結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30093号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1本件商標
本件登録第1944449号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和60年2月14日登録出願、同62年4月30日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
2請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を日本国内において、その指定商品である「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」について、現在まで継続して3年以上使用していない。また、本件商標については、専用使用権、通常使用権の設定登録もなく、通常使用権者も存せず、これらによって本件商標が使用された事実もない。
(2)請求人が出願した商願平6−127942号商標(甲第2号証)は、本件商標が引用され拒絶査定となり、その後、拒絶査定に対する不服審判事件(平成9年審判第8693号)として現在係属しているから、請求人は本件商標の登録を取り消すことにつき利害関係を有することは明らかである。
したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。
(3)答弁に対する弁駁
▲1▼本件審判は、請求人が出願している商願平6−127942号につき、本件商標が引用されたことに基づき請求したものであり、上記出願の審査中に本件商標が引用された平成8年8月頃に、被請求人との話し合いによって被請求人自身が本件商標を当時全く使用していないとのことから、本件商標は請求人に譲渡されるとのことであった(甲第1号証)。
したがって、請求人は本件商標につき、特にその権利存続の有効性を争わず静観していたものである。ところが、その後、請求人の度重なる譲渡手続の要請にもかかわらず、被請求人は請求人の要請をそのまま放置していたのであり、その結果、上記出願は本件商標の譲渡事実はないとの審査官の認定によって拒絶査定とならざるをえなかったものであり、請求人は本件審判請求に及んだ次第である。
▲2▼一方、被請求人が提出した証拠方法を検討すると、その使用の事実を示す証拠方法によれば、いずれも平成9年4月以前のものはなく、前述した請求人からの譲渡要請をそのまま放置する一方で、請求人自身の法的な対抗処置が何等なされていないことを奇貨として急遽、その使用を開始したものといわざるを得ないものである。
すなわち、被請求人は、本件商標につき、請求人を欺瞞しつつ、その商品の企画、使用の準備、その後、使用の開始に至ったものであり、許されざるものである。
▲3▼また、被請求人提出の証拠方法を検討するに、乙第7号証、乙第8号証等はいずれも襟ネーム自体の売上、注文等を示すも、本件商標が付された商品の販売等に関する直接の使用の実績を示すものではない。
さらに、乙第11号証は商品の在庫の実績量を示すにすぎず、実際上の販売、使用の事実を直接に証明するものではない。
したがって、本件商標の取消は免れないものである。
3被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、証拠方法として乙第1号証乃至乙第11号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標をその指定商品について、わが国において、長年に亘って継続使用しているので、請求人の主張が成り立たないことは明らかである。
すなわち、被請求人は、本件審判の予告登緑前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品である「被服」に含まれる「ブラウス」及び「Tシャツ」について使用しているので、その事実を下記の証拠により立証する。
▲1▼被請求人は、まず、被請求人が現在販売している「ブラウス」を撮影した写真を提出する(乙第1号証〜乙第5号証)。
「ラドウー」ブランドのブラウスの襟部分には、本件商標を表示した襟ネームが付されている(乙第1号証〜乙第5号証)、この「LA DEUX」の襟ネームは、被請求人が、ナカムラレーベル株式会社(以下「ナカムラレーベル」という。)に毎年製造依頼しているものである。
そこで、被請求人は、「ナカムラレーベル」が製造した襟ネームの現物を提出するとともに、平成9年1月29日及び同年2月6日付けの「売上伝票」(写)を提出する(乙第6号証及び乙第7号証の1及び2)。
「LA DEUX」の襟ネームは、毎年1月から3月にかけて、被請求人が、「ナカムラレーベル」に発注し、その後、納品があるが、平成10年は3月下旬に三回に分けて納品があったので、その伝票(写)を提出する(乙第8号証の1及び3)。
因みに、前記使用商標は、「LA」と「DEUX」の間に半文字程度の間隔を有している点において本件商標と異なるが、この程度の変更使用は、商取引上日常的に行われているところであるから、使用商標が本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
▲2▼次に、被請求人が各店舗向けに配布した「カタログ」(写)を提出する(乙第9号証及び乙第10号証)。
乙第9号証は、平成9年5月版の「カタログ」(配布時期は同年4月)であるが、その第7頁には、「ラドウー」ブランドの商品が掲載されている。
乙第10号証は、平成10年3月版の「カタログ」(配布時期は同年2月)であるが、その第7頁には、「ラドウー」ブランドの商品が掲載されている。
これらの「カタログ」によっても、被請求人が、本件審判の予告登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品について使用していることは明らかである。
▲3▼更に、被請求人は、平成9年4月30日、同年6月30日及び平成10年3月31日付けの「ショウヒン ザイコヒョウ」を提出する(乙第11号証の1〜3)。
まず、「ショウヒン ザイコヒョウ」中の「ショウヒン コード」の見方について、乙第11号証の1に表示された「コード」中一番上に表示されている「654742−23965112」のコードを例にとって説明する。
最初の「6」はオリジナル商品であることを示すコードである。
次の「54」は「ブラウス及びTシャツ」のコード、次の「742−23965」は商品コード(特に「742」はラドウー商品に共通する商品コードである)、次の「11」は色のコード、最後の「2」はサイズのコードである。
商品コードは、商品の「下げ札」及び「カタログ」等に必ず表示されるものであるが、乙第1号証〜乙第5号証のブラウスの「下げ札」、並びに、乙第9号証及び乙第10号証の「カタログ」にも表示されている。
しかして、乙第1号証〜乙第5号証のブラウスの下げ札に表示された商品コード、並びに、乙第9号証及び乙第10号証のカタログの第7頁に表示された商品コードをみれば、「742」がラドウー商品に共通する品番であることは容易に認識し得るところである(但し、一部に「743」の場合もある。)。
乙第11号証の1〜3として提出した「ショウヒン ザイコヒョウ」に照らし、本件商標を付した「ブラウス」及び「Tシャツ」が、少なくとも平成9年から平成10年にかけて、商品流通過程に乗り、実際に販売されていたことは客観的事実である。
▲4▼以上述べたように、乙第1号証〜乙第11号証の3の各証拠を相互に関連づけ総合的に判断すれば、被請求人が、本件商標を本件審判の予告登録前3年以内に、日本国内において、その指定商品である「被服」に含まれる「ブラウス」及び「Tシャツ」について使用していることは事実である。
4当審の判断
被請求人が提出した乙各号証を検討してみるに、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認定し得る商標を商品「ブラウス」に「襟ネーム」をもって使用し、該商品の「下げ札」の商品コード(品番)に「654−742」の数字を付していることが認められる(乙第1号証ないし第5号証)。
しかして、「襟ネーム」を、平成9年1月29日及び同年2月6日付けの売上伝票によれば、「ナカムラレーベル」より被請求人に「襟ネーム(ラ・ドゥー)」を売り上げたことが認められる。(乙第7号証1及び2)
さらに、平成9年発行の商品カタログによれば、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商品「Tシャツ」に使用し、その商品コード(品番)に「654−742」の数字を付していることが認められる(乙第9号証)。
また、平成9年4月30日及び同年6月30日の「ショウヒン ザイコヒョウ」に、本件商標を使用している「ブラウス、Tシャツ」の商品コード(品番)と推定される「654742」の記載があり(乙第11号証の1及び2)、かつ、この商品コード(品番)は、前記した「下げ札」等の商品コード(品番)と一致している(乙第1号証ないし第5号証)。
してみると、前記の乙号証等を総合勘案すれば、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「ブラウス、Tシャツ」について使用していたものというのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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