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Trademark Appeal Case

商標の要部と使用の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第30217号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

商標法第50条の規定により、登録第2665062号商標の指定商品中「食用水産物,加工水産物」についてはその登録は、取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2665062号商標(以下「本件商標」という。)は、「てしお」の平仮名文字と「手枝小」の漢字を二段に左横書きしてなり、第32類「加工食料品、その他本類に属する商品」を指定商品とし、平成4年1月28日登録出願、同6年5月31日に登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第5号証を提出した。

(1)請求の理由

請求人が調査したところによると、被請求人は、指定商品中の「食用水産物、加工水産物」について使用していない。また、本件商標については、専用使用権の設定又は通常使用権の許諾の事実もない。

したがって、被請求人が上記商品について使用されていないことについての正当な理由を立証しなければ、その取消しを免れないものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人は、「昆布のみそ漬け」について本件商標を使用している証拠として乙第1号証(写真)を提出しているが、これによれば、わずかに該商品の賞味期限、撮影年月日が判読できる程度であって、該商品の製造年月日、使用時期、使用量、取引の事実等の具体的事実が示されていないばかりでなく、販売会社である「鈴幸商事」との具体的権利関係についても全く不明確である。

更に、乙第1号証に表示されている商標は「てしおこんぶ」であるが、本件商標は「手枝小」の漢字の文字部分が、「天塩」の当て字として識別力を認められたものであって、平仮名「てしお」からは社会通念上「天塩」が想起され、商品の産地、販売地名として認識し、理解されるものであることが認められるから、本件商標の要部を構成する漢字「手枝小」を欠落させた平仮名のみの使用によっては、本件商標の使用とは認められないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。

乙第1号証「商品現物の写真」に示すように、本件商標は、取消を求められた指定商品「食用水産物、加工水産物」の中の「加工水産物」に含まれる商品「昆布のみそ漬け」について使用されている。

当該商品は被請求人会社が製造し、同所に所在する関係会社「鈴幸商事株式会」が販売している。

4 当審の判断

そこで判断するに、被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証の商品写真によれば、商品包装のシール等には「てしおこんぶ」の文字及び品名「みそ漬」、原材料名「昆布、かんぴょう」、賞味期限「’98.07.23」、販売者「鈴幸商事株式会社」などの各表示を認めることができる。

しかしながら、本件商標は上記のとおり、「てしお」「手枝小」の各文字よりなるのに対し、被請求人が「昆布のみそ漬け」に使用しているという商標は、「てしおこんぶ」の文字よりなるものである。

そして、該「てしお」の文字は、「手塩」「天塩」等の観念を生じさせるものであるから、本件商標と被請求人が「昆布のみそ漬け」に使用している「てしおこんぶ」の文字よりなる商標とは、社会通念上同一の商標を使用しているものとは認められないものである。

また、上記商品は、賞味期限が「’98.07.23」と表示されているのみであって、具体的な製造年月日も不明である。

さらに、被請求人は、相当の期間を経過した今日に至るも、本件商標を使用していることについて何ら立証していない。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人(商標権者)、専用使用権者及び通常使用権者のいずれも、その請求に係る指定商品について使用していなかったものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中、「結論掲記の指定商品」について取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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