Trademark Appeal Case
記述的結合商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−20340(T2002−20340/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Financial Solution Provider」の文字を書してなり、第35類、第36類、第37類、38類、第39類、第40類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成12年7月14日に登録出願されたものである。そして願書記載の指定役務については、同13年10月17日受付及び同14年10月18日受付の手続補正書により、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,有価証券の売買,有価証券指数等先物取引,有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『金融に関する問題は分離して物品等を提供する業者』程度の意味合いを表したと理解し把握させるに止まる『Financial Solution Provider』の文字を書してなるにすぎないので、これをその指定役務に使用するときは、単に役務の質、提供の方法を誇示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成中の「Financial」は「財務の,財政上の,金銭上の」等の意味、「Solution」の文字は「解決法(策),解答」等の意味、また、「Provider」の文字は「供給者,調達する人(店,業者)」等の意味を有する英語(いずれも「株式会社小学館発行 ランダムハウス英和大辞典第2版より)として、個々に親しまれている語と認められる。
ところで、近年、情報システムの設計とそれにともなう付加サービスによって顧客のかかえる経営課題に対する解決策を提供するビジネスモデルが「ソリューションビジネス」(問題解決型事業)と称されて、コンピュータ・ネットワークを整備、維持するシステムインテグレーション業務を中心に、顧客の問題状況に応じて、最適なハード、ソフト、サービスを選定、カスタマイズして提案するビジネスとして注目されている。
そして、その解決すべき問題や課題に応じて、「ソリューション」の語は、例えば、「システムソリューション」「ネットワークソリューション」等のように使用されて一般に浸透している実情があり、その中でも、企業の財務上の問題解決に当たっては、「ファイナンシャルソリューション」の語がよく用いられ知られているところである。
また、「Provider」の語は、「インフォメーションプロバイダー」「サービスプロバイダー」「システムプロバイダー」のように、各語と結び付いて複合語を構成し「〜を提供する者」を表す語として、一般に理解されている実情にある。
そうとすると、これらの語を結合してなる本願商標「Financial Solution Provider」に接する取引者、需要者は、全体として「財政上の問題解決を提供する者」の如き意味合いを容易に理解、認識するとみるのが相当である。
そして、以上のことは、例えば以下の新聞記事情報及びインターネット情報からも、窺い知ることができる。
ア)2003年3月19日付 日刊工業新聞 37頁
イー・ファイナンスドットコムの記事
「〜(前略)〜主な業務はチェーン店舗の売上金を回収するサービスシステム「CAPS」運用のファイナンシャル・ソリューション・プロバイダー(FSP)。」の記述。
イ)1999年3月24日付 日刊工業新聞 31頁
インタビュー記事
「〜(前略)〜顧客が求めるファイナンシャルソリューションの解決法として提示していく。」の記述。
ウ)マイクロソフト提供に係るホームページにおけるFiNetrics,Incの記事
(http://www.microsoft.com/japan/showcase/finetrics.mspx)
「ファイナンシャルソリューションプロバイダーであるFiNetricsは、〜(中略)〜財務会計Webサービスを構築しています。」の記述。
エ)三菱商事株式会社提供に係るホームページにおける新機能事業グループの紹介記事
(http://www.mitsubishicorp.com/jp/bg/nbi/dfserv.html)
「リース等ファイナンシャルソリューション提供」の記述。
オ)NECコーポレーション提供に係るホームページにおけるソリューションの提供の紹介記事
(http://www.sw.nec.co.jp/finance/Special/FIT001/FIT103.html)
「NECは、〜(中略)〜、新たなファイナンシャルソリューションを開発、提供しています。」の記述。
カ)福銀リース株式会社提供に係るホームページにおけるサービスメニュー
(http://www.fukugin-leasing.co.jp/service/05.html)
「〜(前略)〜お客さまの事業とキャッシューフローに包含されるリスクに立脚したファイナンシャルソリューションをご提供いたします。」の記述。
以上のとおりであるから、本願商標をその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、「顧客のかかえる財政(金銭)上の問題の解決策を提案し、問題解決の支援を提供する者」の如き意味合い、すなわちその役務の質、内容等を表示したものと理解するにとどまり、これをもって自他役務の識別標識としては認識しえないというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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