Trademark Appeal Case
称呼の類否判断における音質の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90776(T2003−90776/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4705512号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年12月3日に登録出願され、「VECTAGEN」の文字(標準文字による)を書してなり、第5類「薬剤」を指定商品として、平成15年8月29日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、昭和47年4月28日に登録出願され、「VECTACIN」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和52年10月20日に設定登録された登録第1306249号商標及び昭和47年4月28日に登録出願され、「ベクタシン」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、昭和52年10月20日に設定登録された登録第1306250号商標(以下、一括して「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品と類似するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(2)また、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の所有する上記の引用商標は、申立人の業務に係る商品「注射液(抗生物質製剤)」について使用され、我が国において約20年の販売実績を誇るものであり、本件出願前には相当程度周知著名となっていた商標であるところ、本件商標は、これと類似するものであるから、本件商標がその指定商品「薬剤」に使用された場合には、申立人の引用商標を付した商品との関係で商品の出所の混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、前記のとおり「VECTAGEN」の欧文字よりなるから、その構成文字に相応して「ベクタジェン」又は「ベクタゲン」の称呼を生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標は、それぞれ前記したとおりの文字よりなるから、その構成文字に相応して「ベクタシン」の称呼を生ずるものと認められる。 しかして、本件商標より生ずる「ベクタジェン」又は「ベクタゲン」の称呼と引用商標より生ずる「ベクタシン」の両称呼は、共にさ程長くない5音構成において、その第4音で濁音の「ジェ」又は「ゲ」と清音の「シ」という音質の明らかに異なる音の差異を有するものであり、その差異が称呼の比較において及ぼす影響は決して小さいものでなく、それぞれを一連に称呼しても両称呼は十分に聴別し得るものといわなければならない。
また、両商標は、外観上、欧文字で2字の差異が認められ十分に区別し得るものというべきであり、かつ、観念においては、共に造語と認められるから比較すべきところがない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても非類似の商標といえるものである。
(2)出所の混同等の有無について
申立人より提出された証拠によれば、引用商標が申立人の業務に係る商品「注射液(抗生物質製剤)」について使用されていることは認められるが、提出に係る証拠のみでは、引用商標が、本件商標の登録出願の時に需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。しかも、本件商標は、前述のとおり引用商標とは、類似しない十分に区別し得る商標であるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これより申立人の引用商標を連想・想起させることはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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