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Trademark Appeal Case

GGモノグラムの類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第21772号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3317801号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙1に表示したとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,毛皮コート,ガウン,セーター類,ワイシャツ類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,手袋,ネクタイ,スカーフ,マフラー,ショール,帽子,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引きて,靴びょう,靴保護金具」を除く),スリッパ,乗馬服その他の運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成7年5月26日に登録出願され、同9年5月30日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が、本件商標登録の無効理由に引用する登録第2645284号商標は、別紙1に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として平成3年2月28日登録出願、同6年4月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第2587484号商標は、別紙1に表示したとおりの構成よりなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として平成3年2月28日登録出願、同5年10月29日に設定登録されたものである。(以下合わせて「引用商標」という。)

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第96号証(枝番号を含む。)を提出している。

1 本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する

本件商標は上下を逆にした「G」を向かい合わせたモノグラム及び「Gian Garrino」からなる結合商標である。モノグラムと文字は必ずしも一体不可分のものとして把握しなければならない格別の事情は認めがたいものであるから、本件商標はモノグラムの部分と文字部分がそれぞれ独立して自他商品の識別標識として機能を果たし得るものである。以下、本件商標のモノグラムの部分と引用商標を比較する。

本件商標及び引用商標は、「GG」のモノグラムからなる商標であり、その構成要素たる個々のローマ字が明らかに判別可能であり、両商標からは、共に「ジージー」の称呼を生ずるから、本件商標は引用商標と称呼が同一の商標である。

さらに、本件商標及び引用商標は、共に上下を逆にした二つの「G」を互いに向かい合わせに組み合わせてなる商標である。両商標は、同一の文字を組み合わせかつ同一の構成からなる商標であり、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、両者を時と所を異にして観察した場合、商標全体の構成上、発想上に同一性を有しているものであるため、看者をして誤認混同させるおそれが十二分にある外観上類似の商標である。

してみれば、本件商標と引用商標は、指定商品においても相抵触することが明らかであるから、本件商標が商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであることが明らかである。

2 本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(1)請求人の「GG」をモチーフとしたマークの著名性

請求人の「GG」をモチーフとしたマークは、バッグ類、皮革製品、くつ、アクセサリー、時計、文房具、香水等の幅広い商品に関して、同社の商品を紹介する図鑑、書籍等においても「GG」をモチーフとしたマークに関する記述が多数ある。請求人は、かかる事実を立証すべく、世界の一流品ブランド品を掲載して毎年発行される「世界の一流品大図鑑」、「男の一流品大図鑑」、「世界の特選品」等(甲第4号証ないし第32号証)等を提出し、それらの中から「GG」マークの著名性に言及している部分を本件審判請求書4頁16行目から同5頁12行目までの記載のとおり引用する。

請求人は、1953年ニューヨークに進出を果たし、続いてロンドン、パームビーチ、ビバリーヒルズ、パリ、シカゴ等世界各地の拠点で営業しており、1964年(昭和39年)、株式会社サンモトヤマを販売代理店として日本においても、ハンドバッグ等の商品の販売を開始した。請求人の商品は、各国に進出するや、たちまちにして名声を博し、今日に至るまで世界各国の需要者によって愛用され、世界に一流品として確固たる地位を占めている。

さらに、請求人は、我が国における営業を強化するために、1990年(平成2年)、日本法人であるグッチジャパン株式会社(東京都港区赤坂一丁目12番32号)(以下、「グッチジャパン」という)を設立し、同社を通じて、請求人の業務に係る商品に、「GG」をモチーフとしたモノグラムのマークを付したかばん、財布、スカーフ、札入れ、被服、ネクタイ、ベルト等の販売をしており、その活発な広告宣伝活動及び雑誌等の請求人の紹介記事により、本件商標の登録出願前より、「GG」マークは、請求人の質の高い商品を表示するものとして、我が国において周知かつ著名となっているものである。近年、請求人の商品の愛好家は「グッチャー」と呼ばれ一種の社会現象とまでなっている。

(2)「GG」マークの多様性

請求人は、「GG」をモチーフとする別紙2のとおりの構成からなる登録商標を有する(甲第1号証、甲第65号証ないし甲第87号証)。

請求人は、様々な「GG」をモチーフとしたマークを考案・採択し、商標登録を受け、時代、商品等により使い分けている。しかるに、請求人の商標と同様「GG」をモチーフとするモノグラムを一部に含む本件商標に接した需要者・取引者は、請求人が新しい「GG」マークを考案、採択したものと誤認、混同することは必定である。

