Trademark Appeal Case
結合商標の称呼と要部
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90852(T2003−90852/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4713693号商標(以下「本件商標」という。)は、「ESPRITLINE」の欧文字と「エスプリライン」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成15年3月13日に登録出願、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同15年9月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の4件の登録商標を引用している。
(a)登録第4559323号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年4月10日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年4月12日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」という。)。
(b)登録第653754号商標は、「エスプリ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和38年3月27日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同39年9月21日に設定登録されたものである(以下「引用商標2」という。)。
(c)登録第1558196号商標は、「ESPRIT」の欧文字を横書きしてなり、昭和53年12月11日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年12月24日に設定登録されたものである(以下「引用商標3」という。)。
(d)登録第2097119号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和61年8月8日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年11月30日に設定登録されたものである(以下「引用商標4」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中「LINE」の語は、「商品の種類、取扱商品、仕入れ商品」といった意味内容を有し、製品ライン、商品ラインというように、商品の種類等を示す場合に広く使用されており、指定商品との関係では識別力の弱い語であるから、本件商標の要部は「ESPRIT」の部分にある。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、「エスプリ」の称呼において類似し、外観においても類似するものである。また、全体として、著名商標「ESPRIT」にかかる(商品)ラインとの観念を生じさせることから、観念上も類似するものであり、指定商品も同一又は類似する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標2ないし4は、申立人及びエスプリグループが1976年に衣類について使用して以来、カジュアルウェア、アクセサリー、バッグ、靴等に長年使用され、エスプリグループの商品であることを表示するものとして広く知られており、当該商標を付した商品は、日本を含め世界中で一流品としての信用が形成されており、数々の刊行物によって紹介されている著名商標である。
してみると、本件商標は、これがその指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が恰も申立人の業務に係る商品であるか又は申立人と経済的に関連のある者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
(4)よって、本件商標の指定商品・指定役務中、第16類に属する指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する欧文字及び片仮名文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「エスプリライン」の称呼もさほど冗長という程のものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「LINE/ライン」の文字部分が申立人主張の如き意味合いを表す場合があるとしても、かかる構成においては、商品の種類、品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「エスプリライン」の称呼のみを生ずるものであって、単に「エスプリ」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「エスプリ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標1とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標1とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したところと同様の理由から、本件商標と引用商標2ないし4とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)むすび
したがって、本件商標の指定商品・指定役務中、第16類に属する指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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