結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30128号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1855328号商標(以下、「本件商標」という)は、「パワーキッカー」の文字を上段に、「POWER KICKER」の文字を下段に書してなり、旧第11類「半導体素子用放熱器、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和58年12月13日に登録出願され、昭和61年4月23日に登録され、その後、商標権存続期間の更新登録が平成8年5月30日になされているものである。
請求人は「本件商標の指定商品中『電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)』の登録を取消す、審判費用は、被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨以下のように述べた(なお、請求人の主張のうち、「半導体素子」の文字部分について、審判請求書における請求の趣旨および請求の理由中には、これが「半導素子」と記載されているが、この部分は、「半導体素子」と記すべきところを、請求人が誤記したものと認められるので、審判長の職権をもって、「半導素子」の部分を「半導体素子」に訂正した。)。
(1)本件商標は、請求人の調査した限りにおいては、少なくとも、本件審判請求日前3年以内に日本国内において、その指定商品中「電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」のいずれにも使用されていないことが判明した。
したがって、請求人は、請求の趣旨どおりの審決を求めるものである。
(2)被請求人は、本件商標が指定商品の一部について使用されていることを証する資料として被請求人のヒートパイプ応用製品のカタログを提出している。
しかし、当該カタログに掲載されている商品は、本件商標の指定商品には含まれていないので、請求人の答弁の理由は失当である。
すなわち、前記カタログをみると、使用されている商品は、電力半導体冷却器である。しかも、詳細な説明の中では、「パワーキッカーは大容量電力半導体の冷却用としてパワーエレクトロニクス機器向けに開発されたヒートパイプ式冷却器です。...。また、N型は自然対流式のため、メンテナンスフリーで電鉄の変電装置用GTOの冷却に広く使用されています。そして、パワーキッカーPMは、モジュールの集中取り付けが容易にできるため、各種インバーターやUSPなどに多く使用されています。」と説明されている。
すなわち、本件商標の使用されている商品は、「冷却器」であり、しかも、半導体素子のみならず、汎用性のある冷却器であるから、これをもって電子応用機械器具の一種あるいはその部品および付属品とは目されないものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「電子管、半導体素子、電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」のいずれにも、商標権者および使用権者のいずれによっても、使用されておらず、その不使用について正当な理由も述べられていないから、その指定商品中「電子管、半導体素子、電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」についてその登録を取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べるとともに、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
被請求人は、本件審判請求日前3年以内の期間を含め現在まで継続して、日本国内において、取消に係る指定商品について本件商標を使用している。
乙第1号証は、被請求人が配布したカタログと同一のものである。そのなかに本件商標を明示しつつその商品を写真入りで示している。この商品は半導体素子用或いは電子回路部品用の放熱器としてこれらの一部品を構成している。
このように本登録商標は上記指定商品につき使用されていないとの事実はない。
よって本件審判請求は成り立たないものである。
請求人は、本件商標を「半導体素子用或いは電子回路部品用の放熱器」に使用していると主張しているので、これが、取消対象に係る指定商品に属するか否かについて検討する。
被請求人が提出した乙第1号証(商品カタログ)の4頁には「ヒートパイプ式/電力半導体冷却器」の文字が表されており、この右部分に、「パワーキッカー」の文字が表示され、その下段部には「HEAT PIPE HEAT SINK(POWERKICKER)」の文字が表示されているものである。
そして、ここに表示された「パワーキッカー」および「(POWERKICKER)」の文字は、「商品ヒートパイプ式/電力半導体冷却器」(以下、「使用商品」という。)の商標としで表示されているものと認め得るものであって、これは、本件商標と社会通念上同一のものと判断される。
しかして、上記乙第1号証の商品カタログの当該頁の「概要」の欄には以下の記述が認められるものである。
「パワーキッカーは大容量電力半導体(サイリスタ、GTOサイリスタ、ダイオード、パワーモジュールなど)の冷却用としてパワーエレクトロニクス機器向けに開発されたヒートパイプ式冷却器です。」
これに照らせば、使用商品は、コンピュータ機器の電力を制御する半導体を冷却するための商品と認められるものであって、同頁の「特徴」「応用分野」の項の記載を合わせて検討すれば、当該冷却器は、電子計算機、通信機器、各種産業機械器具などに使用される電力制御用の電子回路に組み込まれる半導体を冷却するためのものといえるものである。
したがって、当該冷却器は、半導体が組み込まれた電力制御用の電子回路の機能を維持・安定させるために、この回路中の半導体を冷却するための専用の冷却器とみるのが相当であって、各種機械器具の発熱を下げるための一般的・汎用的な冷却器とはいえないものである。
そうとすれば、使用商品は、電子回路を冷却するための専用のものであって、これは、「電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」の範疇に入る商品というべきであり、これを覆すに足りる証左も認められない。
なお、請求人が提出した乙第1号証の商品カタログは、その製作年月が判然としないものであるが、5頁右上の写真の鉄道車両の新製・廃車年月、および、裏表紙に表示された請求人の郵便番号表示(7桁)の実施時期を総合して検討すれば、この商品カタログは、本件審判請求の登録前3年以内のものと推認できるものである。
したがって、本件商標は、これと社会通念上同一と認められる態様で、本件審判の請求の登録前3年以内に、商標権者によって、本件取消対象に係る指定商品中、「電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)」に使用されていたということができるものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定によっては取り消すことができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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