(3)GGマークの復活

GGマークは請求人のハウスマークであり、シンボルでもある。1970年から1980年にかけて、「GG」をモチーフとしたジャガード地のバッグが大ヒットした。その後も、請求人は「GGマーク」を、請求人の商品の様々なアイテムに商標として使用し続けてきた。請求人は、1996年頃より、新しい「GG」マークをモチーフとしたかばん類、サンダル類を発表し、さらに「GG」をモチーフとしたかばん類、被服(ショール、ブラウス等)発表し、以前にも増し、「GG」をモチーフとした商品の販売を積極的に展開している。(甲第88号証ないし甲第96号証)

(4)本件商標は「GG」のモノグラム及び文字よりなるものであるが、簡易迅速を旨とする商取引においては、問題となる商標が著名商標を含んでいる場合には、その部分が著名ゆえに需要者・取引者の注目を引き、これをもって取り引きされる場合があることは日常よく経験するところである。「GG」をモチーフとする本件商標がその指定商品について使用された場合には、あたかも請求人の業務と一定の関連性があるかの如く需要者・取引者をして認識させる可能性が高く、結果として請求人が永年の努力により得た営業上の信用にフリーライドすることとなり、請求人の業務に係る商品と現実に混同を生ずるおそれがあるものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求について何ら答弁していない。

第5 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、図形部分と「Gian Garrino」の文字部分とからなるところ、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。

そこで、本件商標の図形部分と引用商標とを比較するに、本件商標の図形部分は、上下を逆にしたアルファベットの「G」を向かい合わせ、互いの「G」が有する縦棒をその軸線に合わせ、かつ、極めて接近させた図形であり、中心の太い縦軸から左右に力強く楕円状の広がりを看取させる一体感のある幾何図形として認識されるというのが相当である。

一方、引用商標の構成は、細い円輪郭の内部に半円状にデザイン化したと思しき「G」とそれを倒立させた「G」とを細い線で描いた図形であり、同図形は全体としてデザイン化した「G」を円輪郭を基調として表し、軽量感を印象付ける図形である。

してみれば、本件商標の図形部分と引用商標とは、前記したとおりの差異を有し、全体の印象も異なるものであるから、これらを対比して観察した場合のみならず、時と所を異にする離隔観察をした場合にも、外観上互いに紛れるおそれはないものというのが相当である。

次に、称呼、観念についてみるに、本件商標の図形部分よりは、特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標の図形部分と引用商標とは称呼、観念において比較することはできない。

してみると、本件商標を構成する「Gian Garrino」の構成文字より「ジャンガリノ」の称呼を生ずるとしても引用商標とは、その外観、称呼、観念のいずれの点よりみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。

2 商標法第4条第1項第15号について

請求人が各種商品に使用し周知著名であると主張する商標(以下、各引用商標の構成ごとに「A商標」「B商標」「C商標」「D商標」「E商標」という。)は別紙2に表示した構成よりなるものである。

そこで、本件商標の図形部分と各引用商標とを比較する。

(1)引用A商標の構成

引用A商標は、輪郭線のみを残したアルファベットの「G」とそれを裏からみた態様の文字とを、重なり合わせ、かつ、当該Gの横棒を付き合わせてなり、全体として、輪郭線のみを残した太い「G」の表と裏の組合せを印象付ける図形である。

(2)引用B商標の構成

引用B商標は、輪郭線のみを残したアルファベットの「G」とそれを倒立させた「G」とを絡み合わせ、かつ、当該Gの横棒をはす向かいに付き合わせてなり、輪郭線のみを残した太い「G」と「G」との絡み合いを印象付ける図形である。

(3)引用C商標の構成

引用C商標は、「G」と倒立した「G」とを近接して並べ、その外側四隅に黒丸を配した図形であり、本件商標の図形部分にはない黒丸を有するばかりでなく、「G」の文字を看取させるものである。

(4)引用D商標の構成

D商標は、一対のL字型の突起が内側に付けられた楕円を太線で描いた図形である。

してみれば、本件商標の図形部分は前記1で認定したとおりであるから、本件商標と引用の各商標とはいずれも外観上顕著な差異を有するものであり、全体に与える印象も相違するものである。

そうとすれば、本件商標と引用A商標ないし引用E商標とは、外観、称呼、観念のいずれの点よりみても紛れるおそれのない非類似の別異の商標といえるものである。

したがって、引用各商標が仮に周知著名であるとしても、本件商標をその指定商品について使用しても、請求人若しくは請求人と何等かの関連を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法同条同項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすることができない。

よって、結論のとおり審決する。

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