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Trademark Appeal Case

称呼類似性:語尾の音の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90684(T2003−90684/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4693615号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4693615号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年10月11日に登録出願、「ダイナフォース」の片仮名文字を標準文字により書してなり、第9類「プルボルト引き力測定器,その他の測定機械器具」を指定商品として、同15年7月18日に設定登録されたものである。

2.登録異議申立の理由(要旨)

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は、(1)の登録商標及び市場において使用される「ダイナホール」「DYNAFOR」商標の存在より商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものであり、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消されるべきである旨申し立てた。

(1)商標法第4条第1項第11号該当について

本件商標は、平成2年3月20日に登録出願、「DYNAFOR」の欧文字と「ダイナフォー」の片仮名文字とを二段に併記してなり、第10類「測定機械器具及びその他本類に属する商品」を指定商品として、同4年10月30日に設定登録された登録第2470909号商標(以下「引用商標という。)と類似するものであり、また、両者の指定商品も同一又は類似するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号該当について

「ダイナホール」「DYNAFOR」の商標は、1994年より現在に至るまで、「張力測定器」に使用されており、特定の需要者を対象とする商品であることを考えれば、本件商標が指定商品に使用されれば申立人の商品と混同を生じるおそれがある。

3.当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当について

本件商標は、「ダイナフォース」の片仮名文字を書してなるものであるところ、かかる構成文字全体からは、親しまれた既成の外来語ないし読み方からも既成の外国語を想起し得ず、かつ、熟語的な意味合いも直ちに理解できない造語商標と看取させるものである。そして、構成中の「ダイナ」の部分は、接頭語的なものとして辞書類に掲載があるものでないが、強いていえば「ダイナミック(dynamic)」の語における「ダイナ」部分を、また、「フォース」の部分は「力、勢力」等の意味の外来語をそれぞれ想起しするといえるものであって、本件商標は、その構成文字に相応して「ダイナフォース」の称呼を生ずるものである。

他方、引用商標は、「DYNAFOR」の欧文字と「ダイナフォー」の片仮名文字を併記してなるところ、欧文字部分は、かかる綴り字全体からは、親しまれた既成の外国語を想起し得ず、かつ、格別な熟語的な意味合いも理解できない造語商標と看取させるものである。そして、欧文字による商標の称呼は、特殊分野の商品に使用するときは別として、普通には日常的に広く使用される英単語に倣い称呼されるものというのが相当であるから、引用商標の構成中「DYNA」の部分は「dynamic(ダイナミック)」や「dynamite(ダイナマイト)」の語頭部に倣い「ダイナ」と読まれ、同じく「FOR」の部分は「・・のために[の]」等の意味の「for(フォー)」を想起しこれに倣い「フォー」と読まれるといえるものであり、また、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標の構成において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。してみると、引用商標は、欧文字部分の上述した読み方、及びその構成中の片仮名文字部分は欧文字部分の称呼を特定したものと無理なく認識させるものであるから、引用商標よりは「ダイナフォー」の称呼を生ずるものといわなければならない。

そこで、本件商標より生ずる「ダイナフォース」の称呼と、引用商標より生ずる「ダイナフォー」の称呼とを比較するに、両者は後半の「フォース」と「フォー」という差違があり、その構成音のみを捉えてみれば、語尾において「ス」の音の有無にある。

しかしながら、本件商標は、全体として特定の意味合いを有しない造語ではあるが、その構成中の「フォース」の文字部分は「力、勢力」等を想起させる親しまれている外来語であることから、これを称呼する場合においても、自ずと「フォース」の文字部分が強く意識され、「フォース」の音は、明瞭に発音、聴取され、その語尾に位置する「ス」の音も明瞭に発音、聴取されるものとみるのが相当である。

してみれば、両称呼における「ス」の音の有無の差が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。

さらに、本件商標と引用商標は、共に特定の観念を生じ得ない造語と判断されるところから、両者は観念上比較し得ないものであり、また、それぞれの構成よりみて外観上十分に区別し得るものである。

したがって、本件商標と引用商標とはその称呼、観念及び外観のいずれよりみても十分に区別し得る商標というべきである。その他、本件商標と引用商標とを類似とすべき理由は見出せない。

申立人は、取引の実状、すなわちインターネット上において「ダイナホール」の表示をもって「高精度テンションメーター」の製品紹介をしている情報により、引用商標は「ダイナホール」の称呼をも生ずる旨主張するが、引用商標は「DYNAFOR」の欧文字と「ダイナフォー」の片仮名文字を併記してなるものであって、商標本来の機能(自他商品の識別機能)に照らし、文字書体を異にすれば、自ずとその機能・役割も異なるものであるから、引用商標のかかる構成を無視して述べる申立人の主張は、単に当該表示をもっての製品紹介をしている事情を述べるに止まるものであって妥当でなく、採用の限りでない。その他、前記認定を覆すに足りる証拠はない。

(2)商標法第4条第1項第15号該当について

申立人の提出した証拠を検討するに、大阪市在の「株式会社チルコーポレーション」との間に「高精度テンションメーター」ほかの各機械器具の取引があること(甲第2号証の1ないし20のインボイス)、この会社のインターネット上ホームページにおいて「ダイナホール」の表示をもって「高精度テンションメーター」の製品紹介をしていること(甲第4号証)、検索サイト「Google」の「ダイナホール」の検索結果があること(甲第5号証)は認め得るものである。しかし、取引の相手方が申立人の製造した商品を表す標章として使用しているらしいと理解し得るとしても、これが申立人による商標の使用と認めるに足りる証拠はない。

さらに、日本における「DYNAFOR」の使用された商品の販売金額とする書類(甲第3号証の1ないし3)からして、たとい「DYNAFOR」の文字が商標として、商品「高精度テンションメーターほかの張力測定器」についての使用と認め得るとしても、上述のとおり、この程度の証拠(甲第2号証の1ないし20、甲第3号証の1ないし3、甲第4号証、甲第5号証)によっては、本件商標の登録出願時に、「DYNAFOR」又は「ダイナホール」の商標が申立人の業務にかかる商品「張力測定器」を表示するものとして、我が国の当該需要者の間に広く認識されていたものとみるのは困難といわざるを得ないものである。

加えて、上述(1)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似のものであり、本件商標より生ずる「ダイナフォース」の称呼と、「ダイナホール」の称呼とを比較するに、両者は後半の「フォース」と「ホール」という差違があり、これらを称呼する場合においても、自ずと「フォース」又は「ホール」の各音は、明瞭に発音、聴取され、その語尾に位置する「ス」又は「ル」の音も明瞭に発音、聴取されるものとみるのが相当であるばかりでなく、本件商標と「DYNAFOR」とは、その外観、観念及び称呼のいずれからしても非類似のものであって、両者が紛れるとする事由は見出せない。

してみると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が直ちに「ダイナホール」又は「DYNAFOR」を想起するものといい得ないから、申立人業務に係るものであるかの如くに、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではない。

よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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