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Trademark Appeal Case

引用商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35472(T2002−35472/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4416303号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4416303号商標(以下「本件商標」という。)は、「LIFTED RESEARCH GROUP」の欧文字を横書きしてなり、平成11年10月12日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,下着,水泳着,水泳帽,靴下,手袋,帽子,エプロン,ナイトウエア,運動用特殊衣服,スカーフ,ネクタイ,マフラー,ベルト,サスペンダー,靴類」を指定商品として、平成12年9月14日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び審尋に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証(枝番を含む。以下、枝番の全てを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)を提出した。

1 利害関係について

請求人は、1999年3月に設立された米国法人であり、被服を業として販売するものである。

「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字よりなる商標(以下「引用商標」という。)は、請求人の創作に係る造語商標であり、1999年7月からアメリカ合衆国において被服等に使用されており、アメリカにおいて登録第2513951号として登録されている(甲第2、3号証)。

請求人は、本件商標が無断で日本に出願されていることを知り、商標登録出願(商願2001−106109、商標「LIFTED RESEARCH GROUP」、第25類)を行ったところ、本件商標を引用した拒絶理由通知がなされ、現在審査係属中である(甲第4、5号証)。

よって、請求人は、本件審判を請求するにつき、法律上の利害関係を有するものである。

2 商標法第4条第1項第10号について

(1)引用商標が広く認識されていることについて

(a)請求人は、被服のデザイン及び販売を開始するに当たり、自ら創作した「LIFTED RESEARCH GROUP」を商号及び商標として採択した。請求人の製品は、米国で販売されているのみならず、大阪府大阪市淀川区東三国5−11−20所在の株式会社カルクイント(以下「カルクイント社」という。)により輸入された(甲第10号証)。

(b)カリフォルニアで年に2回開催されるAction Sports Retail見本市は、被服産業(特に、アクションスポーツ産業)における最も大きな見本市の一つであり、日本市場における「アクションスポーツ」ブランドを背景として、数多くの日本企業が日本市場向けの製品を買い付けに訪れる。

請求人は、1999年9月5日から7日の間に開催されたAction Sports Retail見本市(以下「ASR見本市」という。)に最初に参加したところ、日本の顧客は、該見本市後より継続的に、請求人の製品を注文した(甲第8、10号証)。甲第8号証のリストには、米国の連絡先のみが掲載されているが、日本の顧客は通常、「アクションスポーツ」の企業が集中するカリフォルニアの代理店を利用するため、その代理店の連絡先が記されている。これら代理店だけでも、「LIFTED RESEARCH GROUP」製品の1999年4月から12月までの売上は、76,048.33USドル(約9,410,000円)に上る。

なお、甲第10号証は、請求人の日本総代理店、カルクイント社から提供された、1999年12月、2000年2月、2002年8月付の請求人の製品の請求書写である。

上記ASR見本市では、請求人は、そのブースに旗を用い、カタログ、ステッカーを配布した。その他Tシャツやプロモーション用の音楽カセット等も配布した。全てに「LIFTED RESEARCH GROUP」の商号及び商標を付してある(甲第12、13号証)。これらは、それ以後、日本を含む全ての見本市やプロモーションイベントにおいて同様に配布されている。

上記旗、ステッカー類、Tシャツ及びサンプル商品の製造者からの請求書(甲第13号証)は、1999年3月30日から1999年9月21日の間に発行されたものであり、ASR見本市以前から請求人が引用商標を使用していたことを示すものである。

(c)請求人の製品は、米国はもちろん、日本においてもファッション関係あるいは若者向けのスポーツ或いは音楽関係の雑誌にしばしば取上げられている(1999年11月号のURBmagazine:甲第11号証)。前記カルクイント社は、プロモーションイベントを開催して「LIFTED RESEARCH GROUP」ブランドを宣伝する他、プロモーション活動の一環として、運動選手、ミュージシャン、クラブのスポンサーとなっている。

(d)請求人のホームページには、「今年も大人気の、LIFTED RESEARCH GROUP」等と紹介されている(甲第14号証)。

(e)以上の事実により、引用商標は、Tシャツ等の被服について、請求人の商標として、本件商標の登録出願前より、少なくとも日本の当業者間において広く知られていたことは明らかである。

(2)商標及び商品の類否について

引用商標及び本件商標は、「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字よりなるものであから、称呼及び外観において類似する。

