品質を表示するにすぎず、商標法3条1項3号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本願商標の構成は、前記したものであるところ、「シリコン」及び「グラス(「ガラス」と同義語(広辞苑))」の両語について、本願指定商品中「液晶ディスプレイ」との関係においてみるに以下の事実が認められる。
1 インターネットのウエブサイト(http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200210/02-044/)によれば、「プレスリリース 目次 < 報道資料 >」(2002年10月3日)として「 ソニー株式会社は、低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレイの表示に必要な周辺回路を全て液晶基板内に組み込んだ、3.8型の"システムオングラス"液晶ディスプレイを開発しました。この技術により、モバイル機器に搭載する液晶ディスプレイのさらなる小型化や高精細化、低消費電力化が可能となりました。」とあり、さらに「低温ポリシリコンTFT(低温多結晶シリコン薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイは、ガラス基板上に形成したポリシリコンTFTによって液晶を駆動する表示デバイスで、デジタルカメラや携帯情報端末など、主にモバイル機器に採用されています。」との表示がされていること。
2 インターネットのウエブサイト(http://www.labs.fujitsu.com/jp/News/1999/Dec/8-2.html)によれば、平成11年12月8日付で株式会社富士通研究所による「ポリシリコンTFTがサブミクロンシリコントランジスタと同等の移動度を実現可能なことを実証」との表示に次いで「アモルファスSiに対して飛躍的に優れた性能を示すTFTが、レーザ結晶化で得られます。その技術を用いてガラスの上に回路機能を集積し、システム(シリコン オン グラス(*5)とすることを目的に、研究が進められています。」との表示がされ、【用語解説】5)として「シリコン オン グラス 高性能な低温ポリSi技術を利用して、低価格のガラス基板上に液晶デスプレイとその駆動用回路のみならず、プロセッサ機能、センシング機能、メモリ機能等も同時に形成した高付加価値システムのことです。」との表示がされていること。
3 「高画質液晶の製造装置を新開発−−三菱電機とアルバック」との見出しのもと「三菱電機と薄型画面製造装置メーカー大手のアルバックは26日、高画質の低温ポリシリコン液晶を量産するレーザー装置を新開発したと発表した。.........新開発したのは、ガラス基板上でシリコンを再結晶する工程で使う装置。部品がすべて固体のため扱いが簡単という。」との新聞報道がされていること(毎日新聞2003年8月27日付大阪版朝刊8頁)。
4 「インタビュー/シャープ・片山幹雄モバイル液晶事業本部長『システム液晶量産』との見出しのもと「まず、システム液晶というのはどういう液晶ですか。」「その中核技術は連続粒界結晶(CG)シリコン。CGシリコン技術によって、ガラス基板上に液晶ディスプレー、液晶ドライバーIC、コントローラーなどの機能部品を一体形成できる。液晶の表示も従来のアモルファスシリコンより高精細になる。モバイル機器の小型・薄型化につながる」との新聞報道がされていること(日刊工業新聞2002年11月25日付9頁)。
5 「ディスプレーにCPU 世界初、組み込み成功−−シャープ」との見出しのもと「ガラス自体は電気を通さないため、従来の技術ではCPUを動かすことが難しかったが、ガラス基板上に特殊な薄いシリコンを張り付けて通電させCPUを駆動させた。まず、携帯電話や携帯端末など小型画面の製品を開発する計画で、05年にもカード並みの超薄型のモバイル機器が登場しそうだ。05年度に3000億円の売り上げを目標としている。」との新聞報道がされていること(毎日新聞2002年10月23日付東京版朝刊8頁)。
6 「世界初、曲げられるディスプレーを開発−−東芝」との見出しのもと「東芝は21日、世界で初めて薄型で曲げることが出来る『低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレー』=写真=を開発したと発表した。.........東芝はガラス基板上にトランジスタを搭載する製膜段階で独自の技術を開発し、実現した。量産化に向けた技術開発を進め、04年度以降の本格生産を計画している。」との新聞報道がされていること(毎日新聞2002年5月22日付大阪版朝刊8頁)。
以上によれば、「シリコン」及び「グラス」の語は、「シリコン オン グラス」と称される液晶ディスプレー製造システムにおいて、その材料として使用されているといえるものであって、本願指定商品中「液晶ディスプレイ」との関係では自他商品識別機能を発揮し得ない語というのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品中、「TFT液晶ディスプレイ」との関係において、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章であり、本願商標が、商標法3条1項3号に該当するとの原査定の認定は妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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