Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2004−90176(T2004−90176/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4739620号商標(以下「本件商標」という。)は、「ポーラ ドルフ」の片仮名文字と「PAULA DORF」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成15年5月21日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同16年1月9日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の5件の登録商標を引用している。
(a)登録第3032698号商標は、「POLA」の欧文字と「ポーラ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成4年4月13日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年3月31日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」という。)。
(b)登録第3268015号商標は、「POLA」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月30日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同9年3月12日に設定登録されたものである(以下「引用商標2」という。)。
(c)登録第3268016号商標は、「ポーラ」の片仮名文字を横書きしてなり、出願日、指定役務及び設定登録日については引用商標2と同じくするものである(以下「引用商標3」という。)。
(d)登録第1461463号商標は、「ポーラ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和52年4月11日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年5月30日に設定登録され、その後、指定商品の書換登録により、第3類及び第30類を商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの指定商品となっているものである(以下「引用商標4」という。)。
(e)登録第1461461号商標は、「POLA」の欧文字を横書きしてなり、出願日、指定商品、設定登録日及び書換登録については引用商標4と同じくするものである(以下「引用商標5」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「ポーラ/PAULA」と「ドルフ/DORF」が常に一連のものとして認識され、一連に称呼しなければならない特段の事情も存しないから、単に、「ポーラ」の称呼をも生ずる。他方、引用商標1ないし3からは「ポーラ」の称呼を生ずる。
そうとすれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、共に「ポーラ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標であり、指定役務も互いに抵触しているものである。
(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
引用商標4及び5は、申立人が「化粧品」をはじめとする商品に永年にわたって使用し、周知・著名な商標であるところ、本件商標は、その周知・著名な「ポーラ」の文字を含むものである。また、本件商標は、「ポーラ ドルフ ビューティ スタジオ」という表示方法をもって使用されている(甲第12号証、甲第13号証)。
してみれば、これに接する取引者・需要者は、近年の企業の多角経営の実態よりみた場合、商品「化粧品」と本件商標の指定役務に含まれる例えば「美容の教授」とは関連性があり、本件商標の使用は、申立人若しくは申立人と関係のあるものによる使用であると認識させるものであって、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じさせるおそれがあることは明らかである。
また、上記のような使用態様よりみれば、申立人の周知・著名商標へのただのりといわざるを得ず、「POLA」「ポーラ」商標の著名性に便乗して不正の利益を得る目的をもって出願したものであり、申立人の「POLA」「ポーラ」商標に化体されたグットウィルを希釈化し、その名声を毀損させる目的をもって出願したものといわざるを得ない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する片仮名文字及び欧文字の各構成文字は、外観上まとまりよく一体的に表現されており、「ポーラ/PAULA」と「ドルフ/DORF」の文字との間に特に軽重の差はなく、これより生ずる「ポーラドルフ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであって、他に構成中の「ポーラ/PAULA」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、該構成各文字全体に相応して「ポーラドルフ」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ポーラ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「ポーラ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標1ないし3とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標1ないし3とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
上記したところと同様の理由から、本件商標と引用商標4及び5とは、十分に区別し得る別異の商標であるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標4及び5を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用各商標の信用にフリーライドする等、不正の目的をもって出願されたものということもできない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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