引用商標は、「帽子、その他の被服、履物」等に使用するものである。一方、本件商標は、「洋服、帽子、靴類」等に使用するものである。よって、本件商標は、引用商標と同一又は類似の商品に使用するものである。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

2 商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、需要者及び取引者の間で広く認識されている商標であり、本件商標は引用商標と類似する商標であるから、本件商標は、請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 商標法第4条第1項第19号の該当について

(1)引用商標について

引用商標は、日本国内又は外国における需要者及び取引者の間で広く認識されている商標である。また、本件商標は、引用商標と類似する商標である。

(2)不正の目的について

本件商標は、前記ASR見本市の後の平成11年10月12日に出願されていることから、本件商標権者あるいはその代理人が、ASR見本市に参加し、請求人の商標を知り、これが未だ日本国内で登録されていないことを奇貨として、登録したことは十分推測できる。

すなわち、本件商標権者は、将来請求人に対し、本件商標を高値で売りつけようとの意図、あるいは、請求人の日本での円滑な業務の遂行を阻害する目的で本件商標を登録したと断定せざるを得ないものである。

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 結論

本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当するにもかかわらず登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効にすべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

第4 当審の判断

1 甲第3号証、甲第8号証の2ないし6、同号証の8、同号証の10、甲第9号証の1(甲第12号証の2と同一のもの)、甲第10号証の1ないし7、甲第11号証の2、同号証の4、同号証の7、同号証の11、甲第12号証及び甲第13号証によれば、以下の事実を認めることができる。

(1)請求人は、最初の使用を1999年7月とする「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字よりなる商標(引用商標)を国際分類第25類を指定商品として、米国において登録(登録第2513951号)を受けた。

(2)引用商標を使用した請求人の製品(以下「請求人製品」という。)は、主として若者を対象とした商品(被服等)である。

(3)請求人は、1999年9月5日から7日の間に、米国カリフォルニア州で開催されたASR見本市に参加し、該ASR見本市に先立ち、引用商標を表示した旗、カタログ、ステッカーなどを業者に発注し、これらを該ASR見本市で使用したことが窺える。

(4)請求人製品は、米国において、1999年10月ころに発行された雑誌をはじめ、2000年ころから若者向けの雑誌に紹介されていた。

(5)請求人製品は、ASR見本市以降の1999年9月から12月ころにかけて、日本の法人である「BP TRADING CO.」(神奈川県横浜市)、「Senri Boeki Corporation」(米国の仲買人である「C.C.& COMPANY」を介して)、「LEXINGTON Co.Ltd.」(東京都渋谷)、「SHINKICHI」(米国の仲買人である「WORLD CONSCIOUS CORP.」を介して)、「CALQUINTO CO.,LTD.」(大阪府淀橋区、米国の代理店である「DIPLO U.S.A.,INC.」を介して)との間における取引によって、日本に輸出された。

2 前記1で認定した事実によれば、引用商標は、請求人の取扱いに係る被服等を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、少なくとも米国の若者を中心とした需要者層及び日本の若者向け被服を扱う業者の間において、広く認識されていたと推認し得るところである。

3 本件商標は、前記したとおり、「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字を書してなるものであり、また、引用商標も「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字よりなるものであるから、両商標は、同一の綴り字よりなるものである。

そうすると、本件商標と引用商標は、「リフテッドリサーチグループ」の称呼を同一にするばかりでなく、外観上類似する商標というべきである。

加えて、引用商標を構成する「LIFTED RESEARCH GROUP」の文字は、だれでもが容易に商標として採択し得る成語(熟語)よりなるものではなく、「LIFTED」、「RESEARCH」、「GROUP」の各語の組み合わせに独創性があるというべきであって、これらの各語と全く同一の組み合わせである本件商標を被請求人が採択すること自体、偶然の一致とは認め難いところである。

してみると、被請求人による本件商標についての登録は、米国及び日本において周知であった引用商標の存在を知り、日本において、引用商標が登録されていないことを奇貨として、先取り的に登録出願し、登録を受けたものと推認せざるを得ない。

したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内の若者向け被服の業者及び外国における若者を中心とした需要者の間において、広く認識されている商標(引用商標)と類似の商標であって、不正の目的をもって使用する商標というべきであるから、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

4 